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請負
第632条
条文
第632条(請負)
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
過去問・解説
(H25 司法 第29問 イ)
請負契約において、請負人は、具体的な報酬額の定めがなければ、報酬を請求することができない。
請負契約において、請負人は、具体的な報酬額の定めがなければ、報酬を請求することができない。
(正答)✕
(解説)
請負契約の成立要件の一つである「相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約すること」(632条)は、契約締結時に具体的な報酬額を定めない方法によっても認められるものであり、その場合は、①報酬額について慣行があれがそれによって具体的な報酬額が定まり、②慣行がないのであれば、「実費+実際の仕事に応じた相当な報酬」を支払う旨の合意があるものと解釈されるのが通常である(山本敬三「民法講義Ⅳ-1」初版648頁)。
したがって、請負契約において、請負人は、具体的な報酬額の定めがない場合であっても、①又は②の方法によって定まる報酬額を請求することができる。
請負契約の成立要件の一つである「相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約すること」(632条)は、契約締結時に具体的な報酬額を定めない方法によっても認められるものであり、その場合は、①報酬額について慣行があれがそれによって具体的な報酬額が定まり、②慣行がないのであれば、「実費+実際の仕事に応じた相当な報酬」を支払う旨の合意があるものと解釈されるのが通常である(山本敬三「民法講義Ⅳ-1」初版648頁)。
したがって、請負契約において、請負人は、具体的な報酬額の定めがない場合であっても、①又は②の方法によって定まる報酬額を請求することができる。
総合メモ
第633条
条文
第633条(報酬の支払時期)
報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第624条第1項の規定を準用する。
報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第624条第1項の規定を準用する。
過去問・解説
(H20 司法 第26問 2)
請負契約は有償契約であり、報酬は、目的物の引渡しを要するときはその引渡しと引換えに、物の引渡しを要しないときは仕事の完成と引換えに、支払わなければならない。
請負契約は有償契約であり、報酬は、目的物の引渡しを要するときはその引渡しと引換えに、物の引渡しを要しないときは仕事の完成と引換えに、支払わなければならない。
(正答)✕
(解説)
633条本文は、「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。」と規定しているから、目的物の引渡しを要する場合は、報酬の支払と目的物の引渡しは同時履行の関係にある。
これに対し、633条但書は、「ただし、物の引渡しを要しないときは、第624条第1項の規定を準用する。」と規定しているから、目的物の引渡しを要しない場合は、報酬の支払と仕事の関係は同時履行の関係にはなく、仕事完成債務が先履行義務となる。
633条本文は、「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。」と規定しているから、目的物の引渡しを要する場合は、報酬の支払と目的物の引渡しは同時履行の関係にある。
これに対し、633条但書は、「ただし、物の引渡しを要しないときは、第624条第1項の規定を準用する。」と規定しているから、目的物の引渡しを要しない場合は、報酬の支払と仕事の関係は同時履行の関係にはなく、仕事完成債務が先履行義務となる。
(H27 司法 第26問 エ)
仕事の目的物の引渡しを要する場合には、注文者は、仕事の目的物の引渡しを受けるまで、請負人に対し、報酬の支払を拒むことができる
仕事の目的物の引渡しを要する場合には、注文者は、仕事の目的物の引渡しを受けるまで、請負人に対し、報酬の支払を拒むことができる
(正答)〇
(解説)
633条本文は、「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。」と規定しているから、目的物の引渡しを要する場合は、報酬の支払と目的物の引渡しは同時履行の関係にある。
633条本文は、「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。」と規定しているから、目的物の引渡しを要する場合は、報酬の支払と目的物の引渡しは同時履行の関係にある。
(H29 司法 第28問 ア)
請負人は、仕事の目的物の引渡しを要する場合には、これを引き渡した後でなければ、報酬を請求することができない。
請負人は、仕事の目的物の引渡しを要する場合には、これを引き渡した後でなければ、報酬を請求することができない。
(正答)✕
(解説)
633条本文は、「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。」と規定しているから、目的物の引渡しを要する場合は、報酬の支払と目的物の引渡しは同時履行の関係にある。
633条本文は、「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。」と規定しているから、目的物の引渡しを要する場合は、報酬の支払と目的物の引渡しは同時履行の関係にある。
(R5 司法 第26問 ア)
建物の建築を請け負った請負人は、完成した建物を注文者に引き渡した後でなければ、報酬を請求することができない。
建物の建築を請け負った請負人は、完成した建物を注文者に引き渡した後でなければ、報酬を請求することができない。
(正答)✕
(解説)
633条本文は、「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。」と規定しているから、目的物の引渡しを要する場合は、報酬の支払と目的物の引渡しは同時履行の関係にある。
633条本文は、「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。」と規定しているから、目的物の引渡しを要する場合は、報酬の支払と目的物の引渡しは同時履行の関係にある。
総合メモ
第634条
条文
第634条(注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)
次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。
次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。
過去問・解説
(H22 司法 第25問 5)
請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約の解除をすることができるが、仕事の内容が可分であり、既にその一部が完成し、完成部分が注文者にとって有益なものである場合には、注文者は、未完成部分に限り契約の解除をすることができる。
請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約の解除をすることができるが、仕事の内容が可分であり、既にその一部が完成し、完成部分が注文者にとって有益なものである場合には、注文者は、未完成部分に限り契約の解除をすることができる。
