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短答判例
都市計画の変更の裁量逸脱・濫用 最一小判平成18年11月2日
概要
都知事が行った都市高速鉄道に係る都市計画の変更は、鉄道の構造として高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえない。
判例
事案:鉄道事業認可の前提となる都市計画に係る平成5年決定が、周辺地域の環境に与える影響等の面で優れた代替案である地下式を理由もなく不採用として、高架式を採用した点で違法であるなどとして、建設大臣の事務承継者であるYに対し、Xが本件鉄道事業認可の取消しを求めた事案において、都市計画事業認可の前提となる都市計画決定に、裁量権の範囲の逸脱またはその濫用があるかどうかが問題となった。
判旨:「⑴ 都市計画法(平成4年法律第82号による改正前のもの。以下同じ。)は、都市計画事業認可の基準の一つとして、事業の内容が都市計画に適合することを掲げているから(61条)、都市計画事業認可が適法であるためには、その前提となる都市計画が適法であることが必要である。
⑵ 都市計画法は、都市計画について、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと等の基本理念の下で(2条)、都市施設の整備に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを一体的かつ総合的に定めなければならず、当該都市について公害防止計画が定められているときは当該公害防止計画に適合したものでなければならないとし(13条1項柱書き)、都市施設について、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案して、適切な規模で必要な位置に配置することにより、円滑な都市活動を確保し、良好な都市環境を保持するように定めることとしているところ(同項5号)、このような基準に従って都市施設の規模、配置等に関する事項を定めるに当たっては、当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で、政策的、技術的な見地から判断することが不可欠であるといわざるを得ない。そうすると、このような判断は、これを決定する行政庁の広範な裁量にゆだねられているというべきであって、裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては、当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提として、その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合、又は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとすべきものと解するのが相当である。
⑶ 以上の見地に立って検討するに、前記事実関係の下においては、平成5年決定が本件高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとはいえないと解される。その理由は以下のとおりである。
ア 被上告参加人は、本件調査の結果を踏まえ、計画的条件、地形的条件及び事業的条件を設定し、本件区間の構造について三つの方式を比較検討した結果、本件高架式がいずれの条件においても優れていると評価し、本件条例に基づく環境影響評価の結果等を踏まえ、周辺地域の環境に与える影響の点でも特段問題がないとして、本件高架式を内容とする平成5年決定をしたものである。
イ そこで、上記の判断における環境への影響に対する考慮について検討する。
(ア)前記のとおり、都市計画法は、都市施設に関する都市計画について、健康で文化的な都市生活の確保という基本理念の下で、公害防止計画に適合するとともに、適切な規模で必要な位置に配置することにより良好な都市環境を保持するように定めることとしている。公害防止計画は、環境基本法により廃止された公害対策基本法の19条に基づき作成されるものであるが、相当範囲にわたる騒音、振動等により人の健康又は生活環境に係る著しい被害が発生するおそれのある地域について、その発生を防止するために総合的な施策を講ずることを目的とするものであるということができる。また、本件条例は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある一定の事業を実施しようとする事業者が、その実施に際し、公害の防止、自然環境及び歴史的環境の保全、景観の保持等(以下「環境の保全」という。)について適正な配慮をするため、当該事業に係る環境影響評価書を作成し、被上告参加人に提出しなければならないとし(7条、23条)、被上告参加人は、都市計画の決定又は変更の権限を有する者にその写しを送付し(24条2項)、当該事業に係る都市計画の決定又は変更を行うに際してその内容について十分配慮するよう要請しなければならないとしている(25条)。そうすると、本件鉄道事業認可の前提となる都市計画に係る平成5年決定を行うに当たっては、本件区間の連続立体交差化事業に伴う騒音、振動等によって、事業地の周辺地域に居住する住民に健康又は生活環境に係る著しい被害が発生することのないよう、被害の防止を図り、東京都において定められていた公害防止計画である東京地域公害防止計画に適合させるとともに、本件評価書の内容について十分配慮し、環境の保全について適正な配慮をすることが要請されると解される。本件の具体的な事情としても、公害等調整委員会が、裁定自体は平成10年であるものの、同4年にされた裁定の申請に対して、小田急線の沿線住民の一部につき平成5年決定以前の騒音被害が受忍限度を超えるものと判定しているのであるから、平成5年決定において本件区間の構造を定めるに当たっては、鉄道騒音に対して十分な考慮をすることが要請されていたというべきである。
