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行政法 関税率表を適用する場合の判断基準 大阪高判昭和44年9月30日
概要
全国の税務官庁の大多数が、事実上、特定の期間、特定の課税物件について、法定の課税標準ないし税率よりも軽減された課税標準ないし税率で関税の賦課、徴収処分をしていて、しかもその後、法定の課税標準ないし税率との差額を実際に徴収したこともなく、また追徴する見込みもないような場合には、その状態の継続する期間中に右の慣例に反してなされた関税の賦課、徴収処分は、租税平等主義に反し、違法である。
判例
事案:信号用品を輸入し神戸税関長から30%の税率で関税を徴収されたXが、同時期に、同物品につき横浜税関長及び大阪伊丹出張所長は20%の税率で関税を徴収していたため、神戸税関に課された10%分が無効であるとして訴えた事案において、法律による行政の原理と平等原則とが抵触する場合にいずれを優先させるか問題となった。
判旨:「憲法84条は租税法律主義を規定し、租税法律主義の当然の帰結である課・徴税平等の原則は、憲法14条の課・徴税の面における発現であると言うことができる。みぎ租税法律主義ないし課・徴税平等の原則に鑑みると、特定時期における特定種類の課税物件に対する税率は日本全国を通して均一であるべきであって、同一の時期に同一種類の課税物件に対して賦課・徴収された租税の税率が処分庁によって異なるときには、少くともみぎ課・徴税処分のいづれか一方は誤った税率による課・徴税をした違法な処分であると言うことができる。けだし、収税官庁は厳格に法規を執行する義務を負っていて、法律に別段の規定がある場合を除いて、法律の規定する課・徴税の要件が存在する場合には必ず法律の規定する課・徴税をすべき義務がある反面、法律の規定する課・徴税要件が存在しない場合には、その課・徴税処分をしてはならないのであるから・同一時期における同一種類の課税物件に対する2個以上の課・徴税処分の税率が互に異なるときは、みぎ2個以上の課・徴税処分が共に正当であることはあり得ないことであるからである。そしてみぎ課税物件に対する課・徴税処分に関与する全国の税務官庁の大多数が法律の誤解その他の理由によって、事実上、特定の期間特定の課税物件について、法定の課税標準ないし税率より軽減された課税標準ないし税率で課・徴税処分をして、しかも、その後、法定の税率による税金とみぎのように軽減された税率による税金の差額を、実際に追徴したことがなく且つ追徴する見込みもない状況にあるときには、租税法律主義ないし課・徴税平等の原則により、みぎ状態の継続した期間中は、法律の規定に反して多数の税務官庁が採用した軽減された課税標準ないし税率の方が、実定法上正当なものとされ、却って法定の課税標準、税率に従った課・徴税処分は、実定法に反する処分として、みぎ軽減された課税標準ないし税率を超過する部分については違法処分と解するのが相当である。したがって、このような場合について、課税平等の原則は、みぎ法定の課税標準ないし税率による課・徴税処分を、でき得る限り、軽減された全国通用の課税標準および税率による課・徴税処分に一致するように訂正し、これによって両者間の平等をもたらすように処置することを要請しているものと解しなければならない。」
判旨:「憲法84条は租税法律主義を規定し、租税法律主義の当然の帰結である課・徴税平等の原則は、憲法14条の課・徴税の面における発現であると言うことができる。みぎ租税法律主義ないし課・徴税平等の原則に鑑みると、特定時期における特定種類の課税物件に対する税率は日本全国を通して均一であるべきであって、同一の時期に同一種類の課税物件に対して賦課・徴収された租税の税率が処分庁によって異なるときには、少くともみぎ課・徴税処分のいづれか一方は誤った税率による課・徴税をした違法な処分であると言うことができる。