〇民法733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分は、平成20年当時において、憲法14条1項、24条2項に違反するに至っていた。
〇当時においては本件規定のうち100日超過部分が憲法に違反するものとなってはいたものの、その改廃等の立法措置を怠ったという立法不作為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではない。
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(H19 司法 第5問 エ)
女性のみに再婚禁止期間を定める民法第733条の立法趣旨は、父性推定の重複の回避と父子関係をめぐる紛争の防止にあるという判例(最判平7.12.5)の理解からすると、立法当時に比べて父子関係の立証がはるかに容易になっている現状の下でも、立法目的の合理性を肯定することは可能である。
(正答) 〇
(解説)
女子再婚禁止期間事件判決(最大判平27.12.16)は、旧民法733条の立法趣旨について、「女性の再婚後に生まれた子につき父性の推定の重複を回避し、もって父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにある」とした上で、「確かに、近年の医療や科学技術の発達により、DNA検査技術が進歩し、安価に、身体に対する侵襲を伴うこともなく、極めて高い確率で生物学上の親子関係を肯定し、又は否定することができるようになったことは公知の事実である。しかし、そのように父子関係の確定を科学的な判定に委ねることとする場合には、父性の推定が重複する期間内に生まれた子は、一定の裁判手続等を経るまで法律上の父が未定の子として取り扱わざるを得ず、その手続を経なければ法律上の父を確定できない状態に置かれることになる。生まれてくる子にとって、法律上の父を確定できない状態が一定期間継続することにより種々の影響が生じ得ることを考慮すれば、子の利益の観点から、上記のような法律上の父を確定するための裁判手続等を経るまでもなく、そもそも父性の推定が重複することを回避するための制度を維持することに合理性が認められるというべきである。」としている。
(R1 共通 第9問 ア)
判例は、婚姻をするかどうか、いつ誰と婚姻をするかは当事者間の自由かつ平等な意思決定に委ねられるべきこと(婚姻をするについての自由)は、「憲法第24条第1項によって保障される」としている。
(R3 共通 第3問 ウ)
女性に対し6か月の再婚禁止期間を定める規定の立法目的は、父性の推定の重複を回避し、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあると解され、6か月の再婚禁止期間を設けることはこの立法目的との関連において合理性を有するから、憲法第14条第1項に違反しない。
(R5 司法 第10問 ア)
判例(最大判平27.12.16)は、憲法第24条第1項は、婚姻をするかどうか、いつ誰と婚姻をするかについては、当事者間の自由かつ平等な意思決定に委ねられるべきであるという趣旨を明らかにしたものと解され、このような婚姻の自由について、憲法第24条第1項の規定の趣旨に照らし、十分尊重に値するものと解することができる、としている。
(正答) 〇
(解説)
女子再婚禁止期間事件判決(最大判平27.12.16)は、「憲法24条…1項は、『婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。』と規定しており、婚姻をするかどうか、いつ誰と婚姻をするかについては、当事者間の自由かつ平等な意思決定に委ねられるべきであるという趣旨を明らかにしたものと解される。婚姻は、これにより、配偶者の相続権(民法890条)や夫婦間の子が嫡出子となること(同法772条1項等)などの重要な法律上の効果が与えられるものとされているほか、近年家族等に関する国民の意識の多様化が指摘されつつも、国民の中にはなお法律婚を尊重する意識が幅広く浸透していると考えられることをも併せ考慮すると、上記のような婚姻をするについての自由は、憲法24条1項の規定の趣旨に照らし、十分尊重に値するものと解することができる。」としている。
(R5 司法 第10問 イ)
判例(最大判平27.12.16)は、民法第733条第1項の立法目的は、女性の再婚後に生まれた子につき父性の推定の重複を回避し、もって父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあったとし、現代社会においては、DNA検査技術が進歩し、極めて高い確率で生物学上の親子関係の有無が確認できるようになったことから、その立法目的は合理性を欠くに至ったとしている。
(正答) ✕
(解説)
女子再婚禁止期間事件判決(最大判平27.12.16)は、旧民法733条の立法目的について、「女性の再婚後に生まれた子につき父性の推定の重複を回避し、もって父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにある」とした上で、「確かに、近年の医療や科学技術の発達により、DNA検査技術が進歩し、安価に、身体に対する侵襲を伴うこともなく、極めて高い確率で生物学上の親子関係を肯定し、又は否定することができるようになったことは公知の事実である。しかし、そのように父子関係の確定を科学的な判定に委ねることとする場合には、父性の推定が重複する期間内に生まれた子は、一定の裁判手続等を経るまで法律上の父が未定の子として取り扱わざるを得ず、その手続を経なければ法律上の父を確定できない状態に置かれることになる。生まれてくる子にとって、法律上の父を確定できない状態が一定期間継続することにより種々の影響が生じ得ることを考慮すれば、子の利益の観点から、上記のような法律上の父を確定するための裁判手続等を経るまでもなく、そもそも父性の推定が重複することを回避するための制度を維持することに合理性が認められるというべきである。」としている。
(R7 共通 第3問 イ)
女性についてのみ前婚の解消又は取消しの日から一定期間、再婚を禁止することは、再婚をする際の要件に関し男性と女性とを区別するものであるから、女性についてのみ再婚禁止期間を設けること自体が、憲法第14条第1項に違反する。
(正答)✕
(解説)
女子再婚禁止期間事件判決(最大判平27.12.16)は、女性の再婚禁止期間を定めた旧民法733条1項について、「本件規定のうち100日超過部分は、遅くとも上告人が前婚を解消した日から100日を経過した時点までには、婚姻及び家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超えるものとして、その立法目的との関連において合理性を欠くものになっていたと解される。」として、100日超過分については憲法14条1項に違反するとしている。
しかし、同判決は続けて、「100日について一律に女性の再婚を制約することは、婚姻及び家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超えるものではなく、上記立法目的との関連において合理性を有するものということができる。」として、再婚禁止期間のうち100日以内の部分については憲法14条1項に反しないとした。
したがって、女性についてのみ再婚禁止期間を設けること自体は憲法14条1項に違反しない。