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民法 仮装譲渡と177条における「第三者」 最三小判昭和42年10月31日

概要
AがBに不動産を仮装譲渡し、Cが善意でBからこれを譲りうけた場合であっても、Cが所有権取得登記をする前に、Aからの譲受人DがBを債務者として当該不動産について処分禁止の仮処分登記を経ていたときは、Cはその所有権取得をDに対抗することができない。
判例
事案:94条2項の「善意の第三者」が不動産の所有権取得登記をする前に、仮装譲渡における譲渡人を債務者として処分禁止の仮処分登記がされた場合において、同項の「善意の第三者」と処分禁止の仮処分登記をした譲渡人の債権者との間の、当該不動産についての優劣が問題となった。

判旨:「不動産の譲受人がいまだその取得登記をしない間に、その不動産について譲渡人を債務者として処分禁止の仮処分登記が経由された場合には、譲受人がその後に所有権取得登記をしても、譲受人は所有権取得そのものを仮処分債権者に主張することができないものと解すべきである(昭和26年得第137号同30年10月25日最高裁判所第三小法廷判決・民集9巻11号1678頁、昭和28年(オ)第1340号同30年12月26日同第二小法廷判決・民集9巻14号2114頁)。」
過去問・解説
(H23 共通 第8問 4)
Aは、Bと通じて、Aの不動産について有効な売買契約が存在しないにもかかわらず売買を原因とする所有権移転登記をBに対して行い、その後、この事情について善意無過失であるCに対してBが同一不動産を譲渡したが、BC間の所有権移転登記はされていない。この場合において、さらにその後、AがDに同一不動産を譲渡したときは、Cは、所有権の取得をDに対抗することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.10.31)は、94条2項の「善意の第三者」が、不動産の所有権取得登記をする前に、仮装譲渡における譲渡人を債務者として、当該不動産について処分禁止の仮処分登記がされたという事案において、「不動産の譲受人がいまだその取得登記をしない間に、その不動産について譲渡人を債務者として処分禁止の仮処分登記が経由された場合には、譲受人がその後に所有権取得登記をしても、譲受人は所有権取得そのものを仮処分債権者に主張することができないものと解すべきである…。」と判示している。この判例の理解は、94条2項の「善意の第三者」と、仮装譲渡における譲渡人からその後さらに譲渡を受けた者との間の関係にも妥当すると解されている。
本肢において、Cは、Aの不動産に関するAB間の仮装譲渡について善意無過失でBから当該不動産の譲渡を受けているため、94条2項の「善意の第三者」に当たるところ、Aから同不動産の譲渡を受けたDとは、対抗関係(177条)に立つといえる。そうすると、BC間の所有権移転登記がされていない本肢においては、Cは、所有権の取得をDに対抗することができない。
総合メモ
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