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行政法 公有水面の埋立てが公有水面埋立法4条1項1号の要件に適合するとした県知事の判断 最二小判平成28年12月20日
概要
公有水面埋立法第4条第1項第1号の判断につき、総合的な考慮をした上での判断が事実の基礎を欠いたり社会通念に照らし明らかに妥当性を欠いたりするものでない限り、公有水面の埋立てが第1号要件に適合するとの判断に瑕疵があるとはいい難い。
判例
事案:公有水面の埋立てが公有水面埋立法4条1項1号の要件に適合するとした県知事の判断について、裁量の範囲の逸脱又はその濫用が認められ、違法であるかが問題となった。
判旨:「一般に、その取消しにより名宛人の権利又は法律上の利益が害される行政庁の処分につき、当該処分がされた時点において瑕疵があることを理由に当該行政庁が職権でこれを取消した場合において、当該処分を職権で取り消すに足りる瑕疵があるか否かが争われたときは、この点に関する裁判所の審理判断は、当該処分がされた時点における事情に照らし、当該処分に違法又は不当(以下『違法等』という。)があると認められるか否かとの観点から行われるべきものであり、そのような違法等があると認められないときには、行政庁が当該処分に違法等があることを理由としてこれを職権により取り消すことは許されず、その取消しは違法となるというべきである。
したがって、本件埋立承認取消しの適否を判断するに当たっては、本件埋立承認取消しに係る上告人の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用が認められるか否かではなく、本件埋立承認がされた時点における事情に照らし、前知事がした本件埋立承認に違法等が認められるか否かを審理判断すべきであり、本件埋立承認に違法等が認められない場合には、上告人による本件埋立承認取消しは違法となる。
公有水面埋立法は、42条1項において、国が行う埋立てにつき、当該事業を施行する官庁が都道府県知事から承認を受けるべきことを定め、その承認の要件が同条3項において準用する同法4条1項により定められているところ、同項が、同項各号の要件に適合すると認められる場合を除いては埋立ての承認又は免許(以下『承認等』という。)をすることができない旨を定めていることなどに照らすと、同項各号は、上記承認等が都道府県知事の裁量的な判断であることを前提に、上記承認等をするための最小限の要件を定めたものと解されるのであって、同項各号の規定はこのことを踏まえて解釈されるべきである。
公有水面埋立法4条1項1号の『国土利用上適正且合理的ナルコト』という要件(第1号要件)は、承認等の対象とされた公有水面の埋立てや埋立地の用途が国土利用上の観点から適正かつ合理的なものであることを承認等の要件とするものと解されるところ、その審査に当たっては、埋立ての目的及び埋立地の用途に係る必要性及び公共性の有無や程度に加え、埋立てを実施することにより得られる国土利用上の効用、埋立てを実施することにより失われる国土利用上の効用等の諸般の事情を総合的に考慮することが不可欠であり、また、前記…で述べたところに照らせば、第1号要件においては当該埋立てや埋立地の用途が当該公有水面の利用方法として最も適正かつ合理的なものであることまでが求められるものではないと解される。そうすると、上記のような総合的な考慮をした上での判断が事実の基礎を欠いたり社会通念に照らし明らかに妥当性を欠いたりするものでない限り、公有水面の埋立てが第1号要件に適合するとの判断に瑕疵があるとはいい難いというべきである。
これを本件についてみるに、本件埋立事業は普天間飛行場の代替施設(本件新施設等)を設置するために実施されるものであり、前知事は、同飛行場の使用状況や、同飛行場の返還及び代替施設の設置に関する我が国と米国との間の交渉経過等を踏まえた上で、前記…のとおり、騒音被害等により同飛行場の周辺住民の生活に深刻な影響が生じていることや、同飛行場の危険性の除去が喫緊の課題であることを前提に、〔1〕本件新施設等の面積や埋立面積が同飛行場の施設面積と比較して相当程度縮小されること、〔2〕沿岸域を埋め立てて滑走路延長線上を海域とすることにより航空機が住宅地の上空を飛行することが回避されること及び本件新施設等が既に米軍に提供されているキャンプ・シュワブの一部を利用して設置されるものであること等に照らし、埋立ての規模及び位置が適正かつ合理的であるなどとして、本件埋立事業が第1号要件に適合すると判断しているところ、このような前知事の判断が事実の基礎を欠くものであることや、その内容が社会通念に照らし明らかに妥当性を欠くものであるという事情は認められない。
