現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
行政法 贈与税決定の取消しを求めるほかに当該決定を前提とした差押処分の取消請求をすることの可否 大阪地裁昭和38年10月31日
概要
賦課処分が違法であり、これを取消すべきものとする判決が確定すれば、賦課処分の有効を前提とする右差押処分もまた違法となり、税務署長は右判決の拘束力によって差押処分を取消すべき義務を負い、滞納処分を続行することができなくなる。
判例
事案:先行行為として行われた贈与税決定の取消請求をするほか、後行行為として行われた当該決定を前提とした差押処分の取消請求をすることについて、訴えの利益が認められるかが問題となった。
判旨:「原告は、さらに前記贈与税の賦課処分が違法として取消されるべきことを理由として、右課税処分に基き被告税務署長が原告に対し昭和36年3月29日付でなした原告所有の現金217,945円の差押処分の取消しを求めるのであるが、前記の如く賦課処分が違法であり、これを取消すべきものとする判決が確定すれば、賦課処分の有効を前提とする右差押処分もまた違法となり、被告税務署長は右判決の拘束力によって差押処分を取消すべき義務を負い、滞納処分を続行することができなくなるのであるから、差押処分自体に瑕疵があれば格別、そうでない本件では前記賦課処分の取消請求のほかに、さらに差押処分の取消しを求める必要はなく、この点に関する原告の請求は、訴えの利益を欠くものといわなければならない。」
判旨:「原告は、さらに前記贈与税の賦課処分が違法として取消されるべきことを理由として、右課税処分に基き被告税務署長が原告に対し昭和36年3月29日付でなした原告所有の現金217,945円の差押処分の取消しを求めるのであるが、前記の如く賦課処分が違法であり、これを取消すべきものとする判決が確定すれば、賦課処分の有効を前提とする右差押処分もまた違法となり、被告税務署長は右判決の拘束力によって差押処分を取消すべき義務を負い、滞納処分を続行することができなくなるのであるから、差押処分自体に瑕疵があれば格別、そうでない本件では前記賦課処分の取消請求のほかに、さらに差押処分の取消しを求める必要はなく、この点に関する原告の請求は、訴えの利益を欠くものといわなければならない。」
過去問・解説
(H19 司法 第36問 ウ)
課税処分をした税務署長が、その税の滞納処分として納税義務者の財産を差し押さえていたときに、その課税処分が取消訴訟の判決により取り消され、それが確定したときは、税務署長は、滞納処分を続行してはならない。
課税処分をした税務署長が、その税の滞納処分として納税義務者の財産を差し押さえていたときに、その課税処分が取消訴訟の判決により取り消され、それが確定したときは、税務署長は、滞納処分を続行してはならない。
(正答)〇
(解説)
裁判例(大阪地裁昭38.10.31)は、本肢と同種の事案において、「賦課処分が違法であり、これを取消すべきものとする判決が確定すれば、賦課処分の有効を前提とする右差押処分もまた違法となり、被告税務署長は右判決の拘束力によって差押処分を取消すべき義務を負い、滞納処分を続行することができなくなる…。」としており、行政庁は、拘束力から生じる義務として、判決により取り消された先行行為と整合しない後行行為を取り決す義務を負うと解されている。
したがって、先行行為たる課税処分が取消訴訟の判決により取り消され、それが確定したときは、税務署長は、後行行為たる滞納処分を続行してはならないことになる。
裁判例(大阪地裁昭38.10.31)は、本肢と同種の事案において、「賦課処分が違法であり、これを取消すべきものとする判決が確定すれば、賦課処分の有効を前提とする右差押処分もまた違法となり、被告税務署長は右判決の拘束力によって差押処分を取消すべき義務を負い、滞納処分を続行することができなくなる…。」としており、行政庁は、拘束力から生じる義務として、判決により取り消された先行行為と整合しない後行行為を取り決す義務を負うと解されている。
したがって、先行行為たる課税処分が取消訴訟の判決により取り消され、それが確定したときは、税務署長は、後行行為たる滞納処分を続行してはならないことになる。