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手形法・小切手法 手形保証人が手形保証債務を拒むことができる場合 最三小判昭和45年3月31日 - 解答モード
概要
AがBに対して約束手形を振り出し、Cが手形保証をしたとき、A・B間の手形振出しの原因関係においてAの債務の不発生が確定した場合には、Cは、Bに対し、手形保証債務の履行を拒むことはできる。
判例
事案:A・B間の手形振出しの原因関係においてAの債務の不発生が確定した場合、Cは、Bに対し、手形保証債務の履行を拒むことができるかが問題となった。
判旨:「手形保証のなされた約束手形の受取人は、手形振出の右原因関係上の債務の不発生が確定したときは、特別の事情のないかぎり、爾後手形振出人に対してのみならず手形保証人に対しても手形上の権利を行使すべき実質的理由を失ったものである。しかるに、手形を返還せず手形が自己の手裡に存するのを奇貨として手形保証人から手形金の支払を求めようとするが如きは、信義誠実の原則に反して明らかに不当であり、権利の濫用に該当し、手形保証人は受取人に対し手形金の支払を拒むことができるものと解するのが相当である(昭和38年(オ)第330号同43年12月25日大法廷判決、民集22巻13号3548頁参照。)。そして、右受取人から裏書譲渡を受けた手形所持人につき手形法17条但書の要件が存するときは、手形保証人は、右悪意の所持人に対し右権利濫用の抗弁をもって対抗することができる。」
判旨:「手形保証のなされた約束手形の受取人は、手形振出の右原因関係上の債務の不発生が確定したときは、特別の事情のないかぎり、爾後手形振出人に対してのみならず手形保証人に対しても手形上の権利を行使すべき実質的理由を失ったものである。しかるに、手形を返還せず手形が自己の手裡に存するのを奇貨として手形保証人から手形金の支払を求めようとするが如きは、信義誠実の原則に反して明らかに不当であり、権利の濫用に該当し、手形保証人は受取人に対し手形金の支払を拒むことができるものと解するのが相当である(昭和38年(オ)第330号同43年12月25日大法廷判決、民集22巻13号3548頁参照。)。そして、右受取人から裏書譲渡を受けた手形所持人につき手形法17条但書の要件が存するときは、手形保証人は、右悪意の所持人に対し右権利濫用の抗弁をもって対抗することができる。」
過去問・解説
(H25 予備 第30問 エ)
AがBに対して約束手形を振り出し、Cが手形保証をしたとき、判例によれば、A・B間の手形振出しの原因関係においてAの債務の不発生が確定した場合でも、Cは、Bに対し、手形保証債務の履行を拒むことはできない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭45.3.31)は、「手形保証のなされた約束手形の受取人は、手形振出の右原因関係上の債務の不発生が確定したときは、特別の事情のないかぎり、爾後手形振出人に対してのみならず手形保証人に対しても手形上の権利を行使すべき実質的理由を失ったものである。しかるに、手形を返還せず手形が自己の手裡に存するのを奇貨として手形保証人から手形金の支払を求めようとするが如きは、信義誠実の原則に反して明らかに不当であり、権利の濫用に該当し、手形保証人は受取人に対し手形金の支払を拒むことができるものと解するのが相当である…。」としている。
したがって、本肢のような場合、A・B間の手形振出しの原因関係においてAの債務の不発生が確定した場合には、手形保証人であるCは、Bに対し、手形保証債務の履行を拒むことができる。