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行政法 土地改良法による認可を受けた土地改良事業の工事等が完了して原状回復が社会通念上不可能となった場合 最二小判平成4年1月24日
概要
町営の土地改良事業の工事等が完了して原状回復が社会通念上不可能となった場合であっても、右事業の施行の認可の取消しを求める訴えの利益は消滅しない。
判例
事案:土地改良事業施工認可後、土地改良工事が完了し、換地計画の認可がなされ、換地処分が行われ、換地処分の登記の完了にまで至った。このような場合に、同認可の取消訴訟において、訴えの利益が失われるかが問題となった。
判旨:「本件認可処分は、本件事業の施行者である八鹿町に対し、本件事業施行地域内の土地につき土地改良事業を施行することを認可するもの、すなわち、土地改良事業施行権を付与するものであり、本件事業において、本件認可処分後に行われる換地処分等の一連の手続及び処分は、本件認可処分が有効に存在することを前提とするものであるから、本件訴訟において本件認可処分が取り消されるとすれば、これにより右換地処分等の法的効力が影響を受けることは明らかである。そして、本件訴訟において、本件認可処分が取り消された場合に、本件事業施行地域を本件事業施行以前の原状に回復することが、本件訴訟係属中に本件事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないと解するのが相当である。」
判旨:「本件認可処分は、本件事業の施行者である八鹿町に対し、本件事業施行地域内の土地につき土地改良事業を施行することを認可するもの、すなわち、土地改良事業施行権を付与するものであり、本件事業において、本件認可処分後に行われる換地処分等の一連の手続及び処分は、本件認可処分が有効に存在することを前提とするものであるから、本件訴訟において本件認可処分が取り消されるとすれば、これにより右換地処分等の法的効力が影響を受けることは明らかである。そして、本件訴訟において、本件認可処分が取り消された場合に、本件事業施行地域を本件事業施行以前の原状に回復することが、本件訴訟係属中に本件事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H18 司法 第36問 ア)
本判決は、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、原状回復が不可能であるとの事情は、行政事件訴訟法第31条の事情判決の適用に関して考慮されるべき事柄であって、土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟の訴えの利益を消滅させるものではないとしている。
本判決は、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、原状回復が不可能であるとの事情は、行政事件訴訟法第31条の事情判決の適用に関して考慮されるべき事柄であって、土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟の訴えの利益を消滅させるものではないとしている。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平4.1.24)は、「本件訴訟において、本件認可処分が取り消された場合に、本件事業施行地域を本件事業施行以前の原状に回復することが、本件訴訟係属中に本件事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないと解するのが相当である。」としている。
判例(最判平4.1.24)は、「本件訴訟において、本件認可処分が取り消された場合に、本件事業施行地域を本件事業施行以前の原状に回復することが、本件訴訟係属中に本件事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないと解するのが相当である。」としている。
(H18 司法 第36問 イ)
本判決は、土地改良事業の施行認可処分が取り消されれば、同処分後に行われる換地処分等の一連の手続及び処分の法的効力が影響を受けることを、訴えの利益を根拠付ける理由としている。
本判決は、土地改良事業の施行認可処分が取り消されれば、同処分後に行われる換地処分等の一連の手続及び処分の法的効力が影響を受けることを、訴えの利益を根拠付ける理由としている。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平4.1.24)は、「本件事業施行地域内の土地につき土地改良事業を施行することを認可するもの、すなわち、土地改良事業施行権を付与するものであり、本件事業において、本件認可処分後に行われる換地処分等の一連の手続及び処分は、本件認可処分が有効に存在することを前提とするものであるから、本件訴訟において本件認可処分が取り消されるとすれば、これにより右換地処分等の法的効力が影響を受けることは明らかである。」として、訴えの利益を認めている。
判例(最判平4.1.24)は、「本件事業施行地域内の土地につき土地改良事業を施行することを認可するもの、すなわち、土地改良事業施行権を付与するものであり、本件事業において、本件認可処分後に行われる換地処分等の一連の手続及び処分は、本件認可処分が有効に存在することを前提とするものであるから、本件訴訟において本件認可処分が取り消されるとすれば、これにより右換地処分等の法的効力が影響を受けることは明らかである。」として、訴えの利益を認めている。
