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刑法 住居侵入罪と窃盗罪 大判大正6年6月26日 - 解答モード

概要
他人の印章を窃取するのと窃取した印章を不正に使用するのとは他人の財産権を害し他は公の信用を害する行為にして全然行為の性質及び侵害せられたる法益を異にするから各独立して別個の犯罪を構成するものとする。
判例
事案:窃取した印鑑を不正に使用し、住居に侵入し窃盗をしたという事案において、窃盗罪と住居侵入罪との罪数関係が問題となった。

判旨:「他人ノ印章ヲ窃取スルト其窃取シタル印章ヲ不正ニ使用スルトハ一ハ他人ノ財産権ヲ害シ他ハ公ノ信用ヲ害スル行為ニシテ全然行為ノ性質及ヒ侵害セラレタル法益ヲ異ニスルヲ以テ各独立シテ別箇ノ犯罪ヲ構成スルモノトス
 家宅侵入ノ行為ハ盗罪ノ要素ニ属セス単ニ盗罪遂行ノ手段ニ外ナラサレハ盗罪ノ既遂タルト未遂タルトヲ問ハス別ニ家宅侵入罪ヲ構成スルコト論ヲ竢タス」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H24 司法 第5問 ①)
教授:犯人が被害者の住居に侵入した上で被害者を殺害した場合の住居侵入罪と殺人罪の罪数関係や、犯人が被害者の住居に侵入した上で被害者のお金を盗んだ場合の住居侵入罪と窃盗罪の罪数関係は、判例ではどうなるかな。
学生A:(ア.併合罪イ.牽連犯ウ.観念的競合エ.科刑上一罪オ.包括一罪)です。

(正答)イ

(解説)
判例(大判大6.2.26)は、「家宅侵入ノ行為ハ盗罪ノ要素ニ属セス単ニ盗罪遂行ノ手段ニ外ナラサレハ盗罪ノ既遂タルト未遂タルトヲ問ハス別ニ家宅侵入罪ヲ構成スルコト論ヲ竢タス」として、住居侵入罪と窃盗罪が牽連犯の関係にあることを示しており、別の判例(大判明43.6.17)は、「甲者カ乙者ヲ殺害セント企テ丙者ノ住宅ニ侵入シテ其目的ヲ遂ケタルトキハ右ノ家宅侵入ノ所為ハ殺人行為ノ手段ナルカ故ニ刑法第54条ヲ適用シテ之ヲ処分スヘキモノトス」として、住居侵入罪と殺人罪が牽連犯の関係にあることを示している。


全体の正答率 : 100%

(R3 司法 第7問 エ)
甲は、強制性交の目的でA宅に侵入したが、Aが不在であったため目的を遂げられなかった。その後、甲は、居間に置かれていたA所有の腕時計を発見し、窃取しようと考えてこれを持ち去った。この場合、甲には、住居侵入罪及び窃盗罪が成立するが、これらは併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(大判大6.2.26)は、「家宅侵入ノ行為ハ盗罪ノ要素ニ属セス単ニ盗罪遂行ノ手段ニ外ナラサレハ盗罪ノ既遂タルト未遂タルトヲ問ハス別ニ家宅侵入罪ヲ構成スルコト論ヲ竢タス」として、住居侵入罪と窃盗罪が牽連犯の関係にあることを示している。
これは、犯人が当初より手段とする意思があるか否かにより左右されるものではない。
甲は、強制性交の目的でA宅に侵入したが、当初目的を遂げず居間に置かれていたA所有の腕時計を発見し、窃取しようと考えてこれを持ち去っているから、住居侵入罪及び窃盗罪が成立し、これらは牽連犯となる。

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