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行政事件訴訟法 第30条

条文
第30条(裁量処分の取消し)
 行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。
過去問・解説
(H18 司法 第29問 ア)
法律の条文において、行政処分をすることが「できる」と規定されている場合、当該条文上の要件が満たされているときに、当該処分をするかしないかの裁量を行政庁に認める趣旨であるとは限らない。

(正答)

(解説)
処分をするかしないかの裁量、いわゆる効果裁量を行政庁に認めるているかどうかについては、行政行為の性質によって区別するべきだと解されている。
したがって、法律の条文において、行政処分をすることが「できる」と規定されている場合、当該条文上の要件が満たされているときに、当該処分をするかしないかの裁量を行政庁に認める趣旨であるとは限らない。

(H18 司法 第29問 イ)
行政庁が裁量権を行使して行った処分については、当不当の問題が生じるだけであるから、裁判所の審査が及ぶことはない。

(正答)

(解説)
行訴法30条は、「行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。」と規定している。
そのため、同条所定の場合においては、裁判所の審査が及ぶこととなる。
したがって、行政庁が裁量権を行使して行った処分において、裁判所の審査が及ぶことはある。

(H18 司法 第29問 エ)
法律の条文上、行政庁において、数種類の不利益処分をすることができると規定されている場合、特定の者に対しどの処分を行うかについて、行政庁に裁量が認められることがある。

(正答)

(解説)
判例(最判昭52.12.20)は、「国家公務員につき懲戒事由がある場合において、懲戒権者が懲戒処分を行うかどうか、懲戒処分のうちいずれの処分を選ぶべきかは、その判断が、懲戒事由に該当すると認められる行為の性質、態様等のほか、当該公務員の右行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、広範な事情を総合してされるべきものである以上、平素から庁内の事情に通暁し、部下職員の指揮監督の衝にあたる懲戒権者の裁量に任されている…。」としている。

(R3 予備 第16問 ウ)
行政庁の裁量処分の取消しについて、行政事件訴訟法第30条は、「取り消すことができる」と規定しており、これは、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったときでも、公の利益に配慮して当該処分を取り消すか否かの裁量を裁判所に認める趣旨を含むものである。

(正答)

(解説)
行訴法30条は、「行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があつた場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。」と規定している。
そして、同条は、裁判所の審査が及ぶことを明らかにするという趣旨で定められたと解されており、公の利益に配慮して当該処分を取り消すか否かの裁量を裁判所に認める趣旨を含んでいない。
したがって、行政庁の裁量処分の取消しについて、行政事件訴訟法30条は、「取り消すことができる」と規定しているものの、これは、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったときでも、公の利益に配慮して当該処分を取り消すか否かの裁量を裁判所に認める趣旨を含むものではない。
総合メモ
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