現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

国家賠償制度(国家賠償法1条1項 | 加害公務員の責任)

加害公務員の個人責任 最三小判昭和30年4月19日

概要
公権力の行使に当たる公務員の職務行為に基く損害については、国または公共団体が賠償の責に任じ、職務の執行に当たった公務員は、行政機関としての地位においても、個人としても、被害者に対しその責任を負担するものではない。
判例
事案:国家賠償請求において、加害行為をした当該公務員個人が独立に損害賠償責任を負うかが問題となった。

判旨:「損害賠償等を請求する訴について考えてみるに、右請求は、被上告人等の職務行為を理由とする国家賠償の請求と解すべきであるから、国または公共団体が賠償の責に任ずるのであって、公務員が行政機関としての地位において賠償の責任を負うものではなく、また公務員個人もその責任を負うものではない。従って県知事を相手方とする訴は不適法であり、また県知事個人、農地部長個人を相手方とする請求は理由がないことに帰する。」
過去問・解説
(H19 司法 第21問 ア)
国の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、軽過失によって違法に他人に損害を与えた場合には、その被害者に対しては国のみが責任を負うが、当該公務員に故意又は重過失がある場合には、国及び当該公務員のいずれもが被害者に対し直接に責任を負う。

(正答)

(解説)
判例(最判昭30.4.19)は、公務員個人に対して国家賠償請求をした事案において、「国または公共団体が賠償の責に任ずるのであって、公務員が行政機関としての地位において賠償の責任を負うものではなく、また公務員個人もその責任を負うものではない。」としている。
したがって、公務員に故意又は重過失がある場合であっても、公務員個人が責任を負うわけではない。

(H29 予備 第22問 イ)
国家賠償法第1条は、加害行為が公務員の故意又は重過失による場合には、被害者が当該公務員個人に対して賠償請求することを妨げない趣旨である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭30.4.19)は、公務員個人に対して国家賠償請求をした事案において、「国または公共団体が賠償の責に任ずるのであって、公務員が行政機関としての地位において賠償の責任を負うものではなく、また公務員個人もその責任を負うものではない。」としている。
したがって、加害行為が公務員の故意又は重過失による場合にも、被害者が当該公務員個人に対して賠償請求することはできない。

(R2 予備 第22問 イ)
国の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意により違法に他人に損害を与えた場合であっても、国は被害者に対し賠償責任を負うが、当該公務員個人は被害者に対し直接に賠償責任を負わない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭30.4.19)は、公務員個人に対して国家賠償請求をした事案において、「国または公共団体が賠償の責に任ずるのであって、公務員が行政機関としての地位において賠償の責任を負うものではなく、また公務員個人もその責任を負うものではない。」としている。
したがって、公務員個人は被害者に対し直接に賠償責任を負わない。
総合メモ

国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に加えた損害につき国又は公共団体が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負う場合において、使用者が民法715条に基づく損害賠償責任を負うか 最一小判平成19年1月25日

概要
国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても、当該被用者の行為が国又は公共団体の公権力の行使に当たるとして国又は公共団体が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うときは、使用者は民法715条に基づく損害賠償責任を負わない。
判例
事案:国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に加えた損害につき国又は公共団体が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負う場合において、使用者が民法715条に基づく損害賠償責任を負うかが問題となった。

判旨:「国家賠償法1条1項は、国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合には、国又は公共団体がその被害者に対して賠償の責めに任ずることとし、公務員個人は民事上の損害賠償責任を負わないこととしたものと解される…。この趣旨からすれば、国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても、当該被用者の行為が国又は公共団体の公権力の行使に当たるとして国又は公共団体が被害者に対して同項に基づく損害賠償責任を負う場合には、被用者個人が民法709条に基づく損害賠償責任を負わないのみならず、使用者も同法715条に基づく損害賠償責任を負わないと解するのが相当である。
 これを本件についてみるに、3号措置に基づき入所した児童に対するA学園の職員等による養育監護行為が被告県の公権力の行使に当たり、本件職員の養育監護上の過失によって原告が被った損害につき被告県が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うことは前記判示のとおりであるから、本件職員の使用者である被告Yは、原告に対し、民法715条に基づく損害賠償責任を負わないというべきである。」
過去問・解説
(H26 共通 第36問 ウ)
社会福祉法人Cの設置する児童養護施設に、児童福祉法に基づくD県の措置により入所した児童が、施設の職員Eの養育監護上の過失によって、他の入所児童から暴行を受けて負傷した場合であって、Eの養育監護行為が、国家賠償法第1条第1項の適用上、県の公権力の行使に当たる公務員の職務行為とされるときには、E個人が民法第709条に基づく損害賠償責任を負わないのみならず、使用者であるCも同法第715条に基づく損害賠償責任を負わない。

