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民法 第697条

条文
第697条(事務管理)
① 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。
② 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。
過去問・解説
(H18 司法 第2問 5)
親が、法律上定められた親の権限に基づいて、法定代理人として子の事務を行う場合にも、事務管理は成立する。

(正答)

(解説)
親が、法律上定められた親の権限に基づいて、法定代理人として子の事務を行うことは、権利の行使であるともに義務でもある(820条以下)。したがって、「義務なく」という要件を欠くから、事務管理は成立しない。

(H30 司法 第28問 オ)
Aが長期出張で不在中に、Aの居宅の生け垣の一部が強風により倒壊した。BはAの居宅の隣地に居宅を有する。Bが、義務なくAの居宅の防犯をするためだけでなくBの居宅の防犯も目的として自ら生け垣を修理した場合には、Bは、Aに対し、その修理に要した費用の支払を請求することはできない。

(正答)

(解説)
事務管理の要件である「他人のために」とは、他人のためにする意思を意味するところ、本人のためにする意思が併存しても構わないと解されている。本肢の事例では、Bは、Aの居宅の防犯をする意思を有する一方で、Bの居宅の防犯という意思も有しているが、これをもって「他人のために」という要件は否定されない。したがって、Bには事務管理(697条)が成立し、Bは、Aに対し、その修理に要した費用の支払を請求することはできる(702条1項)。

(R6 司法 第30問 ア)
管理者が他人の事務の管理を始めた時にそれが本人の意思に反することが明らかであったときは、事務管理は、成立しない。

(正答)

(解説)
本人の自己決定権・財産管理の自由の尊重、及び700条が管理継続につき本人の意思・利益に反することが明白でないことを要求していることとの均衡から、管理者が他人の事務の管理を始めた時にそれが本人の意思に反することが明らかであったときは、事務管理は成立しないと解されている。

(R6 司法 第30問 イ)
管理者は、本人の意思を推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。

(正答)

(解説)
697条2項は、「管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。」と規定している。
総合メモ
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