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民法 第424条の6 - 解答モード

条文
第424条の6(財産の返還又は価額の償還の請求)
① 債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。受益者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。
② 債権者は、転得者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、転得者が転得した財産の返還を請求することができる。転得者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。
過去問・解説

(H19 司法 第19問 オ)
不動産が債務者から受益者へ、受益者から転得者へと順次譲渡された場合において、債権者が、債務者の一般財産を回復させるため、受益者を被告として、債務者と受益者との間の譲渡行為を詐害行為として取り消すときは、価格賠償を請求しなければならない。

(正答)  

(解説)
424条の6第1項は、前段において「債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。」と規定する一方で、後段において「受益者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。」と規定している。前者は現物返還、後者は価額償還と呼ばれる。
不動産が債務者から受益者へ、受益者から転得者へと順次譲渡された場合において、債権者が、受益者を被告として、債務者と受益者との間の譲渡行為を詐害行為として取り消すときは、被告である受益者は当該不動産の所有権を有しておらず、「受益者がその財産の返還をすることが困難であるとき」に当たるから、現物返還ではなく価額償還を請求しなければならない。


(H27 共通 第17問 イ)
AがBに対して融資をしていたところ、Bがその所有する建物をBの妻Cに贈与し、その旨の所有権移転登記手続をしたことから、Aが詐害行為取消訴訟を提起した。Aは、BからCへの所有権移転登記の抹消登記手続を請求することなく、BC間の贈与契約の取消しを請求することができる。

(正答)  

(解説)
424条の6第1項前段は、「債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。」と規定しているから、現物返還や価額償還を請求することなく、詐害行為の取消しのみを請求することも可能である。
したがって、Aは、BからCへの所有権移転登記の抹消登記手続を請求することなく、BC間の贈与契約の取消しを請求することができる。


(R2 共通 第16問 イ)
Aは、その債権者Cを害することを知りながら、所有する骨董品甲をBに贈与し、その際、Bも甲の贈与がAの債権者Cを害することを知っていた。Bが、甲の贈与がAの債権者Cを害することを知っていたDに甲を売却し、引き渡した場合、Aの債権者Cは、Dに対し、BD間の甲の売買の取消しを請求することができる。

(正答)  

(解説)
424条の6第2項前段は、「債権者は、転得者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、転得者が転得した財産の返還を請求することができる。」と規定している。したがって、転得者を被告とする詐害行為取消請求において、取消しの対象となるのは、「債務者がした行為」であって、転得者がした行為ではない。
よって、Aの債権者Cは、転得者Dを被告として、AB間の贈与の取消しを請求することはできるが、BD間の甲の売買の取消しを請求することはできない。


(R2 共通 第16問 ウ)
Aは、その債権者Cを害することを知りながら、所有する骨董品甲をBに贈与し、その際、Bも甲の贈与がAの債権者Cを害することを知っていた。Bが、甲の贈与がAの債権者Cを害することを知っていたDに甲を売却し、引き渡した場合、Aの債権者Cは、Bに対し、AB間の甲の贈与の取消しを請求することができる。

(正答)  

(解説)
424条の6第1項は、「債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消し…を請求することができる」と規定している。
したがって、Aの債権者Cは、受益者Bを被告として、「債務者がした行為」としてAB間の贈与の取消しを請求することができる。

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