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行政法 全国都道府県議会議員軟式野球大会に参加した県議会議員に随行した県職員が県に対し旅費相当額の不当利得返還義務 最二小判平成15年1月17日
概要
地方公務員法の規定によれば、地方公共団体の職員は、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないものとされており(同法32条)、上司の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り、これに従う義務を負うものと解される。上記服務関係からすれば、地方公共団体の職員が職務命令である旅行命令に従って旅行をした場合には、職員は、旅行命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り、当該旅行に対して旅費の支給を受けることができ、それが不当利得となるものではない。
判例
事案:県議会の議員が全国都道府県議会議員軟式野球大会に参加するために、それに随行した及び事務局職員が支出した旅費について、住民であるXらが、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、県に代位して、議員らに対して不当利得又は損害賠償の返還を求めた事案において、職務命令に従ったにすぎない職員が県に対し不当利得返還義務を負うかが問題となった。
判旨:「地方公務員法の規定によれば、地方公共団体の職員は、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないものとされており(同法32条)、上司の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り、これに従う義務を負うものと解される。上記服務関係からすれば、地方公共団体の職員が職務命令である旅行命令に従って旅行をした場合には、職員は、旅行命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り、当該旅行に対して旅費の支給を受けることができ、それが不当利得となるものではない。 これを本件についてみると、原審の適法に確定したところによれば、議会事務局職員に対する旅行命令は、議会において本件野球大会に議員を派遣することが決定されたことを受けて、議会事務局職員を議員に随行させ、実行委員会本部との連絡調整、用具の運搬管理、本件野球大会の記録その他の補助業務に当たらせるために発せられたものであるから、上記旅行命令に重大かつ明白な瑕疵があったとはいえない。したがって、これに従って旅行をした上告人Dに支給された旅費は不当利得とはならない。」
判旨:「地方公務員法の規定によれば、地方公共団体の職員は、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないものとされており(同法32条)、上司の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り、これに従う義務を負うものと解される。上記服務関係からすれば、地方公共団体の職員が職務命令である旅行命令に従って旅行をした場合には、職員は、旅行命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り、当該旅行に対して旅費の支給を受けることができ、それが不当利得となるものではない。 これを本件についてみると、原審の適法に確定したところによれば、議会事務局職員に対する旅行命令は、議会において本件野球大会に議員を派遣することが決定されたことを受けて、議会事務局職員を議員に随行させ、実行委員会本部との連絡調整、用具の運搬管理、本件野球大会の記録その他の補助業務に当たらせるために発せられたものであるから、上記旅行命令に重大かつ明白な瑕疵があったとはいえない。したがって、これに従って旅行をした上告人Dに支給された旅費は不当利得とはならない。」
過去問・解説
(H20 司法 第23問 エ)
最高裁判所の判例によれば、職員が通達を違法と考えた場合、その通達に沿った上司の命令に服従すべき義務はなく、服従拒否を理由とする懲戒処分は違法になると解されている。
最高裁判所の判例によれば、職員が通達を違法と考えた場合、その通達に沿った上司の命令に服従すべき義務はなく、服従拒否を理由とする懲戒処分は違法になると解されている。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平15.1.17)は、「地方公共団体の職員は、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないものとされており(同法32条)、上司の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り、これに従う義務を負うものと解される。」としている。
したがって、職員が通達を違法と考えた場合でも、その通達に沿った上司の命令に服従すべき義務がある。また、そうであるとすると、服従拒否を理由とする懲戒処分は適法となると考えられる。
判例(最判平15.1.17)は、「地方公共団体の職員は、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないものとされており(同法32条)、上司の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り、これに従う義務を負うものと解される。」としている。
したがって、職員が通達を違法と考えた場合でも、その通達に沿った上司の命令に服従すべき義務がある。また、そうであるとすると、服従拒否を理由とする懲戒処分は適法となると考えられる。