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不法行為

第711条

条文
第711条(近親者に対する損害の賠償)
 他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。
過去問・解説
(H22 司法 第33問 エ)
未成年であるAの母はBであり、父はCであるが、BがAの親権者であり、BとCは婚姻をしていない。DがAを殺害した場合において、B及びCは、Dに対し、それにより被った精神的損害の賠償を請求することができる。

(正答)

(解説)
711条は、「他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。」と規定しているところ、ここでいう「被害者の父母」は婚姻関係にあることを要しない。したがって、Aの「父母」であるB及びCは、加害者Dに対して精神的損害の賠償を請求することができる。

(H24 司法 第29問 3)
不法行為により死亡した被害者の父又は母は、加害者に対し、自己が被った精神的苦痛に基づく損害の賠償を請求することはできない。

(正答)

(解説)
711条は、「他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。」と規定している。したがって、不法行為により死亡した被害者の父又は母は、加害者に対し、自己が被った精神的苦痛に基づく損害の賠償を請求することができる。

(H27 司法 第28問 ア)
他人の生命を侵害した者は、被害者の相続人に対してのみ慰謝料を支払う義務を負う。

(正答)

(解説)
711条は、「他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。」と規定している。したがって、他人の生命を侵害した者は、被害者の相続人に限らず、「被害者の父母、配偶者及び子」に対しても、慰謝料を支払う義務を負う。
総合メモ

第712条

条文
第712条(責任能力)
 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
過去問・解説
(H20 司法 第2問 ウ)
未成年者が他人に損害を与えた場合には、未成年者は不法行為責任を負わず、その監督義務者が不法行為責任を負う。

(正答)

(解説)
712条は、「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。」と規定している。したがって、未成年者が他人に損害を与えた場合であっても、未成年者は、「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」を備えているのであれば、不法行為責任を負う。

(R3 共通 第29問 ア)
未成年者が他人に損害を加えた場合、その未成年者の親権者が損害賠償責任を負うことはあっても、未成年者が損害賠償責任を負うことはない。

(正答)

(解説)
712条は、「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。」と規定している。したがって、未成年者が他人に損害を与えた場合であっても、未成年者は、「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」を備えているのであれば、不法行為責任を負う。
総合メモ

第713条

条文
第713条(責任能力)
 精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。
過去問・解説
(H27 司法 第28問 オ)
過失によって一時的に自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態を招いた者は、その間に他人に加えた損害について賠償の責任を負う。

(正答)

(解説)
713条は、本文において「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。」と規定する一方で、但書において「ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない」と規定している。」と規定している。

(R3 共通 第29問 イ)
故意又は過失によって一時的に自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態を招いた者は、その状態にある間に他人に加えた損害について賠償責任を負う。

(正答)

(解説)
713条は、本文において「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。」と規定する一方で、但書において「ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない」と規定している。」と規定している。
総合メモ

第714条

条文
第714条(責任無能力者の監督義務者等の責任)
① 前2条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
② 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。
過去問・解説
(H22 司法 第29問 ア)
Aは自転車を運転して歩道上を走行中、前方不注視により、歩行者Bに衝突し、Bが負傷した。Aが5歳の幼児である場合、AはBに対して損害賠償義務を負うことはなく、Aの親権者であるCが、Aに対する監督義務を怠らなかったとき及びその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときを除き、Bに対して損害賠償義務を負う。

(正答)

(解説)
Aは5歳の幼児であるから、「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」を備えているとはいえず、責任無能力者として損害賠償義務を負わない(713条)。他方で、Aの親権者であるCは、「責任無能力者を監督する法定の義務を負う者」として、Aに対する監督義務を怠らなかったとき及びその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときを除き、Bに対して損害賠償義務を負う(714条1項)。
総合メモ

第715条

条文
第715条(使用者等の責任)
① ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
② 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
③ 前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
過去問・解説
(H18 司法 第3問 2)
使用者は、被用者の選任及び監督について相当の注意をしたことを証明した場合、責任を免れる。

(正答)

(解説)
715条1項は、本文において「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」と規定する一方で、但書において「ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」と規定している。

(H25 司法 第30問 3)
Aの使用するBがその事業の執行について第三者Cに損害を与えた場合において、その損害を賠償する債務をAがCに対して弁済したときには、AのBに対する求償権は、発生しない。

(正答)

