現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

民法 第466条 - 解答モード

条文
第466条(債権の譲渡性)
① 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
② 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
③ 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。
④ 前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。
過去問・解説

(H19 司法 第21問 ア)
債権の譲渡制限特約の存在を知ってその債権を譲り受けた者は当該債権を取得しないから、その者からの債権譲受人も当該債権を取得し得ない。

(正答)  

(解説)
466条2項は、債権の譲渡自由の原則を重視し、「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」として、譲受人の悪意・重過失の有無にかかわらず、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は有効である旨を定めている(相対的効力説)。
したがって、債権の譲渡制限特約の存在を知ってその債権を譲り受けた者は当該債権を取得するから、その者からの債権譲受人も当該債権を取得し得る。


(H19 司法 第21問 イ)
譲渡質入制限特約のある債権(預貯金債権を除く。)について、質権者がその特約の存在を知っているときは、質権は有効に成立しない。

(正答)  

(解説)
466条2項は、債権の譲渡自由の原則を重視し、「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」として、譲受人の悪意・重過失の有無にかかわらず、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は有効である旨を定めている(相対的効力説)。したがって、譲渡質入制限特約のある債権(預貯金債権を除く。)について、質権者がその特約の存在を知っているときであっても、質権は有効に成立する。
なお、466条の5第1項は、「預貯金債権…について当事者がした譲渡制限の意思表示は、第466条第2項の規定にかかわらず、その譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。」として、譲渡制限特約付き債権が預貯金債権である場合には、悪意・重過失の譲受人との関係では債権譲渡が無効である旨を定めている(物権的効力説)。


(H19 司法 第21問 ウ)
債権の譲渡制限特約の存在を知ってその債権を譲り受けた者だけでなく、同特約の存在を知らないことにつき重大な過失のある譲受人も、譲渡によってその債権を取得し得ない。

(正答)  

(解説)
466条2項は、債権の譲渡自由の原則を重視し、「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」として、譲受人の悪意・重過失の有無にかかわらず、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は有効である旨を定めている(相対的効力説)。
したがって、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は、譲渡人の悪意・重過失の有無にかかわらず、有効である。


(H19 司法 第21問 オ)
AのBに対する債権につき譲渡制限特約が存在することを知って、CがAからその債権を譲り受けた後、Bが承諾をすれば、AC間の債権譲渡は、Bの承諾の時から有効になる。

(正答)  

(解説)
466条2項は、債権の譲渡自由の原則を重視し、「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」として、譲受人の悪意・重過失の有無にかかわらず、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は有効である旨を定めている(相対的効力説)。
したがって、AB間における譲渡制限特約付き債権の譲渡は、当初から有効であり。Bの承諾の時から有効になるのではない。
なお、Bの承諾は、譲渡禁止特約について悪意又は重過失の譲渡人に対する履行拒絶の抗弁(466条3項)を妨げる再抗弁として機能する。


(H20 司法 第30問 エ)
債権の譲渡制限特約がある場合、債権の譲受人が、その特約の存在を知らなかったとしても、これについて重大な過失があるときは、その債権を取得することができない。

(正答)  

(解説)
466条2項は、債権の譲渡自由の原則を重視し、「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」として、譲受人の悪意・重過失の有無にかかわらず、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は有効である旨を定めている(相対的効力説)。
したがって、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は、譲渡人の悪意・重過失の有無にかかわらず、有効である。


(H21 司法 第20問 1)
譲渡制限特約のある債権について債権譲渡がされた場合であっても、債務者が譲渡を承諾すれば、債権譲渡は有効になる。

(正答)  

(解説)
466条2項は、債権の譲渡自由の原則を重視し、「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」として、譲受人の悪意・重過失の有無にかかわらず、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は有効である旨を定めている(相対的効力説)。
したがって、譲渡制限特約付き債権の譲渡は、当初から有効であり。債務者の承諾により有効になるのではない。
なお、債務者の承諾は、譲渡禁止特約について悪意又は重過失の譲渡人に対する履行拒絶の抗弁(466条3項)を妨げる再抗弁として機能する。


(H23 司法 第13問 ウ)
譲渡禁止特約のある債権(預貯金債権を除く。)を質権の目的とする場合には、その特約につき質権者が悪意であっても、質権設定の効力は妨げられない。

(正答)  

(解説)
466条2項は、債権の譲渡自由の原則を重視し、「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」として、譲受人の悪意・重過失の有無にかかわらず、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は有効である旨を定めている(相対的効力説)。
したがって、譲渡質入制限特約のある債権(預貯金債権を除く。)を質権の目的とする場合には、その特約につき質権者が悪意であっても、質権設定の効力は妨げられない。


(H23 司法 第20問 3)
譲渡制限の特約の存在を知りながら債権を譲り受けた者から、更に当該債権を譲り受けた転得者については、この者が譲渡制限の特約の存在を知らない場合でも、債務者は、譲渡制限の特約を対抗することができる。

(正答)  

(解説)
466条は、2項において「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」と規定する(相対的効力説)一方で、3項において「前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。」と規定している(履行拒絶構成)。
したがって、譲渡制限特約付き債権の譲渡は有効であるが、債務者は、悪意の譲渡人に対しては譲渡制限特約を対抗してその債務の履行を拒むことができる。しかし、債務者は、善意・無重過失の転得者に対しては、譲渡制限特約を対抗してその債務の履行を拒むことができない。


(H23 司法 第28問 1)
譲渡制限の意思表示がなされた債権がその意思表示につき悪意の者に譲渡され、当該債権の債務者がそれを承諾した場合には、その債権譲渡は遡って有効となるが、その承諾前に譲渡人の債権者である第三者が当該債権を差し押さえていたときは、その第三者の権利を害することができない。

(正答)  

