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民法 履行遅滞にする催告と解除権を行使するための催告を二重にする必要があるか 大判大正6年6月27日
概要
期限の定めのない債務の履行遅滞を理由に、債権者が催告による解除(541条)をする場合においては、期限の定めのない債務を履行遅滞に陥らせるための「履行の請求」(412条3項)をすれば足り、その後更に、解除権を発生させるための「履行の催告」(541条)をする必要はない。
判例
事案:債権者が、541条の催告による解除をする場合において、期限の定めのない債務を履行遅滞に陥らせるための「履行の請求」(412条3項)をした後、改めて解除権を行使するための「履行の催告」(541条)をする必要があるかが問題となった。
判旨:「債権者カ民法第541条ニ依リ契約ノ解除権ヲ有スルニハ債務ノ不履行即チ債務者ノ付遅滞ヲ前提トスヘキハ勿論ナリト雖モ履行期ノ定メナキ債務ニ在リテハ債務者ヲ遅滞ニ付スルカ為メノ催告ヲ為シタル後更ニ同条所定ノ催告ヲ為スコトヲ要スルモノニ非スシテ債務者カ其過失ニ因ルト否トヲ問ハス債務ヲ履行セサルニ当リ債務者ハ相当ノ期間ヲ定メテ履行ヲ催告シ遅滞ニ付スルト同時ニ其期間内ニ履行ナキトキニ契約ヲ解除シ得ルモノト解スルヲ相当トス蓋シ履行期ノ定メナキ債務ハ契約成立ト同時ニ履行期ニアルモノニシテ債務者ニ履行遅滞ノ責ヲ負ハシムルニハ債権者ノ履行催告ヲ必要ト為スニ止ルモノナレハ債権者カ履行ノ準備ニ要スル期間ヲ定メテ催告ヲ為シ其催告ノ債務者ニ到達シタル以上ハ其日ヨリ債務者ノ遅滞始マリ債務者ハ其期間内ニ債務ヲ履行シ又ハ履行セサルコトヲ得ヘク債務ヲ履行セスシテ期間ヲ経過セハ遅滞ノ効果ニ依リ契約ヲ解除セラルル結果ヲ見ルハ当然ニシテ必スシモ時ヲ異ニシテ2回ノ催告ヲ為スノ要ナシ。」
判旨:「債権者カ民法第541条ニ依リ契約ノ解除権ヲ有スルニハ債務ノ不履行即チ債務者ノ付遅滞ヲ前提トスヘキハ勿論ナリト雖モ履行期ノ定メナキ債務ニ在リテハ債務者ヲ遅滞ニ付スルカ為メノ催告ヲ為シタル後更ニ同条所定ノ催告ヲ為スコトヲ要スルモノニ非スシテ債務者カ其過失ニ因ルト否トヲ問ハス債務ヲ履行セサルニ当リ債務者ハ相当ノ期間ヲ定メテ履行ヲ催告シ遅滞ニ付スルト同時ニ其期間内ニ履行ナキトキニ契約ヲ解除シ得ルモノト解スルヲ相当トス蓋シ履行期ノ定メナキ債務ハ契約成立ト同時ニ履行期ニアルモノニシテ債務者ニ履行遅滞ノ責ヲ負ハシムルニハ債権者ノ履行催告ヲ必要ト為スニ止ルモノナレハ債権者カ履行ノ準備ニ要スル期間ヲ定メテ催告ヲ為シ其催告ノ債務者ニ到達シタル以上ハ其日ヨリ債務者ノ遅滞始マリ債務者ハ其期間内ニ債務ヲ履行シ又ハ履行セサルコトヲ得ヘク債務ヲ履行セスシテ期間ヲ経過セハ遅滞ノ効果ニ依リ契約ヲ解除セラルル結果ヲ見ルハ当然ニシテ必スシモ時ヲ異ニシテ2回ノ催告ヲ為スノ要ナシ。」
過去問・解説
(H25 司法 第20問 1)
解除の要件としての催告は、相手方が履行遅滞に陥った後にしなければならないから、期限の定めのない債務の履行遅滞を理由に契約を解除するには、あらかじめ履行の請求をすることによって当該債務を履行遅滞に陥れた後、改めてその履行の催告をする必要がある。
解除の要件としての催告は、相手方が履行遅滞に陥った後にしなければならないから、期限の定めのない債務の履行遅滞を理由に契約を解除するには、あらかじめ履行の請求をすることによって当該債務を履行遅滞に陥れた後、改めてその履行の催告をする必要がある。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大6.6.27)は、期限の定めのない債務の履行遅滞を理由に、債権者が催告による解除(541条)をする場合においては、期限の定めのない債務を履行遅滞に陥らせるための「履行の請求」(412条3項)をすれば足り、その後更に、解除権を発生させるための「履行の催告」(541条)をする必要はない旨判示している。したがって、期限の定めのない債務の履行遅滞を理由に契約を解除するには、あらかじめ履行の請求をすることによって当該債務を履行遅滞に陥れれば足り、改めてその履行の催告をする必要はない。
判例(大判大6.6.27)は、期限の定めのない債務の履行遅滞を理由に、債権者が催告による解除(541条)をする場合においては、期限の定めのない債務を履行遅滞に陥らせるための「履行の請求」(412条3項)をすれば足り、その後更に、解除権を発生させるための「履行の催告」(541条)をする必要はない旨判示している。したがって、期限の定めのない債務の履行遅滞を理由に契約を解除するには、あらかじめ履行の請求をすることによって当該債務を履行遅滞に陥れれば足り、改めてその履行の催告をする必要はない。