(イ)この点に関し、前記事実関係によれば、〔1〕本件区間の複々線化及び連続立体交差化に係る事業について、本件調査において工期・工費の点とともに環境面も考慮に入れた上で環状8号線と環状7号線の間を高架式とする案が適切とされたこと、〔2〕本件高架式を採用することによる環境への影響について、本件条例に基づく環境影響評価が行われたこと、〔3〕上記の環境影響評価は、東京都環境影響評価技術指針が定める環境影響評価の手法を基本とし、一般に確立された科学的な評価方法に基づき行われたこと、〔4〕本件評価書においては、工事完了後における地上1.2mの高さの鉄道騒音の予測値が一部を除いておおむね現況とほぼ同程度かこれを下回り、高架橋端から1.5mの地点における地上10mないし30mの高さの鉄道騒音の予測値が88ホン以上などとされているものの、鉄道に極めて近接した地点での値にすぎず、また、上記の高さにおける現実の騒音は、走行する列車の車体に遮られ、その値は、上記予測値よりも低くなること、〔5〕本件評価書においても、騒音防止対策として、構造物の重量化、バラストマットの敷設、60kg/mレールの使用、吸音効果のある防音壁の設置等の対策を講じるとともに、干渉型防音装置の設置も検討することとされ、現実の鉄道騒音の値は、これらの騒音対策を講じること等により相当程度低減するものと見込まれるとされていること、〔6〕平成5年決定当時の鉄道騒音に関する公的基準は地上1.2mの高さで騒音を測定するものにとどまっていたこと、〔7〕被上告参加人は、本件調査及び上記の環境影響評価を踏まえ、本件高架式を採用することが周辺地域の環境に与える影響の点でも特段問題がないと判断して、平成5年決定をしたこと、〔8〕平成5年決定は、東京地域公害防止計画に適合していること等の事実が認められる。
そうすると、平成5年決定は、本件区間の連続立体交差化事業に伴う騒音等によって事業地の周辺地域に居住する住民に健康又は生活環境に係る著しい被害が発生することの防止を図るという観点から、本件評価書の内容にも十分配慮し、環境の保全について適切な配慮をしたものであり、公害防止計画にも適合するものであって、都市計画法等の要請に反するものではなく、鉄道騒音に対して十分な考慮を欠くものであったということもできない。したがって、この点について、平成5年決定が考慮すべき事情を考慮せずにされたものということはできず、また、その判断内容に明らかに合理性を欠く点があるということもできない。
(ウ)なお、被上告参加人は、平成5年決定に至る検討の段階で、本件区間の構造について三つの方式の比較検討をした際、計画的条件、地形的条件及び事業的条件の3条件を考慮要素としており、環境への影響を比較しないまま、本件高架式が優れていると評価している。しかしながら、この検討は、工期・工費、環境面等の総合的考慮の上に立って高架式を適切とした本件調査の結果を踏まえて行われたものである。加えて、その後、本件高架式を採用した場合の環境への影響について、本件条例に基づく環境影響評価が行われ、被上告参加人は、この環境影響評価の結果を踏まえた上で、本件高架式を内容とする平成5年決定を行っているから、平成5年決定が、その判断の過程において考慮すべき事情を考慮しなかったものということはできない。
ウ 次に、計画的条件、地形的条件及び事業的条件に係る考慮について検討する。
被上告参加人は、本件区間の構造について3つの方式の比較検討をした際、既に取得した用地の取得費や鉄道事業者の受益分を考慮せずに事業費を算定しているところ、このような算定方法は、当該都市計画の実現のために今後必要となる支出額を予測するものとして、合理性を有するというべきである。また、平成5年当時、本件区間の一部で想定される工事をシールド工法により施工することができなかったことに照らせば、被上告参加人が本件区間全体をシールド工法により施工した場合における2線2層方式の地下式の事業費について検討しなかったことが不相当であるとはいえない。
さらに、被上告参加人は、下北沢区間が地表式とされることを前提に、本件区間の構造につき本件高架式が優れていると判断したものと認められるところ、下北沢区間の構造については、本件調査の結果、その決定に当たって新たに検討する必要があるとされ、平成10年以降、東京都から地下式とする方針が表明されたが、一方において、平成5年決定に係る9号線都市計画においては地表式とされていたことや、本件区間の構造を地下式とした場合に河川の下部を通るため深度が大きくなるなどの問題があったこと等に照らせば、上記の前提を基に本件区間の構造につき本件高架式が優れていると判断したことのみをもって、合理性を欠くものであるということはできない。
エ 以上のほか、所論にかんがみ検討しても、前記アの判断について、重要な事実の基礎を欠き又はその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことを認めるに足りる事情は見当たらない。
⑷ 以上のとおり、平成5年決定が本件高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるということはできないから、これを基礎としてされた本件鉄道事業認可が違法となるということもできない。」
判旨:「⑴ 都市計画法(平成4年法律第82号による改正前のもの。以下同じ。)は、都市計画事業認可の基準の一つとして、事業の内容が都市計画に適合することを掲げているから(61条)、都市計画事業認可が適法であるためには、その前提となる都市計画が適法であることが必要である。