(正答)

(解説)
判例(最判平19.1.25)は、「国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても、当該被用者の行為が国又は公共団体の公権力の行使に当たるとして国又は公共団体が被害者に対して同項に基づく損害賠償責任を負う場合には、被用者個人が民法709条に基づく損害賠償責任を負わないのみならず、使用者も同法715条に基づく損害賠償責任を負わないと解するのが相当である。」としている。
したがって、Eの養育監護行為が県の公権力の行使に当たる公務員の職務行為とされるときには、E個人が民法第709条に基づく損害賠償責任を負わないのみならず、使用者であるCも同法第715条に基づく損害賠償責任を負わない。

(R1 予備 第23問 ア)
国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても、当該被用者の行為が国又は公共団体の公権力の行使に当たるとして国又は公共団体が被害者に対して国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うときには、被用者個人は民法第709条に基づく損害賠償責任を負わないが、使用者は同法第715条に基づく損害賠償責任を負う。

(正答)

(解説)
判例(最判平19.1.25)は、「国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても、当該被用者の行為が国又は公共団体の公権力の行使に当たるとして国又は公共団体が被害者に対して同項に基づく損害賠償責任を負う場合には、被用者個人が民法709条に基づく損害賠償責任を負わないのみならず、使用者も同法715条に基づく損害賠償責任を負わないと解するのが相当である。」としている。
したがって、本肢のような場合、使用者は民法715条に基づく損害賠償責任を負わない。
総合メモ

国又は公共団体の公権力の行使に当たる複数の公務員がその職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害に関する当該公務員らの求償債務 最三小判令和2年7月14日

概要
国又は公共団体の公権力の行使に当たる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国又は公共団体がこれを賠償した場合においては、当該公務員らは、国又は公共団体に対し、連帯して国家賠償法1条2項による求償債務を負う。
判例
事案:国家賠償請求訴訟において、複数の公務員が国又は公共団体に対して連帯して国家賠償法1条2項による求償債務を負うかが問題となった。

判旨:「国又は公共団体の公権力の行使に当たる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国又は公共団体がこれを賠償した場合においては、当該公務員らは、国又は公共団体に対し、連帯して国家賠償法1条2項による求償債務を負うものと解すべきである。なぜならば、上記の場合には、当該公務員らは、国又は公共団体に対する関係においても一体を成すものというべきであり、当該他人に対して支払われた損害賠償金に係る求償債務につき、当該公務員らのうち一部の者が無資力等により弁済することができないとしても、国又は公共団体と当該公務員らとの間では、当該公務員らにおいてその危険を負担すべきものとすることが公平の見地から相当であると解されるからである。」
過去問・解説
(R5 予備 第23問 ウ)
国の公権力の行使に当たる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国がこれを賠償した場合においては、当該公務員らは、国に対し、当該違法行為に係る各公務員の責任割合に応じた分割債務として、国家賠償法第1条第2項による求償債務を負う。

(正答)

(解説)
判例(最判令2.7.14)は、「国又は公共団体の公権力の行使に当たる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国又は公共団体がこれを賠償した場合においては、当該公務員らは、国又は公共団体に対し、連帯して国家賠償法1条2項による求償債務を負うものと解すべきである。」としている。
したがって、公務員らは、国に対し、分割債務としてではなく、連帯債務として、国家賠償法第1条第2項による求償債務を負う。
総合メモ