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民法 第463条 - 解答モード
条文
① 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその保証人に対抗したときは、その保証人は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
② 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が債務の消滅行為をしたことを保証人に通知することを怠ったため、その保証人が善意で債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。
③ 保証人が債務の消滅行為をした後に主たる債務者が債務の消滅行為をした場合においては、保証人が主たる債務者の意思に反して保証をしたときのほか、保証人が債務の消滅行為をしたことを主たる債務者に通知することを怠ったため、主たる債務者が善意で債務の消滅行為をしたときも、主たる債務者は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。
過去問・解説
(H26 共通 第19問 ウ)
AのBに対する金銭債務について、CがBとの間で保証契約を締結した。AのBに対する債務の額が500万円であり、CがAの依頼を受けてBとの間で保証契約を締結した場合において、Aが、その後取得したBに対する300万円の金銭債権を自働債権として、Bに対する債務と相殺をしようと考えていたところ、CがAに対して通知することなくBに500万円を弁済したときには、AはCから500万円の求償を受けても、相殺をすることができる地位にあったことを主張して、300万円の範囲でこれを拒むことができる。
(正答) 〇
(解説)
463条1項前段は、「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。」として、主たる債務者に対する受託保証人の事前通知義務を定めている。
本肢の事例では、受託保証人Cが、「主たる債務者」Aに対して事前の通知をすることなくBに500万円を弁済しているから、「主たる債務者」Aは、Cから500万円の求償を受けても、AのBに対する300万円の金銭債権による相殺という「債権者に対抗することができた事由」をもって対抗することで、300万円の範囲でこれを拒むことができる。
(R4 司法 第19問 ウ)
主たる債務者の委託を受けないで保証がされた場合において、主たる債務者が債務の弁済をしたが、保証人にその事実を通知しなかった。保証人が主たる債務者による弁済の事実を知らないで保証債務の弁済をしたときは、保証人は、その弁済を有効とみなすことができる。
(正答) ✕
(解説)
463条2項は、「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が債務の消滅行為をしたことを保証人に通知することを怠ったため、その保証人が善意で債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。」として、受託保証人に対する主たる債務者の事後通知義務を定めている。同条2項は、無委託保証人に対する主たる債務者の事後通知義務については定めていない。
したがって、主たる債務者が債務の弁済をした後に、無委託保証人にその事実を通知しなかった場合において、無委託保証人が主たる債務者による弁済の事実を知らないで保証債務の弁済をしたときであっても、無委託保証人は、その弁済を有効とみなすことができない。