現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
憲法 森川キャサリーン事件 最一小判平成4年11月16日
概要
我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されていない。
判例
事案:アメリカ合衆国民Xは、入管法(出入国管理及び難民認定法)に基づき1973年に日本に上陸し、その後在留更新許可申請を許可されて日本に在留し続けてきた者であり、1982年11月、韓国旅行の計画を立てて再入国許可申請をしたところ、法務大臣は、Xが当時の外国人登録法14条1項の指紋押なつを拒否していることを理由に再入国許可申請を不許可とした。 この不許可処分との関係で、外国人にも外国へ一時旅行する自由が憲法上保障されるかが問題となった。
判旨:「我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものでないことは、当裁判所大法廷判決(最高裁昭和29年(あ)第3594号同32年6月19日判決・刑集11巻6号1663頁、昭和50年(行ツ)第120号同53年10月4日判決・民集32巻7号1223頁)の趣旨に徴して明らかである。」
過去問・解説
(H22 司法 第1問 ウ)
出国の自由は外国人にも保障されるが、再入国する自由については、憲法22条2項に基づき、我が国に生活の本拠を持つ外国人に限り、我が国の利益を著しく、かつ、直接に害することのない場合にのみ認められる。
出国の自由は外国人にも保障されるが、再入国する自由については、憲法22条2項に基づき、我が国に生活の本拠を持つ外国人に限り、我が国の利益を著しく、かつ、直接に害することのない場合にのみ認められる。
(正答) ✕
(解説)
不法出国・密輸事件判決(最大判昭32.12.25)は、前段について、「憲法22条2項は「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」と規定しており、ここにいう外国移住の自由は、その権利の性質上外国人に限つて保障しないという理由はない。」として、憲法22条2項を根拠として、外国移住の自由、すなわち出国の自由を認めている。したがって、本肢前段は正しい。
森川キャサリーン事件判決(最判平4.11.16)は、後段について、「我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものではない」として、再入国の自由を憲法上の権利として認めたものということはできない。したがって、本肢後段の「再入国する自由については…我が国に生活の本拠を持つ外国人に限り、我が国の利益を著しく、かつ、直接に害することのない場合にのみ認められる。」との部分は、同判決と矛盾する。
森川キャサリーン事件判決(最判平4.11.16)は、後段について、「我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものではない」として、再入国の自由を憲法上の権利として認めたものということはできない。したがって、本肢後段の「再入国する自由については…我が国に生活の本拠を持つ外国人に限り、我が国の利益を著しく、かつ、直接に害することのない場合にのみ認められる。」との部分は、同判決と矛盾する。
(R6 司法 第7問 ア)
判例は、日本に適法に在留する外国人には、憲法上、その在留期間内において外国へ一時旅行する自由が保障されているものと解している。
判例は、日本に適法に在留する外国人には、憲法上、その在留期間内において外国へ一時旅行する自由が保障されているものと解している。
(正答) ✕
(解説)
森川キャサリーン事件判決(最判平4.11.16)は、「我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものでない」としている。
森川キャサリーン事件判決(最判平4.11.16)は、「我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものでない」としている。