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民法 相続人の一部を除外して行った遺産分割協議の効力 最二小判昭和54年3月23日

概要
母子関係は分娩の事実によって発生するから、母の死亡による遺産分割その他の処分後に非嫡出子の存在が明らかになった場合には、784条ただし書や910条を類推適用することができない。
判例
事案:母の死亡による遺産分割その他の処分後に、当該母の非嫡出子の存在が明らかになった場合において、784条ただし書や910条が類推適用されるかが問題となった。

判旨:「母とその非嫡出子との間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず分娩の事実により当然に発生するものと解すべきであつて(最高裁判所昭和35年(オ)第1189号同37年4月27日第二小法廷判決・民集16巻7号1347頁参照)、母子関係が存在する場合には認知によつて形成される父子関係に関する民法784条但書を類推適用すべきではなく、また、同法910条は、取引の安全と被認知者の保護との調整をはかる規定ではなく、共同相続人の既得権と被認知者の保護との調整をはかる規定であつて、遺産分割その他の処分のなされたときに当該相続人の他に共同相続人が存在しなかつた場合における当該相続人の保護をはかるところに主眼があり、第三取得者は右相続人が保護される場合にその結果として保護されるのにすぎないのであるから、相続人の存在が遺産分割その他の処分後に明らかになつた場合については同法条を類推適用することができないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H26 共通 第34問 4)
嫡出でない子がいる母の死亡による相続について、その子が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人らがその子の存在を知らないまま、既に遺産分割の協議を成立させていたときは、その子は、他の共同相続人らに対し、価額のみによる支払の請求権を有する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭54.3.23)は、「910条は、取引の安全と被認知者の保護との調整をはかる規定ではなく、共同相続人の既得権と被認知者の保護との調整をはかる規定であつて、遺産分割その他の処分のなされたときに当該相続人の他に共同相続人が存在しなかつた場合における当該相続人の保護をはかるところに主眼があり、第三取得者は右相続人が保護される場合にその結果として保護されるのにすぎないのであるから、相続人の存在が遺産分割その他の処分後に明らかになつた場合については同法条を類推適用することができないものと解するのが相当である。」と判示している。そして、910条は、「相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。」と規定している。
したがって、嫡出でない子がいる母の死亡による相続について、その子が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人らがその子の存在を知らないまま、既に遺産分割の協議を成立させていたときは、910条は類推適用されないから、その子は、他の共同相続人らに対し、価額のみによる支払の請求権を有しない。
総合メモ
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