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殺人の罪(殺人罪と他の犯罪との区別)
幼児の殺害嘱託と殺人罪 大判昭和9年8月27日
過去問・解説
(H27 司法 第6問 4)
甲は、妻と話し合って一家心中することとし、妻と5歳になる息子Vからそれぞれ一家心中することの承諾を得た上、妻とVを殺すため、同人らの腹部を包丁で刺した。妻とVは、甲から腹部を包丁で刺されたことにより失血死した。甲には殺人罪が成立する。
甲は、妻と話し合って一家心中することとし、妻と5歳になる息子Vからそれぞれ一家心中することの承諾を得た上、妻とVを殺すため、同人らの腹部を包丁で刺した。妻とVは、甲から腹部を包丁で刺されたことにより失血死した。甲には殺人罪が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(大判昭9.8.27)は、「自殺ノ何タルカヲ理解スルノ能力ナキ幼児ハ自己ヲ殺害スルコトヲ嘱託シ又ハ殺害ヲ承諾スルノ能力ナキモノトス」として、自殺の意味を理解することができない幼児がした嘱託・承諾は無効であることを示している。
甲は、5歳になる幼児の息子Vから、有効に殺害の承諾を受けることができない。
したがって、甲には、Vに対する殺人罪が成立する。
判例(大判昭9.8.27)は、「自殺ノ何タルカヲ理解スルノ能力ナキ幼児ハ自己ヲ殺害スルコトヲ嘱託シ又ハ殺害ヲ承諾スルノ能力ナキモノトス」として、自殺の意味を理解することができない幼児がした嘱託・承諾は無効であることを示している。
甲は、5歳になる幼児の息子Vから、有効に殺害の承諾を受けることができない。
したがって、甲には、Vに対する殺人罪が成立する。
(R6 司法 第4問 ウ)
甲は、4歳の実子Aから甲に殺害されることの承諾を得て、殺意をもってAを包丁で刺殺した。この場合、Aが殺害されることを承諾しているから、甲に殺人罪が成立することはない。
甲は、4歳の実子Aから甲に殺害されることの承諾を得て、殺意をもってAを包丁で刺殺した。この場合、Aが殺害されることを承諾しているから、甲に殺人罪が成立することはない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判昭9.8.27)は、「自殺ノ何タルカヲ理解スルノ能力ナキ幼児ハ自己ヲ殺害スルコトヲ嘱託シ又ハ殺害ヲ承諾スルノ能力ナキモノトス」として、自殺の意味を理解することができない幼児がした嘱託・承諾は無効であることを示している。
甲は、4歳の幼児の実子Aから、有効に殺害の承諾を受けることができない。
したがって、甲にはAに対する殺人罪が成立する。
判例(大判昭9.8.27)は、「自殺ノ何タルカヲ理解スルノ能力ナキ幼児ハ自己ヲ殺害スルコトヲ嘱託シ又ハ殺害ヲ承諾スルノ能力ナキモノトス」として、自殺の意味を理解することができない幼児がした嘱託・承諾は無効であることを示している。
甲は、4歳の幼児の実子Aから、有効に殺害の承諾を受けることができない。
したがって、甲にはAに対する殺人罪が成立する。
総合メモ
意思能力のない被害者と殺人罪 最一小決昭和27年2月21日
過去問・解説
(H25 共通 第17問 2)
甲は、通常の判断能力がないVの殺害を計画し、Vに対し、首をつっても仮死状態になるだけであり、必ず生き返るとだまして、Vに首をつらせて窒息死させた。甲には自殺関与罪が成立する。
甲は、通常の判断能力がないVの殺害を計画し、Vに対し、首をつっても仮死状態になるだけであり、必ず生き返るとだまして、Vに首をつらせて窒息死させた。甲には自殺関与罪が成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(最決昭27.2.21)は、「被害者が通常の意思能力もなく、自殺の何たるかを理解せず、しかも被告人の命ずることは何でも服従するのを利用して、その被害者に縊首の方法を教えて縊首せしめ死亡するに至らしめた所為は、殺人罪にあたる。」としている。
通常の判断能力がないVは、首をつっても仮死状態になるだけであり、必ず生き返ると誤信している。
したがって、甲には殺人罪が成立するのであり、自殺関与罪は成立しない。
判例(最決昭27.2.21)は、「被害者が通常の意思能力もなく、自殺の何たるかを理解せず、しかも被告人の命ずることは何でも服従するのを利用して、その被害者に縊首の方法を教えて縊首せしめ死亡するに至らしめた所為は、殺人罪にあたる。」としている。
通常の判断能力がないVは、首をつっても仮死状態になるだけであり、必ず生き返ると誤信している。
したがって、甲には殺人罪が成立するのであり、自殺関与罪は成立しない。
(H27 司法 第6問 1)
甲は、Vには自殺がどのようなものかを理解する能力がなく、しかもVが甲の命ずることには何でも服従するのを利用してVを死亡させようと考え、Vに対して、首を吊る方法を教えた上、これを実行するよう命じた。Vは、甲から命じられたとおりに、教えられた方法で自ら首を吊って窒息死した。甲には殺人罪が成立する。
甲は、Vには自殺がどのようなものかを理解する能力がなく、しかもVが甲の命ずることには何でも服従するのを利用してVを死亡させようと考え、Vに対して、首を吊る方法を教えた上、これを実行するよう命じた。Vは、甲から命じられたとおりに、教えられた方法で自ら首を吊って窒息死した。甲には殺人罪が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(最決昭27.2.21)は、「被害者が通常の意思能力もなく、自殺の何たるかを理解せず、しかも被告人の命ずることは何でも服従するのを利用して、その被害者に縊首の方法を教えて縊首せしめ死亡するに至らしめた所為は、殺人罪にあたる。」としている。
