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行政事件訴訟法 第8条 - 解答モード
条文
① 処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。
② 前項ただし書の場合においても、次の各号の一に該当するときは、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを提起することができる。
一 審査請求があった日から3箇月を経過しても裁決がないとき。
二 処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき。
三 その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。
③ 第1項本文の場合において、当該処分につき審査請求がされているときは、裁判所は、その審査請求に対する裁決があるまで(審査請求があった日から3箇月を経過しても裁決がないときは、その期間を経過するまで)、訴訟手続を中止することができる。
過去問・解説
(H23 司法 第31問 ウ)
法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがある場合には、審査請求があった日から3か月を経過しても裁決がないときに限り、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを適法に提起することができる。
(正答)✕
(解説)
行訴法8条2項各号は、いわゆる不服申立前置に関する定めがある場合であっても、裁決を経ずに、処分の取消しの訴えを適法に提起することができる場合として、「審査請求があった日から3箇月を経過しても裁決がないとき。」(同項1号)、「処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき。」(同項2号)及び「その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。」(同項3号)を掲げている。
したがって、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがある場合には、審査請求があった日から3か月を経過しても裁決がないときに限らず、行訴法8条2項2号、及び、3号のときにおいても、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを適法に提起することができる。
(H26 共通 第31問 ア)
処分について審査請求をすることができる場合であっても、法律に特段の定めのない限り、直ちに処分の取消しの訴えを提起することができる。
(H27 予備 第23問 ア)
審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができない旨の法律の定めがある処分については、審査請求に対する裁決を経ない段階において、処分の取消しの訴えを提起し、併せて当該処分につき執行停止を求める申立てをしても、当該申立てが適法とされる余地はない。
(正答)✕
(解説)
行訴法8条1項但書は、いわゆる不服申立前置に関するの定めがある場合においては、まず審査請求を経る必要があると規定している。もっとも、同法8条2項各号は、不服申立前置に関するの定めがある場合であっても、裁決を経ずに、処分の取消しの訴えを適法に提起することができる場合を掲げている。
したがって、審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができない旨の法律の定めがある処分については、審査請求に対する裁決を経ない段階において、処分の取消しの訴えを提起し、併せて当該処分につき執行停止を求める申立てをしたときは、同法8条2項各号所定の場合に適法とされる。
(H29 予備 第20問 ア)
処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げないが、当該処分につき審査請求がされているときは、その審査請求に対する裁決があるまで、提起することができない。
(正答)✕
(解説)
行手法8条1項本文は、「処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。」と規定している。また、同条3項は、「当該処分につき審査請求がされているときは、裁判所は、その審査請求に対する裁決があるまで…訴訟手続を中止することができる。」と規定しており、裁決の前に取消訴訟が提起される場合を前提としている。
したがって、当該処分につき審査請求がされているとき、その審査請求に対する裁決がなくとも、処分の取消しの訴えを提起することができると解されている。
よって、処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げず、当該処分につき審査請求がされているとき、その審査請求に対する裁決がなくとも、提起することができる。
(R1 予備 第18問 ウ)
行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(以下「法」という。)に基づく不開示決定については、いわゆる不服申立前置の制度はとられておらず、不服を有する者は、行政不服審査法に基づく不服申立てをせずに直接裁判所に対して取消訴訟を提起することもできる。
(正答)〇
(解説)
行訴法8条1項は、「処分の取消しの訴えは、…審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。」と規定している。
そして、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律には、同項但書が規定しているいわゆる不服申立前置に関するの規定が存在しないため、審査請求と取消訴訟を事由に選択することができる。
したがって、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づく不開示決定については、いわゆる不服申立前置の制度はとられておらず、不服を有する者は、行政不服審査法に基づく不服申立てをせずに直接裁判所に対して取消訴訟を提起することもできる。
(R5 予備 第18問 イ)
行政文書の開示請求に対する不開示決定を受けた開示請求者は、行政不服審査法に基づく不服申立てを行わずに、当該不開示決定につき、適法に取消訴訟を提起することはできない。
(正答)✕
(解説)
行訴法8条1項は、「処分の取消しの訴えは、…審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。」と規定している。
そして、情報公開法には、同項但書が規定しているいわゆる不服申立前置に関するの規定が存在しないため、審査請求と取消訴訟を事由に選択することができる。
したがって、行政文書の開示請求に対する不開示決定を受けた開示請求者は、行政不服審査法に基づく不服申立てを行わずに、当該不開示決定につき、適法に取消訴訟を提起することはできる。