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行政法 青色申告書による法人税の申告についてした更正処分の取消訴訟において課税庁が更正の理由と異なる事実を主張することの可否 最三小判昭和56年7月14日
概要
青色申告書による法人税の申告について不動産の取得価額が申告額より低額であることを更正の理由としてした更正処分の取消訴訟において、課税庁は、当該処分の適否に関する攻撃防御方法として、当該不動産の販売価額が申告額より多額であることを主張することができる。
判例
事案:青色申告書による法人税の申告についてした更正処分の取消訴訟において、課税庁が更正の理由と異なる事実を追加主張することができるかが問題となった。
判旨:「原審が適法に確定したところによれば、(1)宅地の分譲販売等を業とする上告人は、本件係争事業年度において本件不動産を7600万9600円で取得しこれを7000万円で販売したものとして、右事業年度の法人税につき青色申告書による確定申告をした、(2)これに対して、被上告人は、本件不動産の取得価額は6000万円であるとして、他の理由とともにこれを更正の理由として更正通知書に附記し、本件更正処分をした、(3)ところが、被上告人は、本訴における本件更正処分の適否に関する新たな攻撃防禦方法として、仮に本件不動産の取得価額が7600万9600円であるとしても、その販売価額は9450万円であるから、いずれにしても本件更正処分は適法であるとの趣旨の本件追加主張をした、というのであって、このような場合に被上告人に本件追加主張の提出を許しても、右更正処分を争うにつき被処分者たる上告人に格別の不利益を与えるものではないから、一般的に青色申告書による申告についてした更正処分の取消訴訟において更正の理由とは異なるいかなる事実をも主張することができると解すべきかどうかはともかく、被上告人が本件追加主張を提出することは妨げないとした原審の判断は、結論において正当として是認することができる。」
判旨:「原審が適法に確定したところによれば、(1)宅地の分譲販売等を業とする上告人は、本件係争事業年度において本件不動産を7600万9600円で取得しこれを7000万円で販売したものとして、右事業年度の法人税につき青色申告書による確定申告をした、(2)これに対して、被上告人は、本件不動産の取得価額は6000万円であるとして、他の理由とともにこれを更正の理由として更正通知書に附記し、本件更正処分をした、(3)ところが、被上告人は、本訴における本件更正処分の適否に関する新たな攻撃防禦方法として、仮に本件不動産の取得価額が7600万9600円であるとしても、その販売価額は9450万円であるから、いずれにしても本件更正処分は適法であるとの趣旨の本件追加主張をした、というのであって、このような場合に被上告人に本件追加主張の提出を許しても、右更正処分を争うにつき被処分者たる上告人に格別の不利益を与えるものではないから、一般的に青色申告書による申告についてした更正処分の取消訴訟において更正の理由とは異なるいかなる事実をも主張することができると解すべきかどうかはともかく、被上告人が本件追加主張を提出することは妨げないとした原審の判断は、結論において正当として是認することができる。」
過去問・解説
(H28 予備 第20問 ア)
青色申告による法人税の申告に対し、不動産の取得価額が申告額より低額であることを更正の理由として更正処分がされた場合に、その取消訴訟において、被告が、仮に当該不動産の取得価額が上記のとおりでないとしてもその販売価額が申告額より多額であると主張して争うことは許されない。
青色申告による法人税の申告に対し、不動産の取得価額が申告額より低額であることを更正の理由として更正処分がされた場合に、その取消訴訟において、被告が、仮に当該不動産の取得価額が上記のとおりでないとしてもその販売価額が申告額より多額であると主張して争うことは許されない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭56.7.14)は、本肢と同種の事案において、「(1)宅地の分譲販売等を業とする上告人は、本件係争事業年度において本件不動産を7600万9600円で取得しこれを7000万円で販売したものとして、右事業年度の法人税につき青色申告書による確定申告をした、(2)これに対して、被上告人は、本件不動産の取得価額は6000万円であるとして、他の理由とともにこれを更正の理由として更正通知書に附記し、本件更正処分をした、(3)ところが、被上告人は、本訴における本件更正処分の適否に関する新たな攻撃防禦方法として、仮に本件不動産の取得価額が7600万9600円であるとしても、その販売価額は9450万円であるから、いずれにしても本件更正処分は適法であるとの趣旨の本件追加主張をした、というのであって、…被上告人が本件追加主張を提出することは妨げないとした原審の判断は、結論において正当として是認することができる。」としている。
したがって、被告が、仮に当該不動産の取得価額が上記のとおりでないとしてもその販売価額が申告額より多額であると主張して争うことは許される。
判例(最判昭56.7.14)は、本肢と同種の事案において、「(1)宅地の分譲販売等を業とする上告人は、本件係争事業年度において本件不動産を7600万9600円で取得しこれを7000万円で販売したものとして、右事業年度の法人税につき青色申告書による確定申告をした、(2)これに対して、被上告人は、本件不動産の取得価額は6000万円であるとして、他の理由とともにこれを更正の理由として更正通知書に附記し、本件更正処分をした、(3)ところが、被上告人は、本訴における本件更正処分の適否に関する新たな攻撃防禦方法として、仮に本件不動産の取得価額が7600万9600円であるとしても、その販売価額は9450万円であるから、いずれにしても本件更正処分は適法であるとの趣旨の本件追加主張をした、というのであって、…被上告人が本件追加主張を提出することは妨げないとした原審の判断は、結論において正当として是認することができる。」としている。
したがって、被告が、仮に当該不動産の取得価額が上記のとおりでないとしてもその販売価額が申告額より多額であると主張して争うことは許される。