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行政法 公害健康被害の補償等に関する法律4条2項に基づく水俣病の認定の申請を棄却する処分の取消訴訟における審理及び判断の方法 最三小判平成25年4月16日

概要
公害健康被害の補償等に関する法律4条2項に基づく水俣病の認定の申請を棄却する処分の取消訴訟における裁判所の審理及び判断は、処分行政庁の判断の基準とされた運用の指針に現在の最新の医学水準に照らして不合理な点があるか否か、公害健康被害認定審査会の調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤、欠落があってこれに依拠してされた処分行政庁の判断に不合理な点があるか否かといった観点から行われるべきものではなく、経験則に照らして個々の事案における諸般の事情と関係証拠を総合的に検討し、個々の具体的な症候と原因物質との間の個別的な因果関係の有無等を審理の対象として、申請者につき水俣病のり患の有無を個別具体的に判断すべきものである。
判例
事案:亡Aが水俣病認定申請をしたところ、Y県がこれを棄却する処分をし、審査請求についても棄却裁決がなされたことから、亡Aの子であるXが、本件処分の取消及び、Y県知事において水俣病認定をすることの義務付けを求めた事案において、公害健康被害の補償等に関する法律4条2項に基づく水俣病の認定の申請を棄却する処分の取消訴訟における審理及び判断の方法はいかにすべきかが問題となった。

判旨:「上記の認定自体は、前記…のような客観的事象としての水俣病のり患の有無という現在又は過去の確定した客観的事実を確認する行為であって、この点に関する処分行政庁の判断はその裁量に委ねられるべき性質のものではないというべきであり、前記…のとおり処分行政庁の審査の対象を殊更に狭義に限定して解すべきものともいえない以上、上記のような処分行政庁の判断の適否に関する裁判所の審理及び判断は、原判決のいうように、処分行政庁の判断の基準とされた昭和52年判断条件に現在の最新の医学水準に照らして不合理な点があるか否か、公害健康被害認定審査会の調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤、欠落があってこれに依拠してされた処分行政庁の判断に不合理な点があるか否かといった観点から行われるべきものではなく、裁判所において、経験則に照らして個々の事案における諸般の事情と関係証拠を総合的に検討し、個々の具体的な症候と原因物質との間の個別的な因果関係の有無等を審理の対象として、申請者につき水俣病のり患の有無を個別具体的に判断すべきものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H30 予備 第16問 ウ)
公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病の認定の申請を棄却する処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、処分行政庁の判断の基準とされた認定の基準に現在の最新の医学水準に照らして不合理な点があるか否か、公害健康被害認定審査会の調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤、欠落があってこれに依拠してされた処分行政庁の判断に不合理な点があるか否かといった観点から行われるべきものである。

(正答)

(解説)
判例(最判平25.4.16)は、公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病の認定の申請を棄却する処分の取消訴訟が提起された事案において、「処分行政庁の判断の適否に関する裁判所の審理及び判断は、…裁判所において、経験則に照らして個々の事案における諸般の事情と関係証拠を総合的に検討し、個々の具体的な症候と原因物質との間の個別的な因果関係の有無等を審理の対象として、申請者につき水俣病のり患の有無を個別具体的に判断すべき…。」としている。

(R4 予備 第15問 ウ)
公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病認定は、水俣病のり患の有無という客観的事実を確認する行為であり、この点に関する処分行政庁の判断はその裁量に委ねられるべき性質のものではなく、上記水俣病認定の申請に対する処分行政庁の判断の適否に関する裁判所の審理及び判断は、裁判所において、経験則に照らして個々の事案における諸般の事情と関係証拠を総合的に検討し、個々の具体的な症候と原因物質との間の個別的な因果関係の有無等を審理の対象として、申請者につき水俣病のり患の有無を個別具体的に判断すべきである。

(正答)

(解説)
判例(最判平25.4.16)は、「水俣病である旨の認定…自体は、…客観的事象としての水俣病のり患の有無という現在又は過去の確定した客観的事実を確認する行為であって、この点に関する処分行政庁の判断はその裁量に委ねられるべき性質のものではない…。」とした上で、「処分行政庁の判断の適否に関する裁判所の審理及び判断は、…裁判所において、経験則に照らして個々の事案における諸般の事情と関係証拠を総合的に検討し、個々の具体的な症候と原因物質との間の個別的な因果関係の有無等を審理の対象として、申請者につき水俣病のり患の有無を個別具体的に判断すべき…。」としている。
総合メモ
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