したがって、本件埋立事業が第1号要件に適合するとした前知事の判断に違法等があるということはできない。
また、公有水面埋立法4条1項2号の『其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト』という要件(第2号要件)は、公有水面の埋立て自体により生じ得る環境保全及び災害防止上の問題を的確に把握するとともに、これに対する措置が適正に講じられていることを承認等の要件とするものと解されるところ、その審査に当たっては、埋立ての実施が環境に及ぼす影響について適切に情報が収集され、これに基づいて適切な予測がされているか否かや、事業の実施により生じ得る環境への影響を回避又は軽減するために採り得る措置の有無や内容が的確に検討され、かつ、そのような措置を講じた場合の効果が適切に評価されているか否か等について、専門技術的な知見に基づいて検討することが求められるということができる。そうすると、裁判所が、公有水面の埋立てが第2号要件に適合するとした都道府県知事の判断に違法等があるか否かを審査するに当たっては、専門技術的な知見に基づいてされた上記都道府県知事の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべきであると解される。
これを本件についてみるに、前記…のとおり、本件埋立事業が第2号要件に適合するか否かは沖縄県が定めた審査基準に基づいて検討されているところ、この審査基準に特段不合理な点があることはうかがわれない。また、前記…のとおり、前知事は、関係市町村長及び関係機関からの回答内容や沖縄防衛局からの回答内容を踏まえた上で、本件埋立事業が第2号要件に適合するか否かを専門技術的な知見に基づいて審査し、〔1〕護岸その他の工作物の施工、〔2〕埋立てに用いる土砂等の性質への対応、〔3〕埋立土砂等の採取,運搬及び投入、〔4〕埋立てによる水面の陸地化において、現段階で採り得ると考えられる工法、環境保全措置及び対策が講じられており、更に災害防止にも十分配慮されているとして、第2号要件に適合すると判断しているところ、その判断過程及び判断内容に特段不合理な点があることはうかがわれない。
したがって、本件埋立事業が第2号要件に適合するとした前知事の判断に違法等があるということはできない。」
判旨:「一般に、その取消しにより名宛人の権利又は法律上の利益が害される行政庁の処分につき、当該処分がされた時点において瑕疵があることを理由に当該行政庁が職権でこれを取消した場合において、当該処分を職権で取り消すに足りる瑕疵があるか否かが争われたときは、この点に関する裁判所の審理判断は、当該処分がされた時点における事情に照らし、当該処分に違法又は不当(以下『違法等』という。)があると認められるか否かとの観点から行われるべきものであり、そのような違法等があると認められないときには、行政庁が当該処分に違法等があることを理由としてこれを職権により取り消すことは許されず、その取消しは違法となるというべきである。
したがって、本件埋立承認取消しの適否を判断するに当たっては、本件埋立承認取消しに係る上告人の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用が認められるか否かではなく、本件埋立承認がされた時点における事情に照らし、前知事がした本件埋立承認に違法等が認められるか否かを審理判断すべきであり、本件埋立承認に違法等が認められない場合には、上告人による本件埋立承認取消しは違法となる。
公有水面埋立法は、42条1項において、国が行う埋立てにつき、当該事業を施行する官庁が都道府県知事から承認を受けるべきことを定め、その承認の要件が同条3項において準用する同法4条1項により定められているところ、同項が、同項各号の要件に適合すると認められる場合を除いては埋立ての承認又は免許(以下『承認等』という。)をすることができない旨を定めていることなどに照らすと、同項各号は、上記承認等が都道府県知事の裁量的な判断であることを前提に、上記承認等をするための最小限の要件を定めたものと解されるのであって、同項各号の規定はこのことを踏まえて解釈されるべきである。
