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憲法 第76条

条文
第76条(司法権・裁判所、特別裁判所の禁止、裁判官の独立)
① すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
② 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
③ すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
過去問・解説
(H23 司法 第17問 イ)
日本国憲法は特別裁判所の設置を明文で禁止しているが、弾劾裁判所は、憲法上の例外である。

(正答)  

(解説)
憲法76条2項は、「特別裁判所は、これを設置することができない」と規定しており、特別裁判所の設置を明文で禁止している。もっとも、憲法64条1項は、「国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける」規定している。したがって、弾劾裁判所は、特別裁判所の禁止についての憲法上の例外として位置付けられる。

(H26 司法 第15問 ウ)
独立行政委員会が裁決や審決という準司法的作用を行うことは、たとえ前審であっても、全て司法権は裁判所に属する旨を定める憲法第76条第1項に反し、許されない。

(正答)  

(解説)
憲法76条2項は、「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない」と規定している。したがって、前審であれば、独立行政委員会という行政機関が裁決や審決という準司法的作用を行うことは許される。

(H26 司法 第16問 ア)
下級裁判所は、最高裁判所が制定した裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する規則に拘束されるから、最高裁判所が、下級裁判所の裁判官に対して、具体的事件について、どのような判断を行うべきか指示することも許される。

(正答)  

(解説)
憲法76条3項は、「すべて裁判官は、…この憲法及び法律にのみ拘束される」と規定している。したがって、最高裁判所が、下級裁判所の裁判官に対して、具体的事件について、どのような判断を行うべきか指示することは許されない。

(R6 司法 第15問 ウ)
憲法第76条第2項後段は、「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。」と規定するにとどまる。そのため、行政機関が裁判所の裁判の前審として行政処分についての審査請求に対する裁決をすることは許されるし、裁決をした行政機関が適法に認定した事実は裁判所を無条件に拘束するという法律の規定を設けても、違憲とはならない。

(正答)  

(解説)
憲法76条2項後段は、「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。」と規定している。終審として裁判することを禁じているにとどまるから、行政機関が裁判所の裁判の前審として行政処分についての審査請求に対する裁決をすることは、通常の裁判所へ出訴の道が開かれているならば許される。したがって、本肢前段は正しい。
憲法76条1項は「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。」と規定している。「司法権」には法令の適用の前提としての事実認定が含まれるから、行政機関が適法に認定した事実は裁判所を無条件に拘束するという内容の実質的証拠法則を規定する法律は同条に違反する。したがって、本肢後段は誤っている。
総合メモ
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