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民法 第537条 - 解答モード

条文
第537条(第三者のためにする契約)
① 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。
② 前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。
③ 第1項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。 
過去問・解説

(H18 司法 第23問 イ)
Aが宝石をBに売り、その代金をBがCに支払うとの契約を締結し、Cが受益の意思表示をした場合、Aが宝石をBに引き渡したが、Bが代金をCに支払わないときは、CはBに対して代金を自己に支払うよう請求することができるが、AもBに対して代金をCに支払うよう請求することができる。

(正答)  

(解説)
537条1項は、「契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。」と規定している。
本肢の事例では、要約者(債権者)Aが宝石を諾約者(債務者)Bに引き渡したが、諾約者Bが代金を第三者(受益者)Cに支払わないときは、第三者Cは諾約者Bに対して代金を自己に支払うよう請求することができるが、要約者Aも諾約者Bに対して代金を第三者Cに支払うよう請求することができる。


(H21 司法 第25問 1)
契約により、当事者の一方(債務者)が第三者に対してある給付をすることを約束したときは、その第三者は、債務者に対し、直接にその給付を請求する権利を有する。第三者が債務者に対し、その契約の利益を享受する意思を表示したときは、第三者の権利は、前記契約が成立した時にさかのぼって発生する。

(正答)  

(解説)
537条は、1項において「契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。」と規定した上で、3項において「第1項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。」と規定している。
したがって、「第三者」が「債務者に対して直接にその給付を請求する権利」を取得するのは、第三者のためにする契約が締結された時点ではなく(なお、契約締結時点で、第三者のためにする契約は成立している。)、第三者が債務者に対して利益を享受する意思表示した時である。


(H28 司法 第23問 ア)
Aは、Bとの間で、Aの所有する著名な陶芸家の銘が入った絵皿(以下「甲」という。)をBに300万円で売り、代金はBがCに支払うとの合意をした。AB間の売買契約の当時、Cが胎児であり、受益の意思表示をすることができなかったときは、その後Cが出生したとしてもAB間の売買契約は無効である。

(正答)  

(解説)
537条2項は、第三者のためにする契約について、「前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。」と規定している。
したがって、AB間における第三者のためにする売買契約の当時、「第三者」Cが胎児であり、受益の意思表示をすることができなかったときであっても、AB間の売買契約は有効である。


(R2 司法 第23問 エ)
AB間においてAの所有する中古の時計甲の売買契約が締結された。売買契約において契約の締結時には出生していなかったFに甲の所有権を取得させることが定められた場合、売買契約は無効である。

(正答)  

(解説)
537条2項は、第三者のためにする契約について、「前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。」と規定している。
したがって、第三者のためにする売買契約において契約の締結時には出生していなかった「第三者」Fに甲の所有権を取得させることが定められた場合であっても、売買契約は有効である。


(R4 予備 第10問 ア)
AとBは、AがBに絵画甲を代金50万円で売り、Bがその代金全額をCに支払う旨の契約を締結した。Cは、Bに対して受益の意思を表示した後は、Bに対して直接に50万円の支払を請求する権利を有する。

(正答)  

(解説)
537条は、1項において「契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。」と規定した上で、3項において「第1項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。」と規定している。
したがって、「第三者」が「債務者に対して直接にその給付を請求する権利」を取得するのは、第三者のためにする契約が締結された時点ではなく(なお、契約締結時点で、第三者のためにする契約は成立している。)、第三者が債務者に対して利益を享受する意思表示した時である。


(R4 予備 第10問 イ)
AとBは、AがBに絵画甲を代金50万円で売り、Bがその代金全額をCに支払う旨の契約を締結した。AB間の契約は、その締結時においてCが胎児であったときには、無効である。

(正答)  

(解説)
537条2項は、第三者のためにする契約について、「前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。」と規定している。
したがって、AB間における第三者のためにする契約は、その締結時において「第三者」Cが胎児であったときも、有効である。


(R5 司法 第1問 ア)
AがBの母Cとの間で締結した、Aの所有する甲土地をBに無償で与える旨の第三者のためにする契約は、その成立の時にBが胎児であったとしても、そのためにその効力を妨げられない。

(正答)  

(解説)
537条2項は、第三者のためにする契約について、「前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。」と規定している。
したがって、AC間における第三者のためにする契約は、その成立の時に「第三者」Bが胎児であったとしても、有効である。

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