けだし、収税官庁は厳格に法規を執行する義務を負っていて、法律に別段の規定がある場合を除いて、法律の規定する課・徴税の要件が存在する場合には必ず法律の規定する課・徴税をすべき義務がある反面、法律の規定する課・徴税要件が存在しない場合には、その課・徴税処分をしてはならないのであるから・同一時期における同一種類の課税物件に対する2個以上の課・徴税処分の税率が互に異なるときは、みぎ2個以上の課・徴税処分が共に正当であることはあり得ないことであるからである。そしてみぎ課税物件に対する課・徴税処分に関与する全国の税務官庁の大多数が法律の誤解その他の理由によって、事実上、特定の期間特定の課税物件について、法定の課税標準ないし税率より軽減された課税標準ないし税率で課・徴税処分をして、しかも、その後、法定の税率による税金とみぎのように軽減された税率による税金の差額を、実際に追徴したことがなく且つ追徴する見込みもない状況にあるときには、租税法律主義ないし課・徴税平等の原則により、みぎ状態の継続した期間中は、法律の規定に反して多数の税務官庁が採用した軽減された課税標準ないし税率の方が、実定法上正当なものとされ、却って法定の課税標準、税率に従った課・徴税処分は、実定法に反する処分として、みぎ軽減された課税標準ないし税率を超過する部分については違法処分と解するのが相当である。したがって、このような場合について、課税平等の原則は、みぎ法定の課税標準ないし税率による課・徴税処分を、でき得る限り、軽減された全国通用の課税標準および税率による課・徴税処分に一致するように訂正し、これによって両者間の平等をもたらすように処置することを要請しているものと解しなければならない。」
過去問・解説
(H18 司法 第26問 ウ)
事務処理の全国的な統一のために発せられた通達に反する措置を税務署長が行った場合、その措置は、他の税務署長が通達に準拠して行った措置との関係において、平等原則違反を理由に違法と判断される余地がある。
事務処理の全国的な統一のために発せられた通達に反する措置を税務署長が行った場合、その措置は、他の税務署長が通達に準拠して行った措置との関係において、平等原則違反を理由に違法と判断される余地がある。
(正答)〇
(解説)
裁判例(大阪高判昭44.9.30)は、「課税物件に対する課・徴税処分に関与する全国の税務官庁の大多数が法律の誤解その他の理由によって、事実上、特定の期間特定の課税物件について、法定の課税標準ないし税率より軽減された課税標準ないし税率で課・徴税処分をして、しかも、その後、法定の税率による税金とみぎのように軽減された税率による税金の差額を、実際に追徴したことがなく且つ追徴する見込みもない状況にあるときには、租税法律主義ないし課・徴税平等の原則により、みぎ状態の継続した期間中は、法律の規定に反して多数の税務官庁が採用した軽減された課税標準ないし税率の方が、実定法上正当なものとされ、却って法定の課税標準、税率に従った課・徴税処分は、実定法に反する処分として、みぎ軽減された課税標準ないし税率を超過する部分については違法処分と解する…。」としている。
したがって、本肢のような措置は、他の税務署長が通達に準拠して行った措置との関係において、平等原則違反を理由に違法と判断される余地がある。
裁判例(大阪高判昭44.9.30)は、「課税物件に対する課・徴税処分に関与する全国の税務官庁の大多数が法律の誤解その他の理由によって、事実上、特定の期間特定の課税物件について、法定の課税標準ないし税率より軽減された課税標準ないし税率で課・徴税処分をして、しかも、その後、法定の税率による税金とみぎのように軽減された税率による税金の差額を、実際に追徴したことがなく且つ追徴する見込みもない状況にあるときには、租税法律主義ないし課・徴税平等の原則により、みぎ状態の継続した期間中は、法律の規定に反して多数の税務官庁が採用した軽減された課税標準ないし税率の方が、実定法上正当なものとされ、却って法定の課税標準、税率に従った課・徴税処分は、実定法に反する処分として、みぎ軽減された課税標準ないし税率を超過する部分については違法処分と解する…。」としている。
したがって、本肢のような措置は、他の税務署長が通達に準拠して行った措置との関係において、平等原則違反を理由に違法と判断される余地がある。