現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

民法 第488条 - 解答モード

条文
第488条(同種の給付を目的とする数個の債務がある場合の充当)
① 債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付が全ての債務を消滅させるのに足りないとき(次条第1項に規定する場合を除く。)は、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。 
② 弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは、弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。ただし、弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。 
③ 前2項の場合における弁済の充当の指定は、相手方に対する意思表示によってする。 
④ 弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも第1項又は第2項の規定による指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。 
 一 債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは、弁済期にあるものに先に充当する。
 二 全ての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。
 三 債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。
 四 前2号に掲げる事項が相等しい債務の弁済は、各債務の額に応じて充当する。
過去問・解説

(H18 司法 第22問 2)
AがBに対して100万円の甲借入金債務と200万円の乙借入金債務を負っている場合における弁済充当に関して、AがBに100万円を支払ったが、弁済の充当指定をしなかったから、Bが受領の時にこれを甲債務の弁済に充当する旨をAに告げた場合、Aは、直ちに異議を述べて、乙債務の弁済に充当することを指定することができる。

(正答)  

(解説)
488条2項は、本文において「弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは、弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。」と規定する一方で、但書において「ただし、弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。」と規定している。このように、弁済受領者による指定充当に対して「弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたとき」は、弁済受領者による指定充当は認められず、「弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも第1項又は第2項の規定による指定をしないとき」として、法定充当(488条4項)になる。
したがって、本肢の事例では、Aは、直ちに異議を述べて、乙債務の弁済に充当することを指定することができるのではなく、AがBによる指定充当に対して直ちに異議を述べたことにより、法定充当になる。


(H18 司法 第22問 3)
AがBに対して100万円の甲借入金債務と200万円の乙借入金債務を負っている場合における弁済充当に関して、両債務とも無利息であり、甲債務の弁済期が到来しており、乙債務の弁済期が未到来の場合、Aは、Bに100万円を支払うと同時に、これを乙債務の弁済に充当することを指定することができる。

(正答)  

(解説)
488条1項は、同種の給付を目的とする数個の債務がある場合の充当について、元本、利息及び費用を支払うべき場合の充当を除いては、「弁済として提供した給付が全ての債務を消滅させるのに足りないとき(次条第1項に規定する場合を除く。)は、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。」と規定している。
したがって、Aは、Bに100万円を支払うと同時に、これを乙債務の弁済に充当することを指定することができる。


(H18 司法 第22問 4)
AがBに対して100万円の甲借入金債務と200万円の乙借入金債務を負っている場合における弁済充当に関して、甲債務の弁済期が到来し、乙債務の弁済期が未到来の場合、AがBに150万円を支払ったが、ABともに弁済の充当指定をしなかったときは、甲債務が無利息、乙債務が利息付きであれば、150万円全額が乙債務の弁済に充当される。

(正答)  

(解説)
488条4項は、柱書において「弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも第1項又は第2項の規定による指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。」と規定した上で、1号において「債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは、弁済期にあるものに先に充当する。」と規定している。したがって、150万円については、まずは弁済期が到来している甲債務(100万円)の弁済に充当され、残り50万円が弁済期が未到来の乙債務(200万円)の弁済にされることになる。
なお、同条4項2号は、「全ての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。」と規定しており、これに従えば、先に利息付の乙債務の弁済に充当されることになるが、「全ての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないとき」に当たらないから、同号は適用されない。


(R1 予備 第8問 1)
法定充当において、債務者のした給付が数個の債務の全てを消滅させるのに足りず、かつ、全ての債務が弁済期にあるときは、その給付は、債務者のために弁済の利益が多い債務に先に充当される。

(正答)  

(解説)
488条4項は、柱書において「弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも第1項又は第2項の規定による指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。」と規定した上で、2号において「全ての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。」と規定している。
したがって、法定充当において、債務者のした給付が数個の債務の全てを消滅させるのに足りず、かつ、全ての債務が弁済期にあるときは、その給付は、債務者のために弁済の利益が多い債務に先に充当される。


(R1 予備 第8問 2)
債務者のした給付が元本だけを支払うべき数個の債務の全てを消滅させるに足りない場合に、債務者は給付の時に充当の指定をせず、債権者が給付の受領の時に特定の債務に充当する旨を指定したところ、債務者が直ちに異議を述べたときは、債権者のした指定は効力を有しない。

(正答)  

(解説)
488条2項は、本文において「弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは、弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。」と規定する一方で、但書において「ただし、弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。」と規定している。

該当する過去問がありません

前の条文 次の条文