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刑法 36条における侵害の急迫性 最一小決昭和52年7月21日 - 解答モード

概要
36条における侵害の急迫性は、当然又はほとんど確実に侵害が予期されただけで失われるものではないが、その機会を利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは失われることになる。
判例
事案:相手の攻撃を当然に予想しながら、単なる防衛の意図ではなく、積極的攻撃、闘争、加害の意図をもって臨んだという事案において、36条の「急迫性」が認められるかが問題となった。

判旨:「刑法36条が正当防衛について侵害の急迫性を要件としているのは、予期された侵害を避けるべき義務を課する趣旨ではないから、当然又はほとんど確実に侵害が予期されたとしても、そのことからただちに侵害の急迫性が失われるわけではないと解するのが相当である。しかし、同条が侵害の急迫性を要件としている趣旨から考えて、単に予期された侵害を避けなかったというにとどまらず、その機会を利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは、もはや侵害の急迫性の要件を充たさないものと解するのが相当である。そうして、原判決によると、被告人は、相手の攻撃を当然に予想しながら、単なる防衛の意図ではなく、積極的攻撃、闘争、加害の意図をもって臨んだというのであるから、これを前提とする限り、侵害の急迫性の要件を充たさないものというべきであって、その旨の原判断は、結論において正当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H20 司法 第3問 イ)
正当防衛は、急迫の侵害に対して成立するから、反撃行為を行った者が侵害を予期していた場合には正当防衛は成立し得ない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭52.7.21)は、「侵害の急迫性を要件としている趣旨から考えて、単に予期された侵害を避けなかったというにとどまらず、その機会を利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは、もはや侵害の急迫性の要件を充たさないものと解するのが相当である。」としており、単に侵害を予期していた程度では急迫性が失われることにはならないといえる。
したがって、反撃行為を行った者が侵害を予期していた場合にも、正当防衛は成立し得る。


全体の正答率 : 100%

(H22 司法 第4問 2)
相手方による侵害を予期していた者が、それを避けずにその侵害に臨み、予期された侵害に対し反撃した場合、正当防衛が成立する余地はない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭52.7.21)は、「侵害の急迫性を要件としている趣旨から考えて、単に予期された侵害を避けなかったというにとどまらず、その機会を利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは、もはや侵害の急迫性の要件を充たさないものと解するのが相当である。」としており、単に侵害を予期していた程度では急迫性が失われることにはならないといえる。
したがって、相手方による侵害を予期していた者が、それを避けずにその侵害に臨み、予期された侵害に対し反撃した場合にも、正当防衛の成立が認められることがある。


全体の正答率 : 100%

(H25 共通 第13問 1)
正当防衛について侵害の急迫性を要件としているのは、予期された侵害を避けるべき義務を課する趣旨ではないが、単に予期された侵害を避けなかったというにとどまらず、その機会を利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは、侵害の急迫性の要件を欠く結果、そのような侵害に対する反撃行為に正当防衛が認められることはない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭52.7.21)は、「侵害の急迫性を要件としている趣旨から考えて、単に予期された侵害を避けなかったというにとどまらず、その機会を利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは、もはや侵害の急迫性の要件を充たさないものと解するのが相当である。」としている。


全体の正答率 : 100%

(R1 共通 第15問 1)
当然又はほとんど確実に侵害が予期された場合において、単に予期された侵害を避けなかったにとどまらず、その機会を利用して積極的に相手方に対し加害行為をする意思で暴行に及んだときは、その暴行行為については、正当防衛が成立する余地はない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭52.7.21)は、「侵害の急迫性を要件としている趣旨から考えて、単に予期された侵害を避けなかったというにとどまらず、その機会を利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは、もはや侵害の急迫性の要件を充たさないものと解するのが相当である。」としている。
したがって、当該暴行行為について、正当防衛が成立する余地はない。

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