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民法 建物に保存登記がなされていない場合の法定地上権 大判昭和14年12月19日

概要
土地の抵当権設定当時その土地上の建物に保存登記がなかった場合でも、法定地上権が成立する。
判例
事案:土地の抵当権設定当時その土地上の建物に保存登記がなかった場合でも、法定地上権が成立するかどうかが問題となった。

判旨:「民法第388条ハ土地及其ノ地上ノ建物ヲ所有スル者カ土地又ハ建物ノミニ付キ抵当権ヲ設定シタルトキハ競売ノ結果其ノ所有者ヲ異ニスルノ結果ヲ生スヘク斯ル場合ニ於テハ建物ハ之ヲ該地上ヨリ収去スルコトヲ要シ建物トシテ之ヲ利用スルノ由ナキニ至ルヲ以テ国家経済上ノ見地ヨリ建物ノ所有者ノ為メニ地上権ヲ設定シタルモノト見做シ建物トシテノ利用ヲ全タカラシメントスル趣旨ニ出テタルモノナリ而シテ本件ノ場合ノ如ク土地ノミニ付キ抵当権ヲ取得シタル者ハ最初抵当権ノ設定ヲ受ケタルモノナルト後日其ノ権利ヲ譲受ケタルモノナルトヲ問ハス該地上ニ建物ノ存在シタル事実ハ之ヲ了知セルコトヲ通常ノ事例トスル力故ニ競売ノ場合ニ於テ建物ヲ所有スル何人カカ其ノ土地ニ付キ地上権ヲ取得スヘキコトハ当然予期スヘキ所ニシテ斯ル土地ヲ競落シタルモノモ亦同様ナリト謂ハサルヘカラス即チ甲タルト乙タルトヲ問ハス競売ノ当時該建物ヲ所有スル何人カカ存在シ地上権ヲ取得スヘキコトハ之ヲ予期セサルヘカラス然ルニ所有権保存登記ナルモノハ特定ノ所有者カ其ノ所有権ヲ第三者ニ対抗スルノ手段ナレハ建物ニ付キ所有権保存登記ノ存スルト否トハ叙上ノ場合ニ於ケル地上権ノ取得トハ自ラ別個ノ問題ナリト謂フヘク土地ノ抵当権者又ハ競落人ハ保存登記ノ欠缺ヲ主張スルニ付キ正当ノ利益ヲ有セサルモノナリ之ヲ要スルニ抵当権設定当時又ハ其ノ移転登記ノ当時建物ニ付所有権保存登記ノ存セサルコトハ競売ノ場合ニ於テ建物ノ所有者カ地上権ヲ取得スルノ妨ケトナルヘキモノニアラス故ニ論旨ハ理由ナシ。」
過去問・解説
(H26 司法 第15問 3)
Aが所有する甲土地上に、A所有の乙建物が存在し、その後、甲土地にBのための抵当権が設定され、抵当権が実行された結果、Cが甲土地の所有者になった場合、Aが乙建物の所有権の登記をしていなかったときは、甲土地に乙建物のための法定地上権は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(大判昭14.12.19)は、本肢と同種の事案において、土地の抵当権設定当時その土地上の建物に保存登記がなかった場合でも、法定地上権が成立する旨判示している。したがって、Aが乙建物の所有権の登記をしていなかったとしても、甲土地に乙建物のための法定地上権が成立する。
総合メモ
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