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民法 期限の定めがない債務と弁済期 大判大正6年10月20日

概要
弁済期の定めのない債務は、債権者がいつでも弁済を請求することができるから、常に弁済期にあり、弁済期の定めのない債務が2つあるときは、債務発生の日時が早いものをもって、先に弁済期が到来したものと解する。
判例
事案:弁済期の定めのない債務が2つある場合において、どちらの債務が先に弁済期が到来したといえるかが問題となった。

判旨:「弁済期ノ定メナキ債務ニ在リテハ債権者ハ何時ニテモ弁済ヲ請求スルコトヲ得ルヲ以テ其債務ハ常ニ弁済期ニ在ルモノト謂フヘシ而シテ弁済期ノ定メナキ債務二箇アルトキハ債務発生ノ日時早キモノヲ以テ先ツ弁済期ニ至リタルモノト謂ハサルコトヲ得ス。」
過去問・解説
(H18 司法 第22問 5)
AがBに対して100万円の甲借入金債務と200万円の乙借入金債務を負っている場合において、両債務とも無利息で弁済期の定めがないが、甲債務が乙債務より先に成立した場合、AがBに150万円を支払ったが、ABともに弁済の充当指定をしなかったときは、50万円が甲債務の弁済に、100万円が乙債務の弁済に充当される。

(正答)

(解説)
判例(大判大6.10.20)は、弁済期の定めのない債務は、債権者がいつでも弁済を請求することができるから、常に弁済期にあり、弁済期の定めのない債務が二つあるときは、債務発生の日時が早いものをもって、先に弁済期が到来したものと解する旨判示している。本肢においては、甲借入金債務と乙借入金債務の双方とも弁済期の定めがないが、甲債務が乙債務より先に成立しているため、甲債務をもって、先に弁済期が到来したものといえる。
ここで、488条4項柱書は、「弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも第一項又は第二項の規定による指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。」と規定し、同項3号は、「債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。」と規定している。本肢においては、甲借入金債務と乙借入金債務の双方とも無利息であるから、「債務者のために弁済の利益が相等しいとき」に当たる。そして、上記の通り、甲借入金債務をもって、先に弁済期が到来したものといえることから、AがBに150万円を支払ったが、ABともに弁済の充当指定をしなかったときは、甲借入金債務に優先的に充当される。したがって、100万円が甲債務の弁済に、50万円が乙債務の弁済に充当される。
総合メモ
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