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民法 債務者の交代による更改後と抗弁の承継 大判大正10年6月2日

概要
双務契約によって生じた両債務が併存する場合において、相手方の債務につき債務者の交代による更改が行われ、その結果として新債務が発生し旧債務が消滅したときは、他の残存している債務を負担する一方当事者は、その新債務について同時履行の抗弁権を主張して自己の債務の履行を拒むことができない。
判例
事案:債務者の交代による更改がなされた事案において、更改後の債務者が、それ以前に更改前の債務者が主張することができた抗弁をもって債務の弁済を拒むことができるかが問題となった。

判旨:「双務契約ヨリ生シタル両債務カ併存スル場合ニ於テハ当事者ノ一方ハ相手方カ其債務ノ履行ヲ提供セサルトキハ所謂同時履行ノ抗弁ヲ提起シテ自己ノ債務ノ履行ヲ拒ムコトヲ得ヘシト雖モ相手方ノ債務ニ付キ債務者ノ交替ニ因ル更改行ワレ其結果トシテ新債務発生シ旧債務消滅シタルトキハ他ノ残存セル双務契約上ノ債務ヲ負担スル一方ノ当事者ハ其新債務ニ付キ履行ノ提供ナキコトヲ理由トシテ自己ノ債務ノ履行ヲ拒ムコトヲ得ス何トナレハ其新債務ハ双務契約ヨリ生シタル債務ニ非スシテ別箇ノ契約タル更改ヨリ生シタルモノニシテ残存セル双務契約上ノ債務ニ対シ全然独立ノ存在ヲ有シ新債務ニ付キ履行ノ提供ヲ為スト否トハ残存債務ニ何等ノ影響ヲ及ホスモノニ非サレハナリ」
過去問・解説
(R7 司法 第23問 イ)
債務者の交替による更改があったときは、更改後の債務者は、更改の効力が生じた時に更改前の債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる。

(正答)

(解説)
判例(大判大10.6.2)は、双務契約によって生じた両債務が併存する場合において、相手方の債務につき債務者の交代による更改が行われ、その結果として新債務が発生し旧債務が消滅したときは、他の残存している債務を負担する一方当事者は、その新債務について同時履行の抗弁権を主張して自己の債務の履行を拒むことはできない旨判示している。
したがって、債務者の交代による更改があったときは、更改後の債務者は、更改の効力が生じた時に更改前の債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができない。
総合メモ
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