(正答)〇
(解説)
641条は、「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる」と規定しているから、本肢前段は正しい。
これに対し、634条2号は、「請負が仕事の完成前に解除された」場合において、「請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。」と規定している。そして、平成29年改正前民法下の判例(最判昭和56年2月17日)は、請負人が仕事を完成させることができなくなったことを理由とする請負契約の解除について、①仕事の内容が可分であり、②その仕事の一部が完成していて、かつ、③注文者が完成部分に関して利益を有するときは、完成部分については契約を解除できない(未完成部分について契約を一部解除できるにとどまる)と解しており、634条2号でいう「請負が仕事の完成前に解除されたとき」とは、上記のような一部解除を指している。なぜなら、注文者が契約を全部解除した場合、全部の報酬支払義務を免れるはずであるのに、634条2号により割合的な報酬請求権が認められるのでは、矛盾するからである(潮見佳男「詳解 改正民法」初版510頁)。このように、①ないし③を満たす場合には、注文者は、未完成部分に限り契約の解除をすることができる。したがって本肢後段も正しい。
641条は、「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる」と規定しているから、本肢前段は正しい。
これに対し、634条2号は、「請負が仕事の完成前に解除された」場合において、「請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。」と規定している。そして、平成29年改正前民法下の判例(最判昭和56年2月17日)は、請負人が仕事を完成させることができなくなったことを理由とする請負契約の解除について、①仕事の内容が可分であり、②その仕事の一部が完成していて、かつ、③注文者が完成部分に関して利益を有するときは、完成部分については契約を解除できない(未完成部分について契約を一部解除できるにとどまる)と解しており、634条2号でいう「請負が仕事の完成前に解除されたとき」とは、上記のような一部解除を指している。なぜなら、注文者が契約を全部解除した場合、全部の報酬支払義務を免れるはずであるのに、634条2号により割合的な報酬請求権が認められるのでは、矛盾するからである(潮見佳男「詳解 改正民法」初版510頁)。このように、①ないし③を満たす場合には、注文者は、未完成部分に限り契約の解除をすることができる。したがって本肢後段も正しい。
(H24 司法 第27問 ア)
請負が注文者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
請負が注文者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
(正答)〇
(解説)
634条1項1号は、「注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなった」場合について、「請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。」と規定している。
634条1項1号は、「注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなった」場合について、「請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。」と規定している。
(H29 司法 第28問 オ)
請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができるが、契約の目的である仕事の内容が過分である場合において、請負人が既に仕事の一部を完成させており、その完成部分が注文者にとって有益なものであるときは、未完成部分に限り、契約を解除することができる。
請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができるが、契約の目的である仕事の内容が過分である場合において、請負人が既に仕事の一部を完成させており、その完成部分が注文者にとって有益なものであるときは、未完成部分に限り、契約を解除することができる。
(正答)〇
(解説)
641条は、「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる」と規定しているから、本肢前段は正しい。
これに対し、634条2号は、「請負が仕事の完成前に解除された」場合において、「請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。」と規定している。そして、平成29年改正前民法下の判例(最判昭和56年2月17日)は、請負人が仕事を完成させることができなくなったことを理由とする請負契約の解除について、①仕事の内容が可分であり、②その仕事の一部が完成していて、かつ、③注文者が完成部分に関して利益を有するときは、完成部分については契約を解除できない(未完成部分について契約を一部解除できるにとどまる)と解しており、634条2号でいう「請負が仕事の完成前に解除されたとき」とは、上記のような一部解除を指している。なぜなら、注文者が契約を全部解除した場合、全部の報酬支払義務を免れるはずであるのに、634条2号により割合的な報酬請求権が認められるのでは、矛盾するからである(潮見佳男「詳解 改正民法」初版510頁)。このように、①ないし③を満たす場合には、注文者は、未完成部分に限り契約の解除をすることができる。したがって本肢後段も正しい。
641条は、「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる」と規定しているから、本肢前段は正しい。
これに対し、634条2号は、「請負が仕事の完成前に解除された」場合において、「請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。」と規定している。そして、平成29年改正前民法下の判例(最判昭和56年2月17日)は、請負人が仕事を完成させることができなくなったことを理由とする請負契約の解除について、①仕事の内容が可分であり、②その仕事の一部が完成していて、かつ、③注文者が完成部分に関して利益を有するときは、完成部分については契約を解除できない(未完成部分について契約を一部解除できるにとどまる)と解しており、634条2号でいう「請負が仕事の完成前に解除されたとき」とは、上記のような一部解除を指している。なぜなら、注文者が契約を全部解除した場合、全部の報酬支払義務を免れるはずであるのに、634条2号により割合的な報酬請求権が認められるのでは、矛盾するからである(潮見佳男「詳解 改正民法」初版510頁)。このように、①ないし③を満たす場合には、注文者は、未完成部分に限り契約の解除をすることができる。したがって本肢後段も正しい。
(R6 司法 第28問 オ)
注文者Aが請負人Bに甲建物の建築を請け負わせた。
請負契約がBの債務不履行により中途で解除された場合において、可分な部分の給付によってAが利益を受けるときは、Bは、Aが受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
