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刑法 強盗罪の結果的加重の共同正犯の成否 最三小判昭和26年3月27日 - 解答モード

概要
強盗共犯の1人が強盗に着手した後逃走し追跡されているうち、巡査に発見され追い付かれて逮捕されようとした際逮捕を免れるため同巡査に切りつけ死に至らしめたときは、その強盗殺人の行為につき他の共犯も責任を負うべきである。
判例
事案:強盗の共犯のうちの1人が強盗の機会において逮捕を免れるために逮捕しようとした者を死亡させた事案において、他の者も責任を負うかが問題となった。

判旨:「相被告人乙は被告人甲と共謀の上原判示の如く強盗に着手した後、家人に騒がれて逃走し、なお泥棒、泥棒と連呼追跡されて逃走中、警視庁巡査に発見され追付かれて将に逮捕されようとした際、逮捕を免れるため同巡査に数回切りつけ遂に死に至らしめたものである。されば右乙の傷害致死行為は強盗の機会において為されたものといわなければならないのであって、強盗について共謀した共犯者等はその1人が強盗の機会において為した行為については他の共犯者も責任を負うベきものであること当裁判所の判例とする処である…。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H20 司法 第5問 オ)
【事例】甲と乙が、丙に対して同時に1発ずつけん銃を発射し、そのうち1発は丙の頭部をかすめたものの命中せず、もう1発が丙の頭部に命中し、それにより丙は死亡した。丙の頭部に命中した銃弾が甲乙いずれのけん銃から発射されたものであるかは判明しなかった。
【記述】甲と乙が、共同して丙に傷害を負わせる意思をもってけん銃を発射した場合、甲及び乙には傷害致死罪の共同正犯が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭26.3.27)は、「強盗について共謀した共犯者等はその1人が強盗の機会において為した行為については他の共犯者も責任を負うベきものである…。」として、基本となる犯罪について共同正犯が成立するならば、結果的加重犯における加重部分にも共同正犯が成立し、罪責を負うことを示している。
甲と乙は、共同して丙に傷害を負わせる意思をもってけん銃を発射しているが、加重結果である丙死亡の結果についても、共同正犯が成立する。
したがって、甲及び乙には傷害致死罪の共同正犯が成立する。


全体の正答率 : 100%

(H24 共通 第15問 1)
【事例】
 甲と乙は、V経営の食料品店で買った弁当を食べたら食中毒になった旨の嘘を言って因縁を付けてVを脅迫するとともに、同人に軽度の暴行を加え、これらの暴行・脅迫により同人を畏怖させて、損害賠償金の名目で50万円を支払わせ、これを分配することを計画した。乙は、計画に従い、同店に行き、Vに対し、「この店の弁当を食べたら食中毒になった。店の営業を続けたければ50万円払え。払わないと、この店の弁当で食中毒になったと書いたビラをばらまくぞ。」と語気鋭く申し向けた上、Vの額を手の平成で軽くたたいた。Vは、これをよけようとした際、バランスを崩して転倒し、全治約1週間を要する後頭部打撲の怪我を負った。
 Vは、乙が食中毒になったことは嘘であると気付いたが、乙の要求に応じないと、更に暴力を振るわれたり、店を中傷するビラをまかれるかもしれないと畏怖し、手持ちの現金30万円を乙に渡し、残りの20万円は翌日支払うことで乙を納得させた。
 乙は、同店を出て、甲と会い、前記経緯を説明した上、Vから受け取った30万円のうち15万円を分け前として甲に渡した。
 乙は、翌日、同店を訪れてVから残りの20万円を受け取ろうとしたが、通報を受けた警察官が同店近くにいたので、20万円の受取は断念した。
 乙は、甲に事前に相談することなく、腹いせに、「V経営の食料品店で買った弁当を食べた客が食中毒になった。」という虚偽の事実が書かれたビラを多数の者に配った。
 なお、甲は、乙がVに怪我を負わせることや前記ビラを配ることを予想していなかった。
【記述】
Vに怪我を負わせたことについて、甲には、傷害罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭26.3.27)は、「強盗について共謀した共犯者等はその1人が強盗の機会において為した行為については他の共犯者も責任を負うベきものである…。」として、基本となる犯罪について共同正犯が成立するならば、結果的加重犯における加重部分にも共同正犯が成立し、罪責を負うことを示している。
甲は、乙がVに怪我を負わせることを予想していなかったものの、同人に軽度の暴行を加えることを共謀していたから、Vの怪我という傷害結果についても責任を負う。
したがって、Vに怪我を負わせたことについて、甲には、傷害罪の共同正犯が成立する。


全体の正答率 : 100%

(H28 司法 第19問 4)
甲と乙は、A方に強盗に入ることを計画し、それぞれ包丁を持ってA方に侵入し、Aを包丁で脅した上、室内を物色していたところ、家人B、Cに犯行を目撃され、甲はBに捕まったが、乙は逮捕を免れるためCの腕を包丁で切り付けて傷害を負わせた。甲には、住居侵入罪のほか強盗致傷罪の共同正犯が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭26.3.27)は、「強盗について共謀した共犯者等はその1人が強盗の機会において為した行為については他の共犯者も責任を負うベきものである…。」として、基本となる犯罪について共同正犯が成立するならば、結果的加重犯における加重部分にも共同正犯が成立し、罪責を負うことを示している。
甲と乙は、住居侵入と強盗の共謀をなし、甲はBに捕まったが、乙が逮捕を免れるためCの腕を包丁で切り付けて傷害を負わせているところ、甲にも基本犯たる強盗の共謀が成立している以上、その加重結果であるCの傷害結果についても責任を負う。
したがって、甲には、住居侵入罪のほか、強盗致傷罪の共同正犯が成立する。


全体の正答率 : 100%

(R2 共通 第5問 イ)
甲及び乙がAに対する強盗を共謀したが、その強盗の機会に、甲が過失によってAに傷害を負わせた場合、甲及び乙に強盗致傷罪の共同正犯が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭26.3.27)は、「強盗について共謀した共犯者等はその1人が強盗の機会において為した行為については他の共犯者も責任を負うベきものである…。」として、基本となる犯罪について共同正犯が成立するならば、結果的加重犯における加重部分にも共同正犯が成立し、罪責を負うことを示している。
甲及び乙は、Aに対する強盗の共謀をなし、その強盗の機会に、甲が過失によってAに傷害を負わせているところ、乙にも基本犯たる強盗の共謀が成立している以上、その加重結果であるAの傷害結果についても責任を負う。
したがって、甲及び乙に、強盗致傷罪の共同正犯が成立する。

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