公有水面埋立法4条1項1号の『国土利用上適正且合理的ナルコト』という要件(第1号要件)は、承認等の対象とされた公有水面の埋立てや埋立地の用途が国土利用上の観点から適正かつ合理的なものであることを承認等の要件とするものと解されるところ、その審査に当たっては、埋立ての目的及び埋立地の用途に係る必要性及び公共性の有無や程度に加え、埋立てを実施することにより得られる国土利用上の効用、埋立てを実施することにより失われる国土利用上の効用等の諸般の事情を総合的に考慮することが不可欠であり、また、前記…で述べたところに照らせば、第1号要件においては当該埋立てや埋立地の用途が当該公有水面の利用方法として最も適正かつ合理的なものであることまでが求められるものではないと解される。そうすると、上記のような総合的な考慮をした上での判断が事実の基礎を欠いたり社会通念に照らし明らかに妥当性を欠いたりするものでない限り、公有水面の埋立てが第1号要件に適合するとの判断に瑕疵があるとはいい難いというべきである。
これを本件についてみるに、本件埋立事業は普天間飛行場の代替施設(本件新施設等)を設置するために実施されるものであり、前知事は、同飛行場の使用状況や、同飛行場の返還及び代替施設の設置に関する我が国と米国との間の交渉経過等を踏まえた上で、前記…のとおり、騒音被害等により同飛行場の周辺住民の生活に深刻な影響が生じていることや、同飛行場の危険性の除去が喫緊の課題であることを前提に、〔1〕本件新施設等の面積や埋立面積が同飛行場の施設面積と比較して相当程度縮小されること、〔2〕沿岸域を埋め立てて滑走路延長線上を海域とすることにより航空機が住宅地の上空を飛行することが回避されること及び本件新施設等が既に米軍に提供されているキャンプ・シュワブの一部を利用して設置されるものであること等に照らし、埋立ての規模及び位置が適正かつ合理的であるなどとして、本件埋立事業が第1号要件に適合すると判断しているところ、このような前知事の判断が事実の基礎を欠くものであることや、その内容が社会通念に照らし明らかに妥当性を欠くものであるという事情は認められない。
したがって、本件埋立事業が第1号要件に適合するとした前知事の判断に違法等があるということはできない。
また、公有水面埋立法4条1項2号の『其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト』という要件(第2号要件)は、公有水面の埋立て自体により生じ得る環境保全及び災害防止上の問題を的確に把握するとともに、これに対する措置が適正に講じられていることを承認等の要件とするものと解されるところ、その審査に当たっては、埋立ての実施が環境に及ぼす影響について適切に情報が収集され、これに基づいて適切な予測がされているか否かや、事業の実施により生じ得る環境への影響を回避又は軽減するために採り得る措置の有無や内容が的確に検討され、かつ、そのような措置を講じた場合の効果が適切に評価されているか否か等について、専門技術的な知見に基づいて検討することが求められるということができる。そうすると、裁判所が、公有水面の埋立てが第2号要件に適合するとした都道府県知事の判断に違法等があるか否かを審査するに当たっては、専門技術的な知見に基づいてされた上記都道府県知事の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべきであると解される。
これを本件についてみるに、前記…のとおり、本件埋立事業が第2号要件に適合するか否かは沖縄県が定めた審査基準に基づいて検討されているところ、この審査基準に特段不合理な点があることはうかがわれない。また、前記…のとおり、前知事は、関係市町村長及び関係機関からの回答内容や沖縄防衛局からの回答内容を踏まえた上で、本件埋立事業が第2号要件に適合するか否かを専門技術的な知見に基づいて審査し、〔1〕護岸その他の工作物の施工、〔2〕埋立てに用いる土砂等の性質への対応、〔3〕埋立土砂等の採取,運搬及び投入、〔4〕埋立てによる水面の陸地化において、現段階で採り得ると考えられる工法、環境保全措置及び対策が講じられており、更に災害防止にも十分配慮されているとして、第2号要件に適合すると判断しているところ、その判断過程及び判断内容に特段不合理な点があることはうかがわれない。
