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民法 第389条 - 解答モード
条文
① 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
② 前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。
過去問・解説
(H19 司法 第16問 3)
土地に抵当権が設定された当時、その土地に建物が築造されていた場合、その建物の所有者が、その土地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有しないとしても、抵当権者は、土地とともに建物を競売することはできない。
(H23 共通 第15問 オ)
Aが所有する土地について、Bを抵当権者とする抵当権が設定され、その登記がされていた。Bのために抵当権設定登記がされた後、抵当権の実行の前に、Aがこの土地の上に建物を築造した場合において、Bが土地と共にこの建物を競売したとき、Bは抵当権に基づく優先権を土地及び建物の代価について行使することができる。
(H24 司法 第15問 5)
更地に抵当権が設定された後、その土地の上に第三者が建物を築造したとき、抵当権者は、その土地とともにその建物を競売することができる。
(H29 予備 第6問 オ)
AのBに対する債権を被担保債権として、C所有の甲土地について抵当権(以下「本件抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がされている。本件抵当権の登記がされた後に、CがDに対し甲土地を賃貸し、Dが甲土地上に乙建物を建築して所有する場合において、Dが甲土地の占有についてAに対抗することができる権利を有しないときは、Aは、Dの承諾の有無にかかわらず、甲土地及び乙建物を一括して競売することができる。
(R3 共通 第13問 ア)
土地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合、抵当権者は、抵当権が設定されていない当該建物をその土地とともに一括して競売することができる。
(R4 司法 第14問 エ)
Aは、その所有する更地である甲土地にBのために抵当権を設定し、その登記をした。その後、甲土地上に乙建物を建築した。この場合、Bが抵当権を実行し、甲土地と乙建物とが一括して競売されたときは、Bは乙建物の売却代金からも優先弁済を受けることができる。
(R6 司法 第16問 ア)
甲土地に抵当権が設定された当時、甲土地の上に乙建物が存在していたときは、抵当権者は、その抵当権の実行として甲土地とともに乙建物を競売することができる。
(正答) ✕
(解説)
389条は、1項本文において「抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。」と規定する一方で、2項において「前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。」と規定している。
本肢の事例では、甲土地に抵当権が設定された当時、甲土地の上に乙建物が存在していたのだから、「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったとき」(388条前段)として、法定地上権が成立する。したがって、「その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合」(389条2項)に当たるから、抵当権者は、その抵当権の実行として甲土地とともに乙建物を競売することができない。