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民法 110条の第三者 最三小判昭和36年12月12日

概要
110条の「第三者」は無権代理行為の直接の相手方に限られる。
判例
事案:振出人が正当な権限なく約束手形を振り出し、無権代理の事実について当該手形の受取人が悪意の場合、当該受取人から無権代理の事実について善意無過失で裏書譲渡を受けた手形所持人に対して、本人は手形上の責任を負うかが問題となった。

判旨:「約束手形が代理人によりその権限を踰越して振出された場合、民法110条によりこれを有効とするには、受取人が右代理人に振出の権限あるものと信ずべき正当の理由あるときに限るものであつて、かゝる事由のないときは、縦令、その後の手形所持人が、右代理人にかゝる権限あるものと信ずべき正当の理由を有して居つたものとしても、同条を適用して、右所持人に対し振出人をして手形上の責任を負担せしめ得ない…。」
過去問・解説
(H25 共通 第4問 エ)
本人からその所有する不動産に抵当権を設定する代理権を与えられた者が、本人を代理して当該不動産を売却した場合、売買契約の相手方がその権限の逸脱の事実を知り、又はそれを知らないことについて過失があったときでも、転得者が善意無過失であるときは、表見代理が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭36.12.12)は、110条の「第三者」は無権代理行為の直接の相手方に限られる旨判示している。したがって、転得者自身は「第三者」に当たらないため、110条の適用はない。売買契約の相手方がその権限の逸脱の事実を知り、又はそれを知らないことについて過失があったときは、転得者が善意無過失であっても、当該売買契約の相手方、転得者ともに110条は適用されないから、表見代理は成立しない。

(R6 司法 第4問 ウ)
AからA所有の甲土地に抵当権を設定する代理権を与えられていたBが、Aに無断で、Aの代理人としてCに甲土地を売却し、Cは、甲土地を更にDに売却した。Bに甲土地の売却についての権限があったとDが信ずべき正当な理由があるときは、CがBにその権限がないことを知っていたときであっても、Aは、Dに対して当該行為についての責任を負う。

(正答)

(解説)
判例(最判昭36.12.12)は、110条の「第三者」は無権代理行為の直接の相手方に限られる旨判示している。したがって、転得者Dは「第三者」に当たらず、110条は適用されない。よって、CがBにその権限がないことを知っていたときは、Bに甲土地の売却についての権限があったとDが信ずべき正当な理由があったとしても、C、D両者ともに110条は適用されず、Aは、Dに対して当該行為について責任を負わない。
総合メモ
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