注文者Aが請負人Bに甲建物の建築を請け負わせた。
請負契約がBの債務不履行により中途で解除された場合において、可分な部分の給付によってAが利益を受けるときは、Bは、Aが受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
(正答)〇
(解説)
634条2号は、「請負が仕事の完成前に解除された」場合について、「請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。」と規定している。
したがって、本肢の事例では、可分な部分の給付によってAが利益を受けるときは、Bは、Aが受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
634条2号は、「請負が仕事の完成前に解除された」場合について、「請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。」と規定している。
したがって、本肢の事例では、可分な部分の給付によってAが利益を受けるときは、Bは、Aが受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
総合メモ
第636条
条文
第636条(請負人の担保責任の制限)
請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。
請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。
過去問・解説
(H27 共通 第27問 ウ)
仕事の目的物の不適合が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた場合、請負人は、その材料又は指図が不適当であることを知りながら注文者に告げなかったときを除き、担保責任を負わない。
仕事の目的物の不適合が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた場合、請負人は、その材料又は指図が不適当であることを知りながら注文者に告げなかったときを除き、担保責任を負わない。
(正答)〇
(解説)
636条は、本文において「請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したときは、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」として、請負人の担保責任の制限について規定する一方で、但書において「ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。」と規定している。
したがって、仕事の目的物の不適合が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた場合、請負人は、その材料又は指図が不適当であることを知りながら注文者に告げなかったときを除き、担保責任を負わない。
636条は、本文において「請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したときは、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」として、請負人の担保責任の制限について規定する一方で、但書において「ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。」と規定している。
したがって、仕事の目的物の不適合が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた場合、請負人は、その材料又は指図が不適当であることを知りながら注文者に告げなかったときを除き、担保責任を負わない。
(R1 共通 第26問 ウ)
仕事の目的物の契約不適合が注文者の与えた指図によって生じたときは、請負人は、その指図が不適当であることを知りながら注文者に告げなかったときであっても、担保責任を負わない。
仕事の目的物の契約不適合が注文者の与えた指図によって生じたときは、請負人は、その指図が不適当であることを知りながら注文者に告げなかったときであっても、担保責任を負わない。
(正答)✕
(解説)
636条は、本文において「請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したときは、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」として、請負人の担保責任の制限について規定する一方で、但書において「ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。」と規定している。
したがって、仕事の目的物の不適合が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた場合、請負人は、その材料又は指図が不適当であることを知りながら注文者に告げなかったときを除き、担保責任を負わない。
636条は、本文において「請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したときは、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」として、請負人の担保責任の制限について規定する一方で、但書において「ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。」と規定している。
したがって、仕事の目的物の不適合が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた場合、請負人は、その材料又は指図が不適当であることを知りながら注文者に告げなかったときを除き、担保責任を負わない。
総合メモ
第637条
条文
第637条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
① 前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
② 前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。
① 前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
② 前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。
過去問・解説
(H24 司法 第27問 オ)
仕事を完成して目的物を引き渡すことを内容とする請負において、注文者による目的物の修補の請求は、目的物を引き渡した時から1年以内にしなければならない。
仕事を完成して目的物を引き渡すことを内容とする請負において、注文者による目的物の修補の請求は、目的物を引き渡した時から1年以内にしなければならない。
(正答)✕
(解説)
637条1項は、目的物の種類又は品質に関する請負人の担保責任の期間制限について、「注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」と規定している。
