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刑法 間接幇助の成否 最一小決昭和44年7月17日 - 解答モード
概要
判例
判旨:「被告人甲が、乙またはその得意先の者丙において不特定の多数人に観覧せしめるであろうことを知りながら、本件の猥せつ映画フイルムを右乙に貸与し、乙からその得意先である丙に右フイルムが貸与され、丙においてこれを映写し十数名の者に観覧させて公然陳列するに至ったという本件事案につき、被告人は正犯たる丙の犯行を間接に幇助したものとして、従犯の成立を認めた原判決の判断は相当である。」
過去問・解説
(H21 司法 第12問 ④)
【事例】
甲は、Xの依頼を受け、同人又はその知人が不特定又は多数の者に見せるであろうことを知りながら、わいせつフィルムをXに貸したところ、Xは、更にYの依頼を受けて同人に同フィルムを貸し、Yがこれを映写して不特定かつ多数の者に観覧させた。
【会話】
A.私は、従犯を幇助する行為は、正犯の実行を容易にすることに変わりはないので、これを処罰することも可能と考える。甲の行為は、Xを幇助した行為として処罰できると考える。
B.私は、甲の行為を「従犯の幇助」として可罰性を認めるA君の考え方には反対だ。まず、処罰価値については、刑法第63条は、従犯を刑の必要的減軽事由としていることから、従犯は正犯より処罰価値が乏しいとする趣旨と考えられ、そのような者に対する幇助は正犯に対する幇助と同等の処罰価値を有するものとはいえない。次に、条文の解釈としても、「正犯を幇助した者は、従犯とする。」と定める刑法第62条第1項の文言からは、「従犯を幇助した者」は「従犯」に当たるとはいえない。さらに、刑法は、第62条第2項において、従犯の教唆を処罰する旨規定しながら、「従犯の幇助」について規定していないから、これを処罰しない趣旨とみるべきだと思う。
A.C君は、甲の行為についてどう考えるのか。
C.本件事例については、別の観点から考えるべきだと思う。私は、甲には、(g.Xのわいせつ物陳列罪幇助に対する従犯・h.Yのわいせつ物陳列罪に対する従犯)の成立を認めることができると考える。同様の事例について、最高裁判所はそのような判断を示している