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行政法 関税定率法21条3項に基づく輸入禁制品該当通知 最三小判昭和54年12月25日

概要
関税定率法による通知は「観念の通知」であるとしつつ、「もともと法律の規定に準拠してされたもの」であること、輸入既製品については税関長による輸入の許可を得ることができず(関税法67条、70条、71条、73条、関税定率法21条等)、輸入の許可を受けていない貨物の輸入は法律上禁止されている(関税法111条参照)から、輸入申告者に対し当該貨物を適法に輸入することができなくなるという法律上の効果を及ぼすものであるという理由から、処分性を肯定した。
判例
事案: 関税定率法21条3項の規定による税関長の通知又は同条5項の規定による税関長の決定及びその通知の取消訴訟において、それらの行為が抗告訴訟の対象となる「行政庁の処分」に該当するかが問題となった。

判旨:「輸入禁制品について税関長がその輸入を許可するものでないことは、関税法67条、70条、71条、73条、関税定率法21条等の規定に徴し明らかである。そして、税関長において、輸入申告者に対し、関税定率法21条3項の規定による通知をし、又は、更に、輸入申告者からの異議の申出にかかわらず先の通知に示された判断を変更することなく維持し、同条5項の規定による決定及びその通知をした場合においては、当該貨物につき輸入の許可の得られるべくもないことが明らかとなったものということができると同時に、関税定率法21条の規定の趣旨からみて、税関長において同条1項3号に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物について、税関長が同条3項及び5項に定める措置をとる以外に当該輸入申告に対し何らかの応答的行政処分をすることは、およそ期待され得ないところであり、他方、輸入申告者は輸入の許可を受けないで貨物を輸入することを法律上禁止されている(関税法11条参照)のであるから、輸入申告者は、当該貨物を適法に輸入する道を閉ざされるに至ったものといわなければならない。そして、輸入申告者の被るこのような制約は、輸入申告に対する税関長の応答的行政処分が未了である場合に輸入申告者がその間申告にかかる貨物を適法に輸入することができないという、行政事務処理手続に伴う一般的・経過的な状態下におけるものとは異なり、関税定率法21条3項の規定による通知又は同条5項の規定による決定及びその通知(以下『関税定率法による通知等』という。)によって生ずるに至った法律上の効果である、とみるのが相当である(なお、前記のとおり税関長の判断の結果の表明である関税定率法による通知等により、輸入申告者が、それまで関税法67条の規定により負っていた義務、すなわち、貨物の輸入については税関長の許可を受けなければならないという一般的な義務を免れ、許可なしで当該貨物を輸入することができることとなると解しうべき合理的根拠は、これを見出し難い。また、税関長において関税法138条ないし140条の規定によって通告及び告発の措置を採ったとしても、これにつき刑事手続が必ず開始されるとは断定し得ず、ひいて当該貨物が輸入禁制品に該当するかどうかが右刑事手続において確定されるという保障はないのであるから、このことをもって原審の判示するように関税定率法による通知等の処分性を否定する1根拠とすることもできない。)。
 そうすると、被上告人の関税定率法による通知等は、その法律上の性質において被上告人の判断の結果の表明、すなわち観念の通知であるとはいうものの、もともと法律の規定に準拠してされたものであり、かつ、これにより上告人に対し申告にかかる本件貨物を適法に輸入することができなくなるという法律上の効果を及ぼすものというべきであるから、行政事件訴訟法3条2項にいう『行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為』に該当するもの、と解するのが相当である。」
過去問・解説
(H19 司法 第27問 ア)
税関長が輸入業者に対してした、輸入書籍が関税定率法(当時)所定の輸入禁制品に該当するとの通知は、その法律上の性質において税関長の判断の結果の表明、すなわち観念の通知であって、行政指導にすぎず、抗告訴訟の対象とはならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭54.12.25.)は、「関税定率法による通知等は、…観念の通知であるとはいうものの、もともと法律の規定に準拠してされたものであり、かつ、これにより上告人に対し申告にかかる本件貨物を適法に輸入することができなくなるという法律上の効果を及ぼすものというべきであるから、行政事件訴訟法3条2項にいう『行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為』に該当する…。」として、行政指導にも処分性を認めている。
総合メモ
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