(H25 司法 第9問 3)
詐害行為取消権に基づき不動産の贈与契約を取り消す旨の判決が確定したときは、贈与契約による所有権移転の効果は、取消債権者と受益者である受贈者の間でのみ消滅する。
(正答) ✕
(解説)
改正前民法下における詐害行為取消しの効果は、債権者と被告とされた受益者又は転得者との間で相対的に生じるにとどまり、債務者には及ばないと解されていた(相対効説)。しかし、平成29年改正民法下では、「詐害行為取消請求を認容する確定判決は、債務者及びその全ての債権者に対してもその効力を有する。」(425条)として、絶対効説が採用されている。なお、受益者を被告とする場合、受益者に対しては、「当事者」(民事訴訟法115条1項1号)として取消判決の効力が及ぶ。
したがって、詐害行為取消権に基づき不動産の贈与契約を取り消す旨の判決が確定したときは、贈与契約による所有権移転の効果は、取消債権者と受益者である受贈者の間(民事訴訟法115条1項1号)だけでなく、取消債権者と債務者の間(民法425条)においても消滅する。