(解説)
715条3項は、「前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。」と規定している。したがって、本肢の事例では、AのBに対する求償権が発生する。
なお、使用者の被用者に対する求償は、「諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度」において認められる(最判昭51.7.8)。

(H27 司法 第28問 ウ)
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負うが、この責任は、被用者に賠償の資力があったとしても免れることができない。

(正答)

(解説)
715条1項は、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定している。また、被用者の資力については規定がない。


715条1項但書は、使用者責任の成立が否定される抗弁事由として「使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったとき」と規定しているが、被用者に賠償の資力があることは規定していない。したがって、使用者責任は、被用者に賠償の資力があったとしても成立する。

(R2 司法 第29問 オ)
使用者が被用者の加害行為につき使用者責任に基づいて第三者に損害賠償責任を負う場合、当該被用者は、加害行為につき故意又は重過失がない限り、当該第三者に対する損害賠償責任を負わない。

(正答)

(解説)
使用者責任は代位責任であるから、使用者責任の成立には「被用者」の行為がそれ自体として不法行為の成立要件を満たすことが必要となり、被用者の行為に関する不法行為の成否は709条以下の規定に従って判断される。

(R3 共通 第29問 ウ)
使用者が被用者の加害行為につき使用者責任に基づいて第三者に損害賠償をした場合であっても、使用者の被用者に対する求償権は生じない。

(正答)

(解説)
715条3項は、「前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。」と規定している。したがって、本肢の事例では、AのBに対する求償権が発生する。
なお、使用者の被用者に対する求償は、「諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度」において認められる(最判昭51.7.8)。
総合メモ

第716条

条文
第716条(注文者の責任)
 注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。
過去問・解説
(H25 司法 第30問 4)
Aとの間で請負契約を締結した請負人Bがその仕事について第三者Cに損害を与えた場合において、注文又は指図についてAに過失があったときは、Aは、Cに対し、注文者として損害賠償の責任を負う。

(正答)

(解説)
716条は、本文において「注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。」と規定する一方で、但書において「ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。」と規定している。

(H30 司法 第29問 イ)
請負人がその仕事について第三者に損害を加えた場合には、その注文又は指図について注文者に過失があったときを除き、注文者は、その損害を賠償する責任を負わない。

(正答)

(解説)
716条は、本文において「注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。」と規定する一方で、但書において「ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。」と規定している。

(R3 共通 第29問 エ)
請負人がその仕事について第三者に損害を加えた場合、注文又は指図について過失のない注文者は、その第三者に対する損害賠償責任を負わない。

(正答)

(解説)
716条は、本文において「注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。」と規定する一方で、但書において「ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。」と規定している。
総合メモ

第717条

条文
第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
① 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
② 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
③ 前2項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
過去問・解説
(H26 共通 第29問 2)
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによってAに損害が生じた場合において、その工作物の占有者であるBが損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その工作物の所有者であるCが、Aに対し、その損害を賠償する責任を負う。

(正答)

(解説)
717条1項但書は、占有者の工作物責任の成立が否定される抗弁事由として「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき」と規定している。

(H30 司法 第29問 ウ)
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じた場合において、その工作物の所有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その工作物の占有者が、その損害を賠償する責任を負う。

(正答)

(解説)
工作物責任において、第一次的な責任を負う占有者の責任は中間責任であり、第二次的な責任を負う所有者の責任は「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき」に成立する無過失責任である(717条1項)。

(R1 司法 第28問 ア)
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じ、Aがその工作物の占有者として損害賠償の責任を負う場合において、その損害を賠償したAは、その損害の原因について責任を負うBに対し、求償権を行使することができる。

(正答)

(解説)
717条3項は、「前2項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。」と規定している。
したがって、工作物責任に基づいて損害を賠償したAは、その損害の原因について責任を負うBに対し、求償権を行使することができる。

(R1 司法 第28問 イ)
Aが所有する樹木の植栽又は支持に瑕疵があることによってBに損害が生じた場合であっても、Aが相当の注意をもってその管理をしていたときは、Aが損害賠償の責任を負うことはない。

(正答)

(解説)
工作物責任において、第一次的な責任を負う占有者の責任は中間責任であり、第二次的な責任を負う所有者の責任は「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき」に成立する無過失責任である(717条1項)。

(R1 司法 第28問 オ)
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによってAに損害が生じ、その工作物の占有者Bが損害賠償の責任を負う場合において、Bが無資力であるときは、その工作物の所有者も損害賠償の責任を負う。

(正答)