637条1項は、目的物の種類又は品質に関する請負人の担保責任の期間制限について、「注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」と規定している。
(H27 共通 第27問 オ)
仕事の目的物の引渡しを要しない場合、その仕事が終了した時から1年以内に、注文者は、契約不適合の旨を請負人に通知する必要がある。
仕事の目的物の引渡しを要しない場合、その仕事が終了した時から1年以内に、注文者は、契約不適合の旨を請負人に通知する必要がある。
(正答)✕
(解説)
637条1項は、目的物の種類又は品質に関する請負人の担保責任の期間制限について、「注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」と規定している。
637条1項は、目的物の種類又は品質に関する請負人の担保責任の期間制限について、「注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」と規定している。
(R1 共通 第26問 エ)
建物の建築の請負において、注文者による修補の請求は、建物が完成した時から1年以内にしなければならない。
建物の建築の請負において、注文者による修補の請求は、建物が完成した時から1年以内にしなければならない。
(正答)✕
(解説)
637条1項は、目的物の種類又は品質に関する請負人の担保責任の期間制限について、「注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」と規定している。
637条1項は、目的物の種類又は品質に関する請負人の担保責任の期間制限について、「注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」と規定している。
(R6 司法 第28問 エ)
注文者Aが請負人Bに甲建物の建築を請け負わせた。
Bが建築を完成しAに引き渡した甲建物の品質が請負契約の内容に適合しない場合において、Bが引渡時にそのことについて善意無重過失であったときは、AがBに対しその不適合を理由として損害賠償の請求をするためには、Aは、その不適合を知った時から1年以内にその訴えを提起しなければならない。
注文者Aが請負人Bに甲建物の建築を請け負わせた。
Bが建築を完成しAに引き渡した甲建物の品質が請負契約の内容に適合しない場合において、Bが引渡時にそのことについて善意無重過失であったときは、AがBに対しその不適合を理由として損害賠償の請求をするためには、Aは、その不適合を知った時から1年以内にその訴えを提起しなければならない。
(正答)✕
(解説)
637条は、目的物の種類又は品質に関する請負人の担保責任の期間制限について、1項において「注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」と規定する一方で、2項において「前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。」と規定している。
637条は、目的物の種類又は品質に関する請負人の担保責任の期間制限について、1項において「注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」と規定する一方で、2項において「前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。」と規定している。
本肢の事例では、Bが引渡時に善意無重過失であったため、同条2項は適用されないから、Aは、その不適合を知った時から1年以内にその旨をBに通知すれば足り、1年以内にその訴えを提起しなければいけないわけではない。
総合メモ
第641条
条文
第641条(注文者による契約の解除)
請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
過去問・解説
(H24 司法 第27問 イ)
請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
(正答)〇
(解説)
641条は、「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。」と規定して、契約の拘束力の例外として、注文者に理由を必要としない任意解除権を認めている。
641条は、「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。」と規定して、契約の拘束力の例外として、注文者に理由を必要としない任意解除権を認めている。
(H27 司法 第26問 ア)
請負人が債務の本旨に従って仕事を完成した後であっても、注文者は、損害を賠償して契約の解除をすることができる。
請負人が債務の本旨に従って仕事を完成した後であっても、注文者は、損害を賠償して契約の解除をすることができる。
(正答)✕
(解説)
641条の任意解除権は「仕事を完成しない間」に限って認められるものである。したがって、請負人が債務の本旨に従って仕事を完成した後は、注文者は、損害を賠償して契約の解除をすることができない。
641条の任意解除権は「仕事を完成しない間」に限って認められるものである。したがって、請負人が債務の本旨に従って仕事を完成した後は、注文者は、損害を賠償して契約の解除をすることができない。
(R4 共通 第23問 ウ)
請負人は、仕事の完成前であれば、いつでも損害を賠償して請負契約を解除することができる。
請負人は、仕事の完成前であれば、いつでも損害を賠償して請負契約を解除することができる。
(正答)✕
(解説)
641条は、「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。」と規定して、契約の拘束力の例外として、注文者に理由を必要としない任意解除権を認めている。
641条は、「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。」と規定して、契約の拘束力の例外として、注文者に理由を必要としない任意解除権を認めている。
総合メモ
第642条
条文
第642条(注文者についての破産手続の開始による解除)
① 注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人又は破産管財人は、契約の解除をすることができる。ただし、請負人による契約の解除については、仕事を完成した後は、この限りでない。
② 前項に規定する場合において、請負人は、既にした仕事の報酬及びその中に含まれていない費用について、破産財団の配当に加入することができる。
③ 第1項の場合には、契約の解除によって生じた損害の賠償は、破産管財人が契約の解除をした場合における請負人に限り、請求することができる。この場合において、請負人は、その損害賠償について、破産財団の配当に加入する。
① 注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人又は破産管財人は、契約の解除をすることができる。ただし、請負人による契約の解除については、仕事を完成した後は、この限りでない。
② 前項に規定する場合において、請負人は、既にした仕事の報酬及びその中に含まれていない費用について、破産財団の配当に加入することができる。
③ 第1項の場合には、契約の解除によって生じた損害の賠償は、破産管財人が契約の解除をした場合における請負人に限り、請求することができる。この場合において、請負人は、その損害賠償について、破産財団の配当に加入する。