現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
実行行為
未成年者略取罪の成否 大判明治43年9月30日
概要
判例
要旨:未成年者ノ畧取罪(刑法第二百二十四条)ハ暴行又ハ脅迫ヲ加ヘテ不法ニ幼者ヲ自己ノ実力内ニ移シ一方ニ於テ監督者ノ監督権ヲ侵害スルト同時ニ他方ニ於テハ幼者ノ自由ヲ拘束スル所為ナリトス(※原文を確認できないため、要旨のみを掲載)
過去問・解説
(H30 共通 第2問 イ)
甲は、別居中の元妻Aが単独で親権を有する生後数日のBを連れ去ろうと考え、A方を訪問した上、Aがトイレに行っている隙に、ベビーベッドで寝ていたBを連れ去った。この場合、Bには移動の自由が全くないから、甲には未成年者略取罪は成立し得ない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判明43.9.30)は、本肢と同種の事案において、監督者の監護権も未成年者略取罪の保護法益に含まれることを示している。
したがって、生後数日のBに移動の自由の侵害がなくても、親権者Aの監督権を侵害しているから、甲に未成年者略取罪が成立し得る。
生命身体加害目的略取罪と未成年者略取罪 大判明治44年12月8日
概要
判例
判旨:「苟モ刑法第225条所定ノ目的ヲ以テ人ヲ誘拐シタル以上ハ縦令其被誘拐者カ未成年者ナル場合ト雖モ単一ナル同条ノ犯罪ヲ構成スルニ止マリ別ニ同法第224条ヲ適用スヘキモノニ非ス」
過去問・解説
(R4 共通 第20問 イ)
乙が、16歳のAに暴行を加える目的で、AとBを間違え、20歳のBを無理やり自己の車のトランクに押し込み廃工場に連行した行為は、Bを16歳の未成年者と誤信していたため、生命身体加害目的略取罪ではなく未成年者略取罪が成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(大判明44.12.8)は、「225条所定ノ目的ヲ以テ人ヲ誘拐シタル以上ハ縦令其被誘拐者カ未成年者ナル場合ト雖モ単一ナル同条ノ犯罪ヲ構成スルニ止マリ別ニ同法第224条ヲ適用スヘキモノニ非ス」として、225条列記の目的で人を略取した場合で、被略取者が未成年者であったときは、生命身体加害目的略取罪のみが成立することを示してしている。
乙は、暴行を加える目的を有し、無理やり自己の車のトランクに押し込んでいるから、当該行為は生命身体加害目的の略取に当たる。
AとBを間違えていることに加え、Bを未成年者と誤信しているものの、そもそも生命身体加害目的略取罪のみが成立する以上は故意を認めることができる。
したがって、乙には生命身体加害目的略取罪が成立する。
未成年者誘拐罪の手段である欺罔行為の対象 大判大正13年6月19日
概要
判例
判旨:「未成年者ノ監督者ヲ欺キ未成年者ノ利害ニ関スル判断ヲ誤ラシメテ之ヲ自己ノ支配内ニ移スコトヲ承諾セシメ因テ監督関係ヲ離脱セシメ自己ノ支配内ニ移シタルトキハ誘拐罪成立ス」
過去問・解説
(H22 司法 第13問 1)
略取誘拐罪において、略取誘拐の手段としての暴行脅迫や欺罔誘惑は、被拐取者に対してなされる必要がある。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大13.6.19)は、監督者に対する欺罔によって未成年者を誘拐した事案において、「未成年者ノ監督者ヲ欺キ未成年者ノ利害ニ関スル判断ヲ誤ラシメテ之ヲ自己ノ支配内ニ移スコトヲ承諾セシメ因テ監督関係ヲ離脱セシメ自己ノ支配内ニ移シタルトキハ誘拐罪成立ス」として、監督者を欺いて未成年者を連れ去った場合にも未成年者誘拐罪が成立することを示している。
したがって、略取誘拐の手段としての暴行脅迫や欺罔誘惑は、被拐取者に対してなされる必要はなく、監護者に対してなされる場合も含まれる。
(R4 共通 第10問 2)
未成年者誘拐罪の手段である欺罔は、被誘拐者に対して用いられる必要があり、監護者に対して用いられる場合を含まない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大13.6.19)は、監督者に対する欺罔によって未成年者を誘拐した事案において、「未成年者ノ監督者ヲ欺キ未成年者ノ利害ニ関スル判断ヲ誤ラシメテ之ヲ自己ノ支配内ニ移スコトヲ承諾セシメ因テ監督関係ヲ離脱セシメ自己ノ支配内ニ移シタルトキハ誘拐罪成立ス」として、監督者を欺いて未成年者を連れ去った場合にも未成年者誘拐罪が成立することを示している。
したがって、監護者に対する欺罔であっても未成年者誘拐罪が成立する。
(R8 司法 第14問 イ)
未成年者の監護者を欺いて未成年者の利害に関する判断を誤らせて自己の支配内に移すことを監護者に承諾させた上で、未成年者を自己の支配下に移した場合、未成年者誘拐罪の「誘拐」には当たらない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大13.6.19)は、監督者に対する欺罔によって未成年者を誘拐した事案において、「未成年者ノ監督者ヲ欺キ未成年者ノ利害ニ関スル判断ヲ誤ラシメテ之ヲ自己ノ支配内ニ移スコトヲ承諾セシメ因テ監督関係ヲ離脱セシメ自己ノ支配内ニ移シタルトキハ誘拐罪成立ス」として、監督者を欺いて未成年者を連れ去った場合にも未成年者誘拐罪が成立することを示している。
したがって、未成年者の監護者を欺いて未成年者の利害に関する判断を誤らせて自己の支配内に移すことを監護者に承諾させた上で、未成年者を自己の支配下に移した場合であっても、未成年者誘拐罪の「誘拐」に当たる。