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議員定数不均衡訴訟 最大判平成23年3月23日
概要
判例
判旨:①「…憲法は、…国会の両議院の議員の選挙について、およそ議員は全国民を代表するものでなければならないという基本的な要請(43条1項)の下で、…両議院の議員の各選挙制度の仕組みについて国会に広範な裁量を認めている。したがって、国会が選挙制度の仕組みについて具体的に定めたところが、上記のような基本的な要請や法の下の平等などの憲法上の要請に反するため、上記のような裁量権を考慮してもなおその限界を超えており、これを是認することができない場合に、初めてこれが憲法に違反することになるものと解すべきである。
過去問・解説
(H27 司法 第16問 ア)
衆議院議員選挙における1人別枠方式については、人口の少ない県に居住する国民の意思をも十分に国政に反映させるという目的は合理的であるが、その結果生じる投票価値の較差が過大であるから違憲である。
(正答)✕
(解説)
判例(最大判平23.3.23)は、「1人別枠方式…については…、相対的に人口の少ない県に定数を多めに配分し、人口の少ない県に居住する国民の意思をも十分に国政に反映させることができるようにすることを目的とする旨の説明がされている。しかし、…殊更にある地域(都道府県)の選挙人と他の地域(都道府県)の選挙人との間に投票価値の不平等を生じさせるだけの合理性があるとはいい難い。」としている。したがって、「人口の少ない県に居住する国民の意思をも十分に国政に反映させるという目的は合理的である」とする点において、本肢は誤っている。
また、同判例は、「本件選挙時において、本件区割基準規定の定める本件区割基準のうち1人別枠方式に係る部分は、憲法の投票価値の平等の要求に反するに至っており、同基準に従って改定された本件区割規定の定める本件選挙区割りも、憲法の投票価値の平等の要求に反するに至っていたものではあるが、いずれも憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割基準規定及び本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできない。」としている。したがって、「その結果生じる投票価値の較差が過大であるから違憲である」とする点においても、本肢は誤っている。
(H30 共通 第13問 イ)
判例は、衆議院議員選挙におけるいわゆる1人別枠方式について、小選挙区比例代表並立制の導入に当たり、直ちに人口比例のみに基づいて定数配分を行った場合の影響に配慮するための方策であり、新選挙制度が定着し運用が安定すればその合理性は失われるとしている。
(正答) 〇
(解説)
判例(最大判平23.3.23)は、「1人別枠方式の意義については、人口の少ない地方における定数の急激な減少への配慮という立法時の説明にも一部うかがわれるところであるが、既に述べたような我が国の選挙制度の歴史、とりわけ人口の変動に伴う定数の削減が著しく困難であったという経緯に照らすと、新しい選挙制度を導入するに当たり、直ちに人口比例のみに基づいて各都道府県への定数の配分を行った場合には、人口の少ない県における定数が急激かつ大幅に削減されることになるため、国政における安定性、連続性の確保を図る必要があると考えられたこと、何よりもこの点への配慮なくしては選挙制度の改革の実現自体が困難であったと認められる状況の下で採られた方策であるということにあるものと解される。そうであるとすれば、1人別枠方式は、おのずからその合理性に時間的な限界があるものというべきであり、新しい選挙制度が定着し、安定した運用がされるようになった段階においては、その合理性は失われるものというほかはない。」としている。
(R7 予備 第10問 ウ)
最高裁判所は、1人別枠方式の意義は、衆議院議員選挙制度の変更に伴い、国政における安定性、連続性の確保を図るための暫定的な措置であるということにあると解されるから、その合理性には時間的な限界があり、新しい選挙制度である小選挙区比例代表並立制が定着し、安定した運用がされるようになった段階ではその合理性が失われるとした。
(正答)〇
(解説)
判例(最大判平23.3.23)は、「1人別枠方式の意義については、人口の少ない地方における定数の急激な減少への配慮という立法時の説明にも一部うかがわれるところであるが、既に述べたような我が国の選挙制度の歴史、とりわけ人口の変動に伴う定数の削減が著しく困難であったという経緯に照らすと、新しい選挙制度を導入するに当たり、直ちに人口比例のみに基づいて各都道府県への定数の配分を行った場合には、人口の少ない県における定数が急激かつ大幅に削減されることになるため、国政における安定性、連続性の確保を図る必要があると考えられたこと、何よりもこの点への配慮なくしては選挙制度の改革の実現自体が困難であったと認められる状況の下で採られた方策であるということにあるものと解される。そうであるとすれば、1人別枠方式は、おのずからその合理性に時間的な限界があるものというべきであり、新しい選挙制度が定着し、安定した運用がされるようになった段階においては、その合理性は失われるものというほかはない。」としている。