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恐喝の罪 - 解答モード

恐喝罪の既遂時期 最二小判昭和24年1月11日

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概要
恐喝罪の本質は、被恐喝者の畏怖に因る瑕疵ある同意を利用する財物の領得行為であると解すべきであるから、その領得行為の形式が被恐喝者において自ら財物を提供した場合は勿論、被恐喝者が畏怖して默認し居るに乗じ恐喝者において財物を奪取した場合においてもまた本罪の成立を妨げるものではない。
判例
事案:恐喝により畏怖した被害者が財物を取り上げられるのを黙認した事案において、恐喝罪の交付行為が認められるかが問題となった。

判旨:「恐喝取財罪の本質は、被恐喝者の畏怖に因る瑕疵ある同意を利用する財物の領得行為であると解すべきであるから、その領得行為の形式が、被恐喝者において自から財物を提供した場合は勿論、被恐喝者が畏怖して黙認し居るに乗じ恐喝者において財物を奪取した場合においても、亦本罪の成立を妨ぐるものではないと謂わねばならぬ。それ故本罪の正条たる刑法第249条第1項の『交付せしめ』との語義は以上の各場合を包含する趣旨と解する…。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H24 共通 第6問 エ)
甲は、通行中の乙から現金を喝取することを企て、乙に対し、反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫を加えたところ、乙は、甲の脅迫により畏怖し、甲が乙の上着の内ポケットに手を入れて財布を抜き取ることを黙認した。この場合、甲には、恐喝未遂罪が成立するにとどまる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭24.1.11)は、「恐喝取財罪の本質は、被恐喝者の畏怖に因る瑕疵ある同意を利用する財物の領得行為であると解すべきであるから、その領得行為の形式が、被恐喝者において自から財物を提供した場合は勿論、被恐喝者が畏怖して黙認し居るに乗じ恐喝者において財物を奪取した場合においても、亦本罪の成立を妨ぐるものではない…。」としている。
したがって、甲が乙を脅迫により畏怖させ、乙の上着ポケットから財布を抜き取ることを乙が黙認していたことをもって、乙による交付行為が認められ、甲に恐喝既遂罪が成立する。


全体の正答率 : 83.3%

(H29 共通 第17問 ウ)
甲の罪責について、判例の立場に従って検討し、恐喝罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
甲は、通行中の乙に因縁を付けて乙から現金を脅し取ろうと考え、乙に対し、「俺をにらんできただろ。金を払えば許してやる。金を出せ。」などと大声で怒鳴り付けて反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫を加え、同脅迫により畏怖した乙は、甲に現金を直接手渡さなかったものの、甲が乙のズボンのポケットから乙が所有する現金在中の財布を抜き取って持ち去るのを黙認した。

(正答)1

(解説)
判例(最判昭24.1.11)は、「恐喝取財罪の本質は、被恐喝者の畏怖に因る瑕疵ある同意を利用する財物の領得行為であると解すべきであるから、その領得行為の形式が、被恐喝者において自から財物を提供した場合は勿論、被恐喝者が畏怖して黙認し居るに乗じ恐喝者において財物を奪取した場合においても、亦本罪の成立を妨ぐるものではない…。」としている。
甲は乙を脅迫により畏怖させたうえで乙のズボンから財布を抜き取り、乙はこれを黙認していたといえるから、恐喝既遂罪が成立する。


全体の正答率 : 66.6%

(R7 司法 第10問 ア)
甲は、Aから現金を喝取しようと考え、Aに対し、「金を出さなかったら殴るぞ。」と申し向けて現金の交付を要求し、これによりAを畏怖させ、Aの上着ポケット内の財布を甲が抜き取ることをAに黙認させた。この場合、Aによる交付行為がないから、甲に恐喝未遂罪が成立するにとどまる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭24.1.11)は、「恐喝取財罪の本質は、被恐喝者の畏怖に因る瑕疵ある同意を利用する財物の領得行為であると解すべきであるから、その領得行為の形式が、被恐喝者において自から財物を提供した場合は勿論、被恐喝者が畏怖して黙認し居るに乗じ恐喝者において財物を奪取した場合においても、亦本罪の成立を妨ぐるものではない…。」としている。
したがって、甲が、Aに対し、「金を出さなかったら殴るぞ。」と申し向けて現金の交付を要求し、これによりAを畏怖させ、Aの上着ポケット内の財布を甲が抜き取ることをAに黙認させたことをもって、Aによる交付行為が認められ、甲に恐喝既遂罪が成立する。

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権利行使と恐喝 最二判昭和30年10月14日

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概要
債権取立てのためにとった手段が、権利行使の手段として社会通念上一般に認容すべきものと認められる程度を逸脱した手段である場合には、債権額のいかんにかかわらず、債務者から交付を受けた金額について恐喝罪が成立する。
判例
事案:Vに対して金銭債権を有するAが、Vを恐喝して、当該債権額を超える額の金銭を交付させた事案において、権利行使として正当な債権の範囲についても恐喝罪が成立するかが問題となった。

判旨:「他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を超えない限り、何等違法の問題を生じないけれども、右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪の成立することがあるものと解するを相当とする(昭和26年(れ)2482号同27年5月20日第三小法廷判決参照)。」
過去問・解説
全体の正答率 : 66.6%

(R7 司法 第10問 オ)
甲は、Aに対する貸金5万円を取り立てるとともに、Aから現金を喝取しようと考え、Aに対し、自己の要求に応じなければAの身体に危害を加える態度を示して同貸金分を含む現金20万円の交付を要求し、これによりAを畏怖させ、Aから現金20万円の交付を受けた。この場合、甲が交付を受けた現金20万円のうち5万円は正当な債権の行使によるものであるから、同貸金額を超える15万円について甲に恐喝罪が成立するにとどまる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭30.10.14)は、権利行使と恐喝における被害額について、「原判決が…金6万円を交付せしめた被告人等の行為に対し、被告人…の…債権額のいかんにかかわらず、右金6万円の金額について恐喝罪の成立をみとめたのは正当…。」として、交付を受けた額が被害額となることを示している。
したがって、甲には、Aから交付を受けた20万円について恐喝罪が成立する。

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