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行政法 営造物の通常の用法に即しない行動の結果生じた事故と営造物の設置管理の瑕疵 最三小判昭和53年7月4日
概要
営造物の通常の用法に即しない行動の結果事故が生じた場合において、その営造物として本来具有すべき安全性に欠けるところがなく、右行動が設置管理者において通常予測することのできないものであるときは、右事故が営造物の設置又は管理の瑕疵によるものであるということはできない。
判例
事案:Xが、Y市に対して、Xが6歳時にYの設置管理する道路南端の防護柵を超えて転落した事故は、危険な防護柵を放置して、本件道路の管理者として付近の住民の転落事故等が起こらぬように本件道路を安全な状態に管理する義務を怠ったものであるとして、国賠法2条1項に基づいて提起した国家賠償請求訴訟において、営造物の通常の用法に即しない行動の結果生じた事故が営造物の設置管理の瑕疵によるものといえるかが問題となった。
判旨:「国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理に瑕疵があったとみられるかどうかは、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきものであるところ、前記事実関係に照らすと、本件防護柵は、本件道路を通行する人や車が誤って転落するのを防止するために被上告人によって設置されたものであり、その材質、高さその他その構造に徴し、通行時における転落防止の目的からみればその安全性に欠けるところがないものというべく、上告人の転落事故は、同人が当時危険性の判断能力に乏しい6歳の幼児であったとしても、本件道路及び防護柵の設置管理者である被上告人において通常予測することのできない行動に起因するものであったということができる。したがって、右営造物につき本来それが具有すべき安全性に欠けるところがあったとはいえず、上告人のしたような通常の用法に即しない行動の結果生じた事故につき、被上告人はその設置管理者としての責任を負うべき理由はないものというべきである。」
判旨:「国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理に瑕疵があったとみられるかどうかは、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきものであるところ、前記事実関係に照らすと、本件防護柵は、本件道路を通行する人や車が誤って転落するのを防止するために被上告人によって設置されたものであり、その材質、高さその他その構造に徴し、通行時における転落防止の目的からみればその安全性に欠けるところがないものというべく、上告人の転落事故は、同人が当時危険性の判断能力に乏しい6歳の幼児であったとしても、本件道路及び防護柵の設置管理者である被上告人において通常予測することのできない行動に起因するものであったということができる。したがって、右営造物につき本来それが具有すべき安全性に欠けるところがあったとはいえず、上告人のしたような通常の用法に即しない行動の結果生じた事故につき、被上告人はその設置管理者としての責任を負うべき理由はないものというべきである。」
過去問・解説
(H21 司法 第37問 ア)
市が管理する道路に設置された防護柵から幼児が転落した事故において、当該防護柵は、その材質、高さその他その構造に徴し、通行時における転落防止の目的からみてその安全性に欠けるところがなく、当該事故が通常予測することのできない被害者の行動に起因するものであったといえる場合には、当該事故につき、市が営造物の設置管理者としての責任を負うことはない。
市が管理する道路に設置された防護柵から幼児が転落した事故において、当該防護柵は、その材質、高さその他その構造に徴し、通行時における転落防止の目的からみてその安全性に欠けるところがなく、当該事故が通常予測することのできない被害者の行動に起因するものであったといえる場合には、当該事故につき、市が営造物の設置管理者としての責任を負うことはない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭53.7.4)は、「国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理に瑕疵があったとみられるかどうかは、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきものであるところ、前記事実関係に照らすと、本件防護柵は、本件道路を通行する人や車が誤って転落するのを防止するために被上告人によって設置されたものであり、その材質、高さその他その構造に徴し、通行時における転落防止の目的からみればその安全性に欠けるところがないものというべく、上告人の転落事故は、同人が当時危険性の判断能力に乏しい6歳の幼児であったとしても、本件道路及び防護柵の設置管理者である被上告人において通常予測することのできない行動に起因するものであったということができる。したがって、右営造物につき本来それが具有すべき安全性に欠けるところがあったとはいえず、上告人のしたような通常の用法に即しない行動の結果生じた事故につき、被上告人はその設置管理者としての責任を負うべき理由はないものというべきである。」としている。
判例(最判昭53.7.4)は、「国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理に瑕疵があったとみられるかどうかは、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきものであるところ、前記事実関係に照らすと、本件防護柵は、本件道路を通行する人や車が誤って転落するのを防止するために被上告人によって設置されたものであり、その材質、高さその他その構造に徴し、通行時における転落防止の目的からみればその安全性に欠けるところがないものというべく、上告人の転落事故は、同人が当時危険性の判断能力に乏しい6歳の幼児であったとしても、本件道路及び防護柵の設置管理者である被上告人において通常予測することのできない行動に起因するものであったということができる。したがって、右営造物につき本来それが具有すべき安全性に欠けるところがあったとはいえず、上告人のしたような通常の用法に即しない行動の結果生じた事故につき、被上告人はその設置管理者としての責任を負うべき理由はないものというべきである。」としている。