①未決勾留によつて拘禁された者の自由に対する制限が必要かつ合理的なものとして是認されるかどうかは、右の目的のために制限が必要とされる程度と、制限される自由の内容及び性質、これに加えられる具体的制限の態様及び程度等を較量して決せられるべきものである。
②閲読の自由は、思想及び良心の自由の不可侵を定めた憲法19条の規定や、表現の自由を保障した憲法21条の規定の趣旨・目的から、その派生原理として当然に導かれる。
③未決勾留によつて拘禁された者は、当該拘禁関係に伴う制約の範囲外においては、原則として一般市民としての自由を保障されるべき者であるから、監獄内の規律及び秩序の維持のためにこれら被拘禁者の新聞紙、図書等の閲読の自由を制限する場合においても、それは、右の目的を達するために真に必要と認められる限度にとどめられるべきものである。したがつて、右の制限が許されるためには、当該閲読を許すことにより右の規律及び秩序が害される一般的、抽象的なおそれがあるというだけでは足りず、具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があると認められることが必要であり、かつ、その場合においても、右の制限の程度は、右の障害発生の防止のために必要かつ合理的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。
④監獄法31条2項は、在監者に対する文書、図画の閲読の自由を制限することができる旨を定めるとともに、制限の具体的内容を命令に委任し、これに基づき監獄法施行規則86条1項はその制限の要件を定め、更に所論の法務大臣訓令及び法務省矯正局長依命通達は、制限の範囲、方法を定めているところ、これらの規定は、③で述べた要件及び範囲内でのみ閲読の制限を許す旨を定めたものと解されるから、憲法には違反しない。
⑤東京拘置所長において、公安事件関係の被告人として拘禁されていたXらに対し本件各新聞記事の閲読を許した場合には、拘置所内の静穏が攪乱され、所内の規律及び秩序の維持に放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があるものとしたことには合理的な根拠があり、また、右の障害発生を防止するために必要であるとして右乗つ取り事件に関する各新聞記事の全部を原認定の期間抹消する措置をとつたことについても、当時の状況のもとにおいては、必要とされる制限の内容及び程度についての同所長の判断に裁量権の逸脱又は濫用の違法があつたとすることはできない。
②閲読の自由は、思想及び良心の自由の不可侵を定めた憲法19条の規定や、表現の自由を保障した憲法21条の規定の趣旨・目的から、その派生原理として当然に導かれる。
③未決勾留によつて拘禁された者は、当該拘禁関係に伴う制約の範囲外においては、原則として一般市民としての自由を保障されるべき者であるから、監獄内の規律及び秩序の維持のためにこれら被拘禁者の新聞紙、図書等の閲読の自由を制限する場合においても、それは、右の目的を達するために真に必要と認められる限度にとどめられるべきものである。したがつて、右の制限が許されるためには、当該閲読を許すことにより右の規律及び秩序が害される一般的、抽象的なおそれがあるというだけでは足りず、具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があると認められることが必要であり、かつ、その場合においても、右の制限の程度は、右の障害発生の防止のために必要かつ合理的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。
④監獄法31条2項は、在監者に対する文書、図画の閲読の自由を制限することができる旨を定めるとともに、制限の具体的内容を命令に委任し、これに基づき監獄法施行規則86条1項はその制限の要件を定め、更に所論の法務大臣訓令及び法務省矯正局長依命通達は、制限の範囲、方法を定めているところ、これらの規定は、③で述べた要件及び範囲内でのみ閲読の制限を許す旨を定めたものと解されるから、憲法には違反しない。
⑤東京拘置所長において、公安事件関係の被告人として拘禁されていたXらに対し本件各新聞記事の閲読を許した場合には、拘置所内の静穏が攪乱され、所内の規律及び秩序の維持に放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があるものとしたことには合理的な根拠があり、また、右の障害発生を防止するために必要であるとして右乗つ取り事件に関する各新聞記事の全部を原認定の期間抹消する措置をとつたことについても、当時の状況のもとにおいては、必要とされる制限の内容及び程度についての同所長の判断に裁量権の逸脱又は濫用の違法があつたとすることはできない。