(H30 予備 第4問 ア)
「博多駅事件決定」は、裁判所の提出命令について適法としたが、「日本テレビ事件決定」と「TBS事件決定」は、公正な刑事裁判を実現するためには、適正迅速な捜査が不可欠であるとして、検察事務官や司法警察職員がした差押えについても、適法と認められる場合があるとした。
(正答) 〇
(解説)
博多駅事件決定(最大決昭44.11.26)は、個別事情を踏まえた比較衡量の結果、公正な裁判を実現する要請を優先し、「本件フィルムの提出命令は、憲法21条に違反するものでないことはもちろん、その趣旨に反するものでもな…い」としている。
日本テレビ事件決定(最決平元.1.30)は、検察官の請求によつて発付された裁判官の差押許可状に基づき検察事務官が行った差押処分に関する事案において、「国家の基本的要請である公正な刑事裁判を実現するためには、適正迅速な捜査が不可欠の前提であり、報道の自由ないし取材の自由に対する制約の許否に関しては両者の間に本質的な差異がないことは多言を要しないところである。同決定の趣旨に徴し、取材の自由が適正迅速な捜査のためにある程度の制約を受けることのあることも、またやむを得ないものというべきである。」としている。
TBS事件決定(最決平2.7.9)は、司法警察員が裁判官の差押許可状に基づて行った差押処分に関する事案において、「公正な刑事裁判を実現するために不可欠である適正迅速な捜査の遂行という要請がある場合にも、同様に、取材の自由がある程度の制約を受ける場合がある…。」としている。