現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
商法総則・商行為法 商号の使用を許諾した者の営業とその許諾を受けた者の営業との業種が異なる場合と商法第23条(現14条)の責任 最判一小昭和43年6月13日
概要
他人に自己の商号を使用して営業を営むことを許諾した場合においても、その許諾を受けた者が当該商号を使用して業種の異なる営業を営むときは、特段の事情がないかぎり、商号許諾者は、商法23条(現:商法14条)の責任を負わない。
判例
事案:商号の使用を許諾した者の営業とその許諾を受けた者の営業との業種が異なる場合と商法23条(現:商法14条)の責任が問題となった。
判旨:「商号は、法律上は特定の営業につき特定の商人を表わす名称であり、社会的には当該営業の同一性を表示し、その信用の標的となる機能をいとなむものである。商法23条(現:商法14条)は、このような事実に基づいて、自己の商号を使用して営業をなすことを他人に許諾した者は、自己を営業主と誤認して取引した者に対し、同条所定の責任を負うべきものとしているのである。したがって、現に一定の商号をもって営業を営んでいるか、または、従来一定の商号をもって営業を営んでいた者が、その商号を使用して営業を営むことを他人に許諾した場合に右の責任を負うのは、特段の事情のないかぎり、商号使用の許諾を受けた者の営業がその許諾をした者の営業と同種の営業であることを要するものと解するのが相当である。
ところで、本件において、原審の確定したところによれば、上告人は、その営んでいた電気器具商をやめるに際し、従前店舗に掲げていた『現金屋』という看板をそのままにするとともに、上告人名義のゴム印、印鑑、小切手帳等を店舗においたままにしておき、訴外篠崎が『現金屋』の商号で食料品店を経営することおよびその後経営していたことを了知していたこと、同訴外人は、本件売買取引の当時、右ゴム印および印鑑を用いて上告人名義で被上告人会社の前身である合資会社鵜ノ木商店にあてて約束手形を振出していたこと、上告人は、自己の営業当時、売上金を『現金屋』および上告人名義で銀行に普通預金にし、その預金の出し入れについて上告人名義の印鑑を使用していたが、訴外篠崎が食料品店を始めるに当たって、同訴外人に対して自己の右預金口座を利用することを承諾し、同訴外人もこれを利用して預金の出し入れをしていたこと、同訴外人は上告人の営業当時の使用人であり、かつ上告人の営業当時の店舗を使用した関係にあつたというのである。このような事実関係のもとにおいては、訴外篠崎が、上告人の廃業後に、上告人の商号および氏名を使用して上告人の従前の営業とは別種の営業を始めたとしても、同訴外人と取引をした被上告人の前身鵜ノ木商店がその取引をもって上告人との取引と誤認するおそれが十分あったものというべきであり、したがって、上告人の営業と訴外篠崎の営業とが業種を異にするにかかわらず、なお上告人において同訴外人の右取引につき商法23条(現:商法14条)所定の責任を負うべき特段の事情がある場合に当たるものと解するのが相当である。」
判旨:「商号は、法律上は特定の営業につき特定の商人を表わす名称であり、社会的には当該営業の同一性を表示し、その信用の標的となる機能をいとなむものである。商法23条(現:商法14条)は、このような事実に基づいて、自己の商号を使用して営業をなすことを他人に許諾した者は、自己を営業主と誤認して取引した者に対し、同条所定の責任を負うべきものとしているのである。したがって、現に一定の商号をもって営業を営んでいるか、または、従来一定の商号をもって営業を営んでいた者が、その商号を使用して営業を営むことを他人に許諾した場合に右の責任を負うのは、特段の事情のないかぎり、商号使用の許諾を受けた者の営業がその許諾をした者の営業と同種の営業であることを要するものと解するのが相当である。
ところで、本件において、原審の確定したところによれば、上告人は、その営んでいた電気器具商をやめるに際し、従前店舗に掲げていた『現金屋』という看板をそのままにするとともに、上告人名義のゴム印、印鑑、小切手帳等を店舗においたままにしておき、訴外篠崎が『現金屋』の商号で食料品店を経営することおよびその後経営していたことを了知していたこと、同訴外人は、本件売買取引の当時、右ゴム印および印鑑を用いて上告人名義で被上告人会社の前身である合資会社鵜ノ木商店にあてて約束手形を振出していたこと、上告人は、自己の営業当時、売上金を『現金屋』および上告人名義で銀行に普通預金にし、その預金の出し入れについて上告人名義の印鑑を使用していたが、訴外篠崎が食料品店を始めるに当たって、同訴外人に対して自己の右預金口座を利用することを承諾し、同訴外人もこれを利用して預金の出し入れをしていたこと、同訴外人は上告人の営業当時の使用人であり、かつ上告人の営業当時の店舗を使用した関係にあつたというのである。このような事実関係のもとにおいては、訴外篠崎が、上告人の廃業後に、上告人の商号および氏名を使用して上告人の従前の営業とは別種の営業を始めたとしても、同訴外人と取引をした被上告人の前身鵜ノ木商店がその取引をもって上告人との取引と誤認するおそれが十分あったものというべきであり、したがって、上告人の営業と訴外篠崎の営業とが業種を異にするにかかわらず、なお上告人において同訴外人の右取引につき商法23条(現:商法14条)所定の責任を負うべき特段の事情がある場合に当たるものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H29 予備 第27問 3)
商人が,自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した場合に,当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をしたものに対し当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負うためには,特段の事情のない限り,商号使用の許諾を受けたものの営業がその許諾をした商人の営業と同種の営業であることを要する。
商人が,自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した場合に,当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をしたものに対し当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負うためには,特段の事情のない限り,商号使用の許諾を受けたものの営業がその許諾をした商人の営業と同種の営業であることを要する。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭43.6.13)は、「商号は、法律上は特定の営業につき特定の商人を表わす名称であり、社会的には当該営業の同一性を表示し、その信用の標的となる機能をいとなむものである。商法23条(現:商法14条)は、このような事実に基づいて、自己の商号を使用して営業をなすことを他人に許諾した者は、自己を営業主と誤認して取引した者に対し、同条所定の責任を負うべきものとしているのである。したがって、現に一定の商号をもって営業を営んでいるか、または、従来一定の商号をもって営業を営んでいた者が、その商号を使用して営業を営むことを他人に許諾した場合に右の責任を負うのは、特段の事情のないかぎり、商号使用の許諾を受けた者の営業がその許諾をした者の営業と同種の営業であることを要するものと解するのが相当である。」としている。
判例(最判昭43.6.13)は、「商号は、法律上は特定の営業につき特定の商人を表わす名称であり、社会的には当該営業の同一性を表示し、その信用の標的となる機能をいとなむものである。商法23条(現:商法14条)は、このような事実に基づいて、自己の商号を使用して営業をなすことを他人に許諾した者は、自己を営業主と誤認して取引した者に対し、同条所定の責任を負うべきものとしているのである。したがって、現に一定の商号をもって営業を営んでいるか、または、従来一定の商号をもって営業を営んでいた者が、その商号を使用して営業を営むことを他人に許諾した場合に右の責任を負うのは、特段の事情のないかぎり、商号使用の許諾を受けた者の営業がその許諾をした者の営業と同種の営業であることを要するものと解するのが相当である。」としている。