したがって、本件埋立事業が第2号要件に適合するとした前知事の判断に違法等があるということはできない。」
過去問・解説
(R6 予備 第16問 ウ)
公有水面埋立法第4条第1項第1号が定める要件に適合するとした都道府県知事の判断に違法があるか否かに関する裁判所の審査は、専門技術的な知見に基づいてされた当該知事の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われる。
【参照条文】公有水面埋立法第4条 都道府県知事ハ埋立ノ免許ノ出願左ノ各号ニ適合スト認ムル場合ヲ除クノ外埋立ノ許ヲ為スコトヲ得ズ
一 国土利用上適正且合理的ナルコト
二 其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト
三~六 (略)
2、3 (略)
公有水面埋立法第4条第1項第1号が定める要件に適合するとした都道府県知事の判断に違法があるか否かに関する裁判所の審査は、専門技術的な知見に基づいてされた当該知事の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われる。
【参照条文】公有水面埋立法第4条 都道府県知事ハ埋立ノ免許ノ出願左ノ各号ニ適合スト認ムル場合ヲ除クノ外埋立ノ許ヲ為スコトヲ得ズ
一 国土利用上適正且合理的ナルコト
二 其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト
三~六 (略)
2、3 (略)
(正答)✕
(解説)
判例(最判平28.12.20)は、「公有水面埋立法4条1項1号の『国土利用上適正且合理的ナルコト』という要件(第1号要件)は、承認等の対象とされた公有水面の埋立てや埋立地の用途が国土利用上の観点から適正かつ合理的なものであることを承認等の要件とするものと解されるところ、その審査に当たっては、埋立ての目的及び埋立地の用途に係る必要性及び公共性の有無や程度に加え、埋立てを実施することにより得られる国土利用上の効用、埋立てを実施することにより失われる国土利用上の効用等の諸般の事情を総合的に考慮することが不可欠であり、また、前記…で述べたところに照らせば、第1号要件においては当該埋立てや埋立地の用途が当該公有水面の利用方法として最も適正かつ合理的なものであることまでが求められるものではないと解される。そうすると、上記のような総合的な考慮をした上での判断が事実の基礎を欠いたり社会通念に照らし明らかに妥当性を欠いたりするものでない限り、公有水面の埋立てが第1号要件に適合するとの判断に瑕疵があるとはいい難いというべきである。」としている。
したがって、公有水面埋立法第4条第1項第1号が定める要件に適合するとした都道府県知事の判断に違法があるか否かに関する裁判所の審査は、専門技術的な知見に基づいてされた当該知事の判断に不合理な点があるか否かという観点ではなく、総合的な考慮をした上での判断が事実の基礎を欠いたり社会通念に照らし明らかに妥当性を欠いたりするものであるか否かという観点で行われる。
判例(最判平28.12.20)は、「公有水面埋立法4条1項1号の『国土利用上適正且合理的ナルコト』という要件(第1号要件)は、承認等の対象とされた公有水面の埋立てや埋立地の用途が国土利用上の観点から適正かつ合理的なものであることを承認等の要件とするものと解されるところ、その審査に当たっては、埋立ての目的及び埋立地の用途に係る必要性及び公共性の有無や程度に加え、埋立てを実施することにより得られる国土利用上の効用、埋立てを実施することにより失われる国土利用上の効用等の諸般の事情を総合的に考慮することが不可欠であり、また、前記…で述べたところに照らせば、第1号要件においては当該埋立てや埋立地の用途が当該公有水面の利用方法として最も適正かつ合理的なものであることまでが求められるものではないと解される。そうすると、上記のような総合的な考慮をした上での判断が事実の基礎を欠いたり社会通念に照らし明らかに妥当性を欠いたりするものでない限り、公有水面の埋立てが第1号要件に適合するとの判断に瑕疵があるとはいい難いというべきである。」としている。