⑵ 都市計画法は、都市計画について、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと等の基本理念の下で(2条)、都市施設の整備に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを一体的かつ総合的に定めなければならず、当該都市について公害防止計画が定められているときは当該公害防止計画に適合したものでなければならないとし(13条1項柱書き)、都市施設について、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案して、適切な規模で必要な位置に配置することにより、円滑な都市活動を確保し、良好な都市環境を保持するように定めることとしているところ(同項5号)、このような基準に従って都市施設の規模、配置等に関する事項を定めるに当たっては、当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で、政策的、技術的な見地から判断することが不可欠であるといわざるを得ない。そうすると、このような判断は、これを決定する行政庁の広範な裁量にゆだねられているというべきであって、裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては、当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提として、その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合、又は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとすべきものと解するのが相当である。
⑶ 以上の見地に立って検討するに、前記事実関係の下においては、平成5年決定が本件高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとはいえないと解される。その理由は以下のとおりである。
ア 被上告参加人は、本件調査の結果を踏まえ、計画的条件、地形的条件及び事業的条件を設定し、本件区間の構造について三つの方式を比較検討した結果、本件高架式がいずれの条件においても優れていると評価し、本件条例に基づく環境影響評価の結果等を踏まえ、周辺地域の環境に与える影響の点でも特段問題がないとして、本件高架式を内容とする平成5年決定をしたものである。
イ そこで、上記の判断における環境への影響に対する考慮について検討する。
(ア)前記のとおり、都市計画法は、都市施設に関する都市計画について、健康で文化的な都市生活の確保という基本理念の下で、公害防止計画に適合するとともに、適切な規模で必要な位置に配置することにより良好な都市環境を保持するように定めることとしている。公害防止計画は、環境基本法により廃止された公害対策基本法の19条に基づき作成されるものであるが、相当範囲にわたる騒音、振動等により人の健康又は生活環境に係る著しい被害が発生するおそれのある地域について、その発生を防止するために総合的な施策を講ずることを目的とするものであるということができる。また、本件条例は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある一定の事業を実施しようとする事業者が、その実施に際し、公害の防止、自然環境及び歴史的環境の保全、景観の保持等(以下「環境の保全」という。)について適正な配慮をするため、当該事業に係る環境影響評価書を作成し、被上告参加人に提出しなければならないとし(7条、23条)、被上告参加人は、都市計画の決定又は変更の権限を有する者にその写しを送付し(24条2項)、当該事業に係る都市計画の決定又は変更を行うに際してその内容について十分配慮するよう要請しなければならないとしている(25条)。そうすると、本件鉄道事業認可の前提となる都市計画に係る平成5年決定を行うに当たっては、本件区間の連続立体交差化事業に伴う騒音、振動等によって、事業地の周辺地域に居住する住民に健康又は生活環境に係る著しい被害が発生することのないよう、被害の防止を図り、東京都において定められていた公害防止計画である東京地域公害防止計画に適合させるとともに、本件評価書の内容について十分配慮し、環境の保全について適正な配慮をすることが要請されると解される。本件の具体的な事情としても、公害等調整委員会が、裁定自体は平成10年であるものの、同4年にされた裁定の申請に対して、小田急線の沿線住民の一部につき平成5年決定以前の騒音被害が受忍限度を超えるものと判定しているのであるから、平成5年決定において本件区間の構造を定めるに当たっては、鉄道騒音に対して十分な考慮をすることが要請されていたというべきである。
(イ)この点に関し、前記事実関係によれば、〔1〕本件区間の複々線化及び連続立体交差化に係る事業について、本件調査において工期・工費の点とともに環境面も考慮に入れた上で環状8号線と環状7号線の間を高架式とする案が適切とされたこと、〔2〕本件高架式を採用することによる環境への影響について、本件条例に基づく環境影響評価が行われたこと、〔3〕上記の環境影響評価は、東京都環境影響評価技術指針が定める環境影響評価の手法を基本とし、一般に確立された科学的な評価方法に基づき行われたこと、〔4〕本件評価書においては、工事完了後における地上1.2mの高さの鉄道騒音の予測値が一部を除いておおむね現況とほぼ同程度かこれを下回り、高架橋端から1.5mの地点における地上10mないし30mの高さの鉄道騒音の予測値が88ホン以上などとされているものの、鉄道に極めて近接した地点での値にすぎず、また、上記の高さにおける現実の騒音は、走行する列車の車体に遮られ、その値は、上記予測値よりも低くなること、〔5〕本件評価書においても、騒音防止対策として、構造物の重量化、バラストマットの敷設、60kg/mレールの使用、吸音効果のある防音壁の設置等の対策を講じるとともに、干渉型防音装置の設置も検討することとされ、現実の鉄道騒音の値は、これらの騒音対策を講じること等により相当程度低減するものと見込まれるとされていること、〔6〕平成5年決定当時の鉄道騒音に関する公的基準は地上1.2mの高さで騒音を測定するものにとどまっていたこと、〔7〕被上告参加人は、本件調査及び上記の環境影響評価を踏まえ、本件高架式を採用することが周辺地域の環境に与える影響の点でも特段問題がないと判断して、平成5年決定をしたこと、〔8〕平成5年決定は、東京地域公害防止計画に適合していること等の事実が認められる。