Vには自殺がどのようなものかを理解する能力がなく、しかもVが甲の命ずることには何でも服従する状態にあった。
したがって、甲には殺人罪が成立する。
判例(最決昭27.2.21)は、「被害者が通常の意思能力もなく、自殺の何たるかを理解せず、しかも被告人の命ずることは何でも服従するのを利用して、その被害者に縊首の方法を教えて縊首せしめ死亡するに至らしめた所為は、殺人罪にあたる。」としている。
Vには自殺がどのようなものかを理解する能力がなく、しかもVが甲の命ずることには何でも服従する状態にあった。
したがって、甲には殺人罪が成立する。
総合メモ
被害者の意思の瑕疵と刑法202条の嘱託・承諾 最二小判昭和33年11月21日
概要
被害者の意思が自由な真意に基かない場合は刑法第202条にいう被殺者の嘱託または承諾としては認められない。また、自己に追死の意思がないのに被害者を殺害させるため、これを欺罔し追死を誤信させて自殺させた行為は、通常の殺人罪に該当する。
判例
事案:被害者を自殺に追い込むため、自ら自殺つもりもないのに一緒に死ぬと持ち掛け、被害者を自殺させたという事案において、殺人罪の成否が問題となった。
判旨:「被害者の意思に重大な瑕疵がある場合においては、それが被害者の能力に関するものであると、はたまた犯人の欺罔による錯誤に基くものであるとを問わず、要するに被害者の自由な真意に基かない場合は刑法202条にいう被殺者の嘱託承諾としては認め得られない…。
被害者は被告人の欺罔の結果被告人の追死を予期して死を決意したものであり、その決意は真意に添わない重大な瑕疵ある意思であることが明らかである。そしてこのように被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告人の所為は通常の殺人罪に該当する…。」
判旨:「被害者の意思に重大な瑕疵がある場合においては、それが被害者の能力に関するものであると、はたまた犯人の欺罔による錯誤に基くものであるとを問わず、要するに被害者の自由な真意に基かない場合は刑法202条にいう被殺者の嘱託承諾としては認め得られない…。
被害者は被告人の欺罔の結果被告人の追死を予期して死を決意したものであり、その決意は真意に添わない重大な瑕疵ある意思であることが明らかである。そしてこのように被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告人の所為は通常の殺人罪に該当する…。」
過去問・解説
(H21 司法 第4問 5)
甲は、乙に対し、同人が自殺すれば甲もその直後に後を追って自殺する旨うそをつき、乙は、その旨誤信して自殺することを決意し、甲から受け取った毒薬を服用して死亡した。この場合、乙に真実自殺する意思がある以上、甲には自殺教唆罪が成立するにとどまり、殺人罪の正犯とならない。
甲は、乙に対し、同人が自殺すれば甲もその直後に後を追って自殺する旨うそをつき、乙は、その旨誤信して自殺することを決意し、甲から受け取った毒薬を服用して死亡した。この場合、乙に真実自殺する意思がある以上、甲には自殺教唆罪が成立するにとどまり、殺人罪の正犯とならない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭33.11.21)は、「被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告人の所為は通常の殺人罪に該当する…。」としている。
甲は乙に対し、後を追って自殺する旨うそをつき、乙はその旨誤信して自殺しているから、甲には通常の殺人罪が成立する。
判例(最判昭33.11.21)は、「被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告人の所為は通常の殺人罪に該当する…。」としている。
甲は乙に対し、後を追って自殺する旨うそをつき、乙はその旨誤信して自殺しているから、甲には通常の殺人罪が成立する。
(R2 共通 第1問 2)
甲は、追死する意思がないのにあるように装い、その旨誤信したXに心中を決意させた上で、毒物を渡し、それを飲み込ませて死亡させた。この場合、甲に、Xに対する殺人罪は成立しない。
甲は、追死する意思がないのにあるように装い、その旨誤信したXに心中を決意させた上で、毒物を渡し、それを飲み込ませて死亡させた。この場合、甲に、Xに対する殺人罪は成立しない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭33.11.21)は、「被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告人の所為は通常の殺人罪に該当する…。」としている。
甲は、追死する意思がないのにあるように装い、その旨誤信したXに心中を決意させた上で、毒物を渡し、それを飲み込ませて死亡させているから、甲に通常の殺人罪が成立する。
判例(最判昭33.11.21)は、「被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告人の所為は通常の殺人罪に該当する…。」としている。
甲は、追死する意思がないのにあるように装い、その旨誤信したXに心中を決意させた上で、毒物を渡し、それを飲み込ませて死亡させているから、甲に通常の殺人罪が成立する。