(解説)
466条2項は、債権の譲渡自由の原則を重視し、「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」として、譲受人の悪意・重過失の有無にかかわらず、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は有効である旨を定めている(相対的効力説)。したがって、譲渡制限特約付き債権の譲渡は、譲受人が悪意であっても、有効である。
債務者の承諾は、債務者の履行拒絶の抗弁(466条3項)を妨げる効果を有するが、承諾前に現れた差押債権者の権利を害することはできない(平成29年改正前民法下における最判平成9.6.5参照)。
判例(最判平成9.6.5)は、譲渡制限特約付き債権の譲渡の効力について絶対的効力説が採用されていた平成29年改正前民法下の事案において、「譲渡禁止の特約のある指名債権について、譲受人が右特約の存在を知り、又は重大な過失により右特約の存在を知らないでこれを譲り受けた場合でも、その後、債務者が右債権の譲渡について承諾を与えたときは、右債権譲渡は譲渡の時にさかのぼって有効となるが、民法116条の法意に照らし、第三者の権利を害することはできないと解するのが相当である…。」と判示している。


(H24 司法 第21問 1)
譲渡制限特約のある債権について、譲受人が特約の存在を知り、又は重大な過失により特約の存在を知らないでこれを譲り受けた場合でも、その後、債務者が債権の譲渡について承諾を与えたときは、債権譲渡は譲渡の時にさかのぼって有効となるが、第三者の権利を害することはできない。

(正答)  

(解説)
466条2項は、債権の譲渡自由の原則を重視し、「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」として、譲受人の悪意・重過失の有無にかかわらず、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は有効である旨を定めている(相対的効力説)。したがって、譲渡制限特約付き債権の譲渡は、当初から有効であり、債務者の承諾により有効になるのではない。
債務者の承諾は、債務者の履行拒絶の抗弁(466条3項)を妨げる効果を有するが、承諾前に現れた第三者の権利を害することはできない(平成29年改正前民法下における最判平成9.6.5参照)。
判例(最判平成9.6.5)は、譲渡制限特約付き債権の譲渡の効力について絶対的効力説が採用されていた平成29年改正前民法下の事案において、「譲渡禁止の特約のある指名債権について、譲受人が右特約の存在を知り、又は重大な過失により右特約の存在を知らないでこれを譲り受けた場合でも、その後、債務者が右債権の譲渡について承諾を与えたときは、右債権譲渡は譲渡の時にさかのぼって有効となるが、民法116条の法意に照らし、第三者の権利を害することはできないと解するのが相当である…。」と判示している。


(H29 共通 第19問 ア)
債権譲渡制限の特約に反して債権を譲渡した債権者は、債務者が譲渡を承諾した場合を除き、同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することができる。

(正答)  

(解説)
466条2項は、「…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない」と規定しており、債権の譲渡自由の原則を重視し、譲渡制限特約付債権の譲渡は譲受人その他の第三者の悪意・重過失の有無にかかわらず有効であることを定めている(相対的効力説)。したがって、債権譲渡特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することはできない。
債権譲渡制限の特約に反して債権を譲渡した債権者は、債務者の承諾の有無にかかわらず、同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することができない。


(R2 予備 第9問 ウ)
譲渡制限の意思表示がされていることを知りながら債権を譲り受けた譲受人は、債務者が譲受人に対して任意に弁済をしようとしても、これを直接受けることができない。

(正答)  

(解説)
466条は、2項において「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」と規定する(相対的効力説)一方で、3項において「前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。」と規定している(履行拒絶構成)。
債務者は、譲渡制限特約付き債権の譲渡がなされた場合において、悪意又は重過失の譲渡人からの履行請求を拒むことができるが、履行を拒絶するか否かは債務者の自由に委ねられているから、譲受人に任意に弁済することも可能であり、その場合は、譲受人は債務者から弁済を直接受けることができる。


(R4 共通 第20問 イ)
AのBに対する売買代金債権甲に譲渡禁止の特約がある場合に、Cが譲渡禁止の特約の存在を知りながら債権甲を譲り受けた場合において、CがBに対して相当の期間を定めてCへの履行の催告をしたが、その期間内に履行がないときは、Bは、Cに対し、譲渡禁止を理由として債務の履行を拒むことができない。

(正答)  

(解説)
466条は、3項において「前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。」と規定する一方で、4項において、「前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。」と規定している。後者の規定は、債務者が履行をしないと譲渡人も譲受人も履行を受けることができないという閉塞状況(デッドロック状態)を解消することを趣旨とする(潮見佳男「民法(債権関係)改正法の概要」149頁)。
同条4項の「履行の催告」は、「譲渡人への履行の催告」を意味するところ、譲受人Cが債務者Bに対して催告したのは、譲受人Cへの履行の催告にすぎないから、「譲渡人への履行の催告」に当たらない。したがって、同条4項は適用されないから、債務者Bは、悪意の譲受人Cに対し、譲渡禁止を理由として債務の履行を拒むことができる(446条3項)。


(R6 司法 第15問 イ)
AはBに対して貸金債権甲を有するとする。
AとBが甲の質入れを禁止する旨を合意していた場合において、悪意のCがAから甲を目的とする質権の設定を受けたときは、質権の設定は、その効力を生じない。

(正答)  

(解説)
466条2項は、債権の譲渡自由の原則を重視し、「当事者が…譲渡制限の意思表示…をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」として、譲受人の悪意・重過失の有無にかかわらず、譲渡禁止特約付き債権の譲渡は有効である旨を定めている(相対的効力説)。
したがって、AとBが甲の質入れを禁止する旨を合意していた場合において、悪意のCがAから甲を目的とする質権の設定を受けたときであっても、質権の設定は、その効力を生じる。

該当する過去問がありません

前の条文 次の条文