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手形法・小切手法 遡及権行使の要件である支払呈示の趣旨 最二小判平成5年10月22日

概要
約束手形の所持人が裏書人に対して遡求権を行使するためには原則として手形法所定の要件を満たさなければならないことは、請求者が約束手形の正当な所持人であることを確知させると同時に、振出人によって支払がされるのか否かを明らかにさせる趣旨である。
判例
事案:約束手形の所持人が裏書人に対して遡求権を行使するために原則として手形法所定の要件を満たさなければならないことは、いかなる趣旨によるものかが問題となった。

判旨:「約束手形の所持人が振出人に対し満期前に将来の給付の訴えとして約束手形金請求訴訟を提起したが、口頭弁論終結前に満期が到来した場合には、裏書人に対する遡求権行使の要件として、支払呈示期間内に支払場所において振出人に対する支払呈示をしなければならないというべきであり(手形法43条、77条1項4号)、振出人に対する右訴訟の提起ないし訴状の送達は、裏書人に対する遡求権行使の要件である支払呈示としての効力を有しないものと解するのが相当である。けだし、支払呈示が裏書人に対する遡求権行使の要件とされているのは、最終的な支払義務者である振出人に対し支払呈示期間内に支払場所において支払呈示をすることにより、請求者が約束手形の正当な所持人であることを確知させると同時に、振出人によって支払がされるのか否かを明らかにさせる必要があるためであるところ、右の必要性は、振出人に対し将来の給付の訴えである約束手形金請求訴訟が提起され、その口頭弁論終結前に満期が到来した場合であっても異なるところはないからである。」
過去問・解説
(H26 司法 第55問 オ)
約束手形の所持人が裏書人に対して遡求権を行使するためには、原則として、満期又はこれに次ぐ2取引日内に振出人に対して支払のための呈示をするなど、手形法所定の要件を満たさなければならないことは、約束手形の流通性を高める趣旨によるものとしてふさわしい。

(正答)

(解説)
判例(最判平5.10.22)は、「支払呈示が裏書人に対する遡求権行使の要件とされているのは、最終的な支払義務者である振出人に対し支払呈示期間内に支払場所において支払呈示をすることにより、請求者が約束手形の正当な所持人であることを確知させると同時に、振出人によって支払がされるのか否かを明らかにさせる必要があるためである…。」としている。
これは、約束手形の遡求権行使のためのものであり、必ずしも約束手形の流通性を高める趣旨によるものとはいえない。
総合メモ
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