(H18 司法 第36問 ウ)
本判決は、社会通念上、原状回復が法的に不可能となった場合において、原告が採り得る手段は損害賠償請求のみであり、同請求の前提として、土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟を提起しておかなければならないことを、訴えの利益を根拠付ける理由としている。
本判決は、社会通念上、原状回復が法的に不可能となった場合において、原告が採り得る手段は損害賠償請求のみであり、同請求の前提として、土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟を提起しておかなければならないことを、訴えの利益を根拠付ける理由としている。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平4.1.24)は、「本件訴訟において、本件認可処分が取り消された場合に、本件事業施行地域を本件事業施行以前の原状に回復することが、本件訴訟係属中に本件事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないと解するのが相当である。」としており、社会通念上、原状回復が不可能となった場合に備えて土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟を提起しておかなければならないことには言及していない。
したがって、本判決は、土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟を提起しておかなければならないことを、訴えの利益を根拠付ける理由としていない。
判例(最判平4.1.24)は、「本件訴訟において、本件認可処分が取り消された場合に、本件事業施行地域を本件事業施行以前の原状に回復することが、本件訴訟係属中に本件事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないと解するのが相当である。」としており、社会通念上、原状回復が不可能となった場合に備えて土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟を提起しておかなければならないことには言及していない。
したがって、本判決は、土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟を提起しておかなければならないことを、訴えの利益を根拠付ける理由としていない。
(H23 共通 第30問 ア)
町営土地改良事業の施行認可処分の取消しを求める訴訟の係属中に、事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会通念上事業施行以前の原状に回復することが不可能になったとしても、認可処分の取消しを求める訴えの利益は消滅しない。
町営土地改良事業の施行認可処分の取消しを求める訴訟の係属中に、事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会通念上事業施行以前の原状に回復することが不可能になったとしても、認可処分の取消しを求める訴えの利益は消滅しない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平4.1.24)は、「本件訴訟において、本件認可処分が取り消された場合に、本件事業施行地域を本件事業施行以前の原状に回復することが、本件訴訟係属中に本件事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないと解するのが相当である。」としている。
判例(最判平4.1.24)は、「本件訴訟において、本件認可処分が取り消された場合に、本件事業施行地域を本件事業施行以前の原状に回復することが、本件訴訟係属中に本件事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないと解するのが相当である。」としている。
(R3 予備 第19問 ア)
土地改良事業施行認可処分の取消訴訟の係属中にその事業計画に係る工事及び換地処分が完了したときは、事業施行地域を原状に回復することは社会通念上不可能であり、当該処分の取消しを求める法律上の利益は消滅する。
土地改良事業施行認可処分の取消訴訟の係属中にその事業計画に係る工事及び換地処分が完了したときは、事業施行地域を原状に回復することは社会通念上不可能であり、当該処分の取消しを求める法律上の利益は消滅する。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平4.1.24)は、「本件訴訟において、本件認可処分が取り消された場合に、本件事業施行地域を本件事業施行以前の原状に回復することが、本件訴訟係属中に本件事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないと解するのが相当である。」としている。
したがって、原状回復が不可能であるとしても、当該処分の取消しを求める法律上の利益は消滅しない。
判例(最判平4.1.24)は、「本件訴訟において、本件認可処分が取り消された場合に、本件事業施行地域を本件事業施行以前の原状に回復することが、本件訴訟係属中に本件事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないと解するのが相当である。」としている。
したがって、原状回復が不可能であるとしても、当該処分の取消しを求める法律上の利益は消滅しない。