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行政法 審査基準の策定義務がないとされた事例 東京高判平成17年12月26日

概要
免許証の有効期間についての更新手続は、法92条の2、法施行令33条の7によって、更新後の免許証の有効期間の区分等が具体的かつ一義的に明記されているから、行政庁が上記区分のほかに新たな基準を設置する義務があると解することはできない。
判例
事案:行手法は、審査基準を「申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準」と定義し(2条8号ロ)、「行政庁は、審査基準を定めるものとする」と規定している。法令自体において、許認可等の判断の基準が十分具体的かつ明確に規定されているため、審査基準を定める必要がない場合も考えられるため、同法5条1項は2項・3項よりも若干表現を弱めて「ものとする」という表現にしている(宇賀克也「行政法概説Ⅰ 行政法総論」第8版473頁)。そこで、免許証の有効期間についての更新手続は、法令により更新後の免許証の有効期間の区分等が具体的かつ一義的に明記されていることから、行政庁が上記区分のほかに新たな基準(審査基準)を設置する義務があるか否かが問題となった。

判旨:「免許証の有効期間についての更新手続は、法92条の2、法施行令33条の7によって、更新後の免許証の有効期間の区分等が具体的かつ一義的に明記されており、更新申請手続の過程において手続の公正・透明性が損なわれることはないといえるから、行政庁が上記区分のほかに新たな基準を設置する義務があると解することはできない。したがって、上記更新手続について、控訴人が、行政手続法5条にいう審査基準等を設けていないとしても、同条項違反の問題は生じないというべきである。
過去問・解説
(H26 予備 第14問 イ)
P県知事は、採石法(以下「法」という。)の運用に関して運営要領を定め、その中で採石業の登録が必要な場合について、【法第32条にいう「採石業を行おうとする者」とは、営利、非営利の目的のいかんを問わず、岩石の採取行為を反復継続的に行おうとする者をいう】という基準を設けている。
法の定める採石業の登録の要件について、法の定めが十分具体的でありそれ以上判断基準を必要としない場合には、P県知事が行政手続法にいう審査基準を定めないことも許される。

(正答)

(解説)
判例(東京高判平17.12.26)は、「免許証の有効期間についての更新手続は、法92条の2、法施行令33条の7によって、更新後の免許証の有効期間の区分等が具体的かつ一義的に明記されており、更新申請手続の過程において手続の公正・透明性が損なわれることはないといえるから、行政庁が上記区分のほかに新たな基準を設置する義務があると解することはできない。したがって、上記更新手続について、控訴人が、行政手続法5条にいう審査基準等を設けていないとしても、同条項違反の問題は生じないというべきである。」としている。
したがって、法の定める採石業の登録の要件について、法の定めが十分具体的でありそれ以上判断基準を必要としない場合には、P県知事が行政手続法にいう審査基準を定めないことも許される。
総合メモ
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