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刑法 街頭募金詐欺 最二小決平成22年3月17日 - 解答モード
概要
判例
判旨:「犯行は、偽装の募金活動を主宰する被告人が、約2か月間にわたり、アルバイトとして雇用した事情を知らない多数の募金活動員を関西一円の通行人の多い場所に配置し、募金の趣旨を立看板で掲示させるとともに、募金箱を持たせて寄付を勧誘する発言を連呼させ、これに応じた通行人から現金をだまし取ったというものであって、個々の被害者ごとに区別して個別に欺もう行為を行うものではなく、不特定多数の通行人一般に対し、一括して、適宜の日、場所において、連日のように、同一内容の定型的な働き掛けを行って寄付を募るという態様のものであり、かつ、被告人の1個の意思、企図に基づき継続して行われた活動であったと認められる。加えて、このような街頭募金においては、これに応じる被害者は、比較的少額の現金を募金箱に投入すると、そのまま名前も告げずに立ち去ってしまうのが通例であり、募金箱に投入された現金は直ちに他の被害者が投入したものと混和して特定性を失うものであって、個々に区別して受領するものではない。以上のような本件街頭募金詐欺の特徴にかんがみると、これを一体のものと評価して包括一罪と解した原判断は是認できる。」
過去問・解説
(H24 予備 第8問 イ)
連日、駅前で募金箱を持ち、真実は募金を難病の子供のために使うつもりはなく、自己のために費消するつもりであるのにそれを隠して、「難病の子供を救うため、募金をお願いします。」と連呼し、多数回にわたり、不特定多数の通行人からそれぞれ少額の金員をだまし取った。これらは包括一罪となる。
(正答)〇
(解説)
判例(最決平22.3.17)は、本肢と同種の事案において、「不特定多数の通行人一般に対し、一括して、適宜の日、場所において、連日のように、同一内容の定型的な働き掛けを行って寄付を募るという態様のものであり、かつ、被告人の1個の意思、企図に基づき継続して行われた活動であったと認められる。」とした上で、「このような街頭募金においては、これに応じる被害者は、比較的少額の現金を募金箱に投入すると、そのまま名前も告げずに立ち去ってしまうのが通例であり、募金箱に投入された現金は直ちに他の被害者が投入したものと混和して特定性を失うものであって、個々に区別して受領するものではない。」として、募金詐欺が詐欺罪の包括一罪となるとしている。
(R6 司法 第7問 4)
甲は、真実は募金を災害復興支援のために使うつもりはなく、自己のために費消するつもりであるのにこれを隠して、事情を知らない多数のアルバイトの募金活動員に、連日、駅前で募金箱を持たせ、「災害復興支援のために募金をお願いします。」と連呼させ、多数回にわたり、不特定多数の通行人からそれぞれ少額の現金を募金箱に投入させてだまし取った。この場合、甲に詐欺罪の包括一罪が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(最決平22.3.17)は、本肢と同種の事案において、「不特定多数の通行人一般に対し、一括して、適宜の日、場所において、連日のように、同一内容の定型的な働き掛けを行って寄付を募るという態様のものであり、かつ、被告人の1個の意思、企図に基づき継続して行われた活動であったと認められる。」とした上で、「このような街頭募金においては、これに応じる被害者は、比較的少額の現金を募金箱に投入すると、そのまま名前も告げずに立ち去ってしまうのが通例であり、募金箱に投入された現金は直ちに他の被害者が投入したものと混和して特定性を失うものであって、個々に区別して受領するものではない。」として、募金詐欺が詐欺罪の包括一罪となるとしている。甲は、多数回にわたり、不特定多数の通行人からそれぞれ少額の現金を募金箱に投入させてだまし取っている。
したがって、甲に詐欺罪の包括一罪が成立する。