したがって、公有水面埋立法第4条第1項第1号が定める要件に適合するとした都道府県知事の判断に違法があるか否かに関する裁判所の審査は、専門技術的な知見に基づいてされた当該知事の判断に不合理な点があるか否かという観点ではなく、総合的な考慮をした上での判断が事実の基礎を欠いたり社会通念に照らし明らかに妥当性を欠いたりするものであるか否かという観点で行われる。
(R6 予備 第16問 エ)
公有水面埋立法第4条第1項第2号が定める要件に適合するとした都道府県知事の判断に違法があるか否かに関する裁判所の審査は、専門技術的な知見に基づいてされた当該知事の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われる。
【参照条文】公有水面埋立法第4条 都道府県知事ハ埋立ノ免許ノ出願左ノ各号ニ適合スト認ムル場合ヲ除クノ外埋立ノ許ヲ為スコトヲ得ズ
一 国土利用上適正且合理的ナルコト
二 其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト
三~六 (略)
2、3 (略)
公有水面埋立法第4条第1項第2号が定める要件に適合するとした都道府県知事の判断に違法があるか否かに関する裁判所の審査は、専門技術的な知見に基づいてされた当該知事の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われる。
【参照条文】公有水面埋立法第4条 都道府県知事ハ埋立ノ免許ノ出願左ノ各号ニ適合スト認ムル場合ヲ除クノ外埋立ノ許ヲ為スコトヲ得ズ
一 国土利用上適正且合理的ナルコト
二 其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト
三~六 (略)
2、3 (略)
(正答)〇
(解説)
判例(最判平28.12.20)は、「公有水面埋立法4条1項2号の『其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト』という要件(第2号要件)は、公有水面の埋立て自体により生じ得る環境保全及び災害防止上の問題を的確に把握するとともに、これに対する措置が適正に講じられていることを承認等の要件とするものと解されるところ、その審査に当たっては、埋立ての実施が環境に及ぼす影響について適切に情報が収集され、これに基づいて適切な予測がされているか否かや、事業の実施により生じ得る環境への影響を回避又は軽減するために採り得る措置の有無や内容が的確に検討され、かつ、そのような措置を講じた場合の効果が適切に評価されているか否か等について、専門技術的な知見に基づいて検討することが求められるということができる。そうすると、裁判所が、公有水面の埋立てが第2号要件に適合するとした都道府県知事の判断に違法等があるか否かを審査するに当たっては、専門技術的な知見に基づいてされた上記都道府県知事の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべき…。」としている。
判例(最判平28.12.20)は、「公有水面埋立法4条1項2号の『其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト』という要件(第2号要件)は、公有水面の埋立て自体により生じ得る環境保全及び災害防止上の問題を的確に把握するとともに、これに対する措置が適正に講じられていることを承認等の要件とするものと解されるところ、その審査に当たっては、埋立ての実施が環境に及ぼす影響について適切に情報が収集され、これに基づいて適切な予測がされているか否かや、事業の実施により生じ得る環境への影響を回避又は軽減するために採り得る措置の有無や内容が的確に検討され、かつ、そのような措置を講じた場合の効果が適切に評価されているか否か等について、専門技術的な知見に基づいて検討することが求められるということができる。そうすると、裁判所が、公有水面の埋立てが第2号要件に適合するとした都道府県知事の判断に違法等があるか否かを審査するに当たっては、専門技術的な知見に基づいてされた上記都道府県知事の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべき…。」としている。