そうすると、平成5年決定は、本件区間の連続立体交差化事業に伴う騒音等によって事業地の周辺地域に居住する住民に健康又は生活環境に係る著しい被害が発生することの防止を図るという観点から、本件評価書の内容にも十分配慮し、環境の保全について適切な配慮をしたものであり、公害防止計画にも適合するものであって、都市計画法等の要請に反するものではなく、鉄道騒音に対して十分な考慮を欠くものであったということもできない。したがって、この点について、平成5年決定が考慮すべき事情を考慮せずにされたものということはできず、また、その判断内容に明らかに合理性を欠く点があるということもできない。
(ウ)なお、被上告参加人は、平成5年決定に至る検討の段階で、本件区間の構造について三つの方式の比較検討をした際、計画的条件、地形的条件及び事業的条件の3条件を考慮要素としており、環境への影響を比較しないまま、本件高架式が優れていると評価している。しかしながら、この検討は、工期・工費、環境面等の総合的考慮の上に立って高架式を適切とした本件調査の結果を踏まえて行われたものである。加えて、その後、本件高架式を採用した場合の環境への影響について、本件条例に基づく環境影響評価が行われ、被上告参加人は、この環境影響評価の結果を踏まえた上で、本件高架式を内容とする平成5年決定を行っているから、平成5年決定が、その判断の過程において考慮すべき事情を考慮しなかったものということはできない。
ウ 次に、計画的条件、地形的条件及び事業的条件に係る考慮について検討する。
被上告参加人は、本件区間の構造について3つの方式の比較検討をした際、既に取得した用地の取得費や鉄道事業者の受益分を考慮せずに事業費を算定しているところ、このような算定方法は、当該都市計画の実現のために今後必要となる支出額を予測するものとして、合理性を有するというべきである。また、平成5年当時、本件区間の一部で想定される工事をシールド工法により施工することができなかったことに照らせば、被上告参加人が本件区間全体をシールド工法により施工した場合における2線2層方式の地下式の事業費について検討しなかったことが不相当であるとはいえない。
さらに、被上告参加人は、下北沢区間が地表式とされることを前提に、本件区間の構造につき本件高架式が優れていると判断したものと認められるところ、下北沢区間の構造については、本件調査の結果、その決定に当たって新たに検討する必要があるとされ、平成10年以降、東京都から地下式とする方針が表明されたが、一方において、平成5年決定に係る9号線都市計画においては地表式とされていたことや、本件区間の構造を地下式とした場合に河川の下部を通るため深度が大きくなるなどの問題があったこと等に照らせば、上記の前提を基に本件区間の構造につき本件高架式が優れていると判断したことのみをもって、合理性を欠くものであるということはできない。
エ 以上のほか、所論にかんがみ検討しても、前記アの判断について、重要な事実の基礎を欠き又はその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことを認めるに足りる事情は見当たらない。
⑷ 以上のとおり、平成5年決定が本件高架式を採用した点において裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるということはできないから、これを基礎としてされた本件鉄道事業認可が違法となるということもできない。」
過去問・解説
(H22 司法 第24問 ア)
都市計画法に基づいて都市施設の規模、配置等に関する事項を定めるに当たっては、当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で、政策的、技術的な見地から判断することが不可欠であるが、このような決定をする行政庁に広範な裁量までは認められていない。
都市計画法に基づいて都市施設の規模、配置等に関する事項を定めるに当たっては、当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で、政策的、技術的な見地から判断することが不可欠であるが、このような決定をする行政庁に広範な裁量までは認められていない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平18.11.2)は、「都市施設の規模、配置等に関する事項を定めるに当たっては、当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で、政策的、技術的な見地から判断することが不可欠であるといわざるを得ない。そうすると、このような判断は、これを決定する行政庁の広範な裁量にゆだねられている…。」としている。
判例(最判平18.11.2)は、「都市施設の規模、配置等に関する事項を定めるに当たっては、当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で、政策的、技術的な見地から判断することが不可欠であるといわざるを得ない。そうすると、このような判断は、これを決定する行政庁の広範な裁量にゆだねられている…。」としている。
(H22 司法 第31問 イ)
最高裁判所の判例によれば、裁判所は、地方公共団体が判断の過程において考慮すべき事情を考慮していないことを理由に挙げて、地方公共団体による都市施設に関する都市計画の決定の内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠き違法であると判断することができる。