(解説)
工作物責任において、第一次的な責任を負う占有者の責任は中間責任であり、第二次的な責任を負う所有者の責任は「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき」に成立する無過失責任であり(717条1項)、占有者の責任と所有者の責任は法律上両立しない関係にある。したがって、工作物の占有者Bが損害賠償の責任を負う場合は、「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき」という所有者が責任を負う要件を満たさないのだから、Bが無資力であったとしても、所有者は損害賠償の責任を負わない。

(R5 共通 第30問 エ)
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合において、その工作物の占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その工作物の所有者が損害賠償の責任を負う。

(正答)

(解説)
工作物責任において、第一次的な責任を負う占有者の責任は中間責任であり、第二次的な責任を負う所有者の責任は「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき」に成立する無過失責任である(717条1項)。

(R6 司法 第31問 ウ)
土地工作物の設置の瑕疵によって他人に損害が生じた場合において、土地工作物の占有者として損害賠償の責任を負う者が無資力であるときは、土地工作物の所有者も損害賠償の責任を負う。

(正答)

(解説)
工作物責任において、第一次的な責任を負う占有者の責任は中間責任であり、第二次的な責任を負う所有者の責任は「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき」に成立する無過失責任であり(717条1項)、占有者の責任と所有者の責任は法律上両立しない関係にある。したがって、工作物の占有者が損害賠償の責任を負う場合は、「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき」という所有者が責任を負う要件を満たさないのだから、占有者が無資力であったとしても、所有者は損害賠償の責任を負わない。
総合メモ

第718条

条文
第718条(動物の占有者等の責任)
① 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
② 占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。
過去問・解説
(H30 司法 第29問 エ)
動物の占有者は、その動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負わない。

(正答)

(解説)
718条1項は、本文において「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。」と規定する一方で、但書において「ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。」と規定している。
総合メモ

第720条

条文
第720条(正当防衛及び緊急避難)
① 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
② 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。
過去問・解説
(R4 司法 第29問 オ)
Aの不法行為に対し、Bが第三者Cの権利を防衛するためAに加害行為をしたときは、それがやむを得ないものであったとしても、BはAに対し損害賠償責任を負う。

(正答)

(解説)
720条1項本文は、正当防衛について、「他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。」と規定している。
総合メモ

第723条

条文
第723条(名誉毀き損における原状回復)
 他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。
過去問・解説
(R6 司法 第31問 エ)
プライバシーを侵害した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、謝罪広告を命ずることができる。

(正答)

(解説)
723条は、「他人の名誉を毀き損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。」と規定しているが、同条はプライバシー新芸による不法行為については適用されない。
総合メモ

第724条

条文
第724条(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 
 一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき。
 二 不法行為の時から20年間行使しないとき。
過去問・解説
(H21 司法 第31問 1)
民法第724条2号の規定は、不法行為による損害賠償請求権の除斥期間を定めたものである。

(正答)

(解説)
724条1号及び2号は、いずれも不法行為による損害賠償請求権の消滅時効について定めた規定である。

(H21 司法 第31問 5)
民法第724条1号及び同条2号の各期間経過による法的効果は、いずれも当事者が主張しなければ、裁判所はこれを考慮することができない。

(正答)

(解説)
724条1号及び2号は、いずれも不法行為による損害賠償請求権の消滅時効について定めた規定であるから、各号の消滅時効による法的効果は、いずれも当事者が主張しなければ、裁判所はこれを考慮することができない(145条)。

(R2 共通 第5問 ウ)
不法行為に基づく損害賠償請求権は、不法行為の時から20年間行使しない場合、時効によって消滅する。

(正答)

(解説)
724条2号は、不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効について、「不法行為の時から20年間行使しないとき」と規定している。

(R4 司法 第29問 イ)
不法行為による損害賠償の請求権は、不法行為の時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。

(正答)

(解説)
724条2号は、不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効について、「不法行為の時から20年間行使しないとき」と規定している。
総合メモ

第724条の2

条文
第724条の2(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第1号の規定の適用については、同号中「3年間」とあるのは、「5年間」とする。
過去問・解説
(R3 共通 第29問 オ)
人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、時効によって消滅しない。

(正答)

(解説)
724条の2は、人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効における主観的起算点からの時効期間について、「3年」から「5年」に伸長しており、人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権も消滅時効に服することを前提としている。したがって、人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、主観的起算点から「5年」又は客観的起算点から「20年」を経過した場合には、時効によって消滅する。
総合メモ