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民法 賭博による債務の履行のために交付された第三者振出の小切手の支払につき所持人と振出人との間に成立した和解契約の効力 最二小判昭和46年4月9日
概要
賭博により生じた債務の履行のため、第三者が振り出した小切手が交付された場合において、当該小切手の所持人と振出人との間で、当該小切手金の支払いに関して和解契約が成立したとき、当該和解契約は公序良俗に反するものとして無効となる。
判例
事案:賭博による債務の履行のため、第三者が振り出した小切手が交付された場合において、当該小切手の所持人と振出人との間で、当該小切手金の支払いに関する和解契約が成立したとき、当該和解契約が有効といえるかが問題となった。
判旨:「AとBとの間で、AがCから交付を受けたB振出にかかる本件小切手金の支払に関して和解契約が成立し、BからAに対して金55万円を支払う旨を約したが、右小切手は、賭博によつてCが負うことになつた金銭給付義務の履行のために、同人からAに交付されたものであつたというのである。してみれば、本来、AがBに対して右小切手金の支払を求めることは、公序良俗に違反するものとして許されないところというべく、右和解上の金銭支払の約束も、実質上、その金額の限度でAをして賭博による金銭給付を得させることを目的とするものであることが明らかであるから、同じく、公序良俗違反の故をもつて、無効とされなければならない。このことは、右合意が、論旨のいう創設的なものとして、すなわち、小切手金支払債務の存否と無関係に金銭支払義務を負担すべきものとする趣旨でなされたものとしても、異なるところはない。右契約の実質に存する不法性は、当事者の合意によつて払拭しうるものではないからである。」
判旨:「AとBとの間で、AがCから交付を受けたB振出にかかる本件小切手金の支払に関して和解契約が成立し、BからAに対して金55万円を支払う旨を約したが、右小切手は、賭博によつてCが負うことになつた金銭給付義務の履行のために、同人からAに交付されたものであつたというのである。してみれば、本来、AがBに対して右小切手金の支払を求めることは、公序良俗に違反するものとして許されないところというべく、右和解上の金銭支払の約束も、実質上、その金額の限度でAをして賭博による金銭給付を得させることを目的とするものであることが明らかであるから、同じく、公序良俗違反の故をもつて、無効とされなければならない。このことは、右合意が、論旨のいう創設的なものとして、すなわち、小切手金支払債務の存否と無関係に金銭支払義務を負担すべきものとする趣旨でなされたものとしても、異なるところはない。右契約の実質に存する不法性は、当事者の合意によつて払拭しうるものではないからである。」
過去問・解説
(H30 司法 第27問 ウ)
Aは、Bとの賭博に負けたため、Cに事情を話して小切手を振り出させ、これらの経緯を知るBに交付したところ、BC間で、小切手の支払金額につき争いが生じ、和解契約が成立した。この場合、BC間の和解契約は公序良俗に反し無効である。
Aは、Bとの賭博に負けたため、Cに事情を話して小切手を振り出させ、これらの経緯を知るBに交付したところ、BC間で、小切手の支払金額につき争いが生じ、和解契約が成立した。この場合、BC間の和解契約は公序良俗に反し無効である。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.4.9)は、本肢と同種の事案において、賭博により生じた債務の履行のため、第三者が振り出した小切手が交付された場合において、当該小切手の所持人と振出人との間で、当該小切手金の支払いに関して和解契約が成立したとき、当該和解契約は公序良俗に反するものとして無効となる旨判示している。したがって、本肢においても、BC間の和解契約は公序良俗に反し無効である。
判例(最判昭46.4.9)は、本肢と同種の事案において、賭博により生じた債務の履行のため、第三者が振り出した小切手が交付された場合において、当該小切手の所持人と振出人との間で、当該小切手金の支払いに関して和解契約が成立したとき、当該和解契約は公序良俗に反するものとして無効となる旨判示している。したがって、本肢においても、BC間の和解契約は公序良俗に反し無効である。