最高裁判所の判例によれば、裁判所は、地方公共団体が判断の過程において考慮すべき事情を考慮していないことを理由に挙げて、地方公共団体による都市施設に関する都市計画の決定の内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠き違法であると判断することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平18.11.2)は、「裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては、当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提として、その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合、又は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となる…。」としている。
判例(最判平18.11.2)は、「裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては、当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提として、その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合、又は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となる…。」としている。
(H27 予備 第16問 ウ)
都市施設に係る都市計画決定に当たっては、当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で、政策的、技術的な見地から判断することが不可欠であり、このような判断は、これを決定する行政庁の広範な裁量に委ねられている。したがって、裁判所は、行政庁が判断の過程において考慮すべき事項を考慮せずに都市計画決定を行ったことを理由に挙げて、当該決定を違法とすることはできない。
都市施設に係る都市計画決定に当たっては、当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で、政策的、技術的な見地から判断することが不可欠であり、このような判断は、これを決定する行政庁の広範な裁量に委ねられている。したがって、裁判所は、行政庁が判断の過程において考慮すべき事項を考慮せずに都市計画決定を行ったことを理由に挙げて、当該決定を違法とすることはできない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平18.11.2)は、「裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては、当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提として、その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合、又は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとすべき…。」としている。
したがって、裁判所は、行政庁が判断の過程において考慮すべき事項を考慮せずに都市計画決定を行ったことを理由に挙げて、当該決定を違法とすることができる。
判例(最判平18.11.2)は、「裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては、当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提として、その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合、又は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとすべき…。」としている。
したがって、裁判所は、行政庁が判断の過程において考慮すべき事項を考慮せずに都市計画決定を行ったことを理由に挙げて、当該決定を違法とすることができる。
(R1 予備 第17問 ウ)
都市計画法第61条第1号は、同法第59条の規定による都市計画事業認可の基準の一つとして、事業の内容が都市計画に適合することを掲げているが、同号は、都市計画決定と事業内容との適合性のみを求める趣旨であり、都市計画決定自体が適法であることまでも必要とする趣旨ではない。
都市計画法第61条第1号は、同法第59条の規定による都市計画事業認可の基準の一つとして、事業の内容が都市計画に適合することを掲げているが、同号は、都市計画決定と事業内容との適合性のみを求める趣旨であり、都市計画決定自体が適法であることまでも必要とする趣旨ではない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平18.11.2)は、「都市計画法…は、都市計画事業認可の基準の一つとして、事業の内容が都市計画に適合することを掲げているから(61条)、都市計画事業認可が適法であるためには、その前提となる都市計画が適法であることが必要である。」としている。
したがって、都市計画法61条1号は、都市計画決定自体が適法であることまで必要とする趣旨である。
判例(最判平18.11.2)は、「都市計画法…は、都市計画事業認可の基準の一つとして、事業の内容が都市計画に適合することを掲げているから(61条)、都市計画事業認可が適法であるためには、その前提となる都市計画が適法であることが必要である。」としている。
したがって、都市計画法61条1号は、都市計画決定自体が適法であることまで必要とする趣旨である。