現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

刑法 暴行と死亡結果との間の因果関係 最二小判平成16年2月17日 - 解答モード

概要
暴行による傷害がそれ自体死亡の結果をもたらし得るものであった場合には、その治療中に被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったために治療の効果が上がらなかったという事情が介在したとしても、上記暴行と被害者の死亡との間には因果関係がある。
判例
事案:暴行により傷害を負った被害者が治療中、医師の指示に従わなかったために治療効果が十分に発揮せず、死亡したという事案において、暴行と死亡結果との間の因果関係が問題となった。

判旨:「被告人らの行為により被害者の受けた前記の傷害は、それ自体死亡の結果をもたらし得る身体の損傷であって、仮に被害者の死亡の結果発生までの間に、上記のように被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったために治療の効果が上がらなかったという事情が介在していたとしても、被告人らの暴行による傷害と被害者の死亡との間には因果関係があるというべきであり、本件において傷害致死罪の成立を認めた原判断は、正当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H19 司法 第12問 3)
甲がVの腹部をナイフで突き刺して内臓損傷の重傷を負わせたところ、Vは救急病院に搬送されて緊急手術を受け、術後、いったん容体は安定した。ところが、意識を回復したVが、医師の指示に従わずに暴れたため、治療の効果が失われ、上記内臓損傷により死亡した。この場合、治療の効果が失われたのはVの落ち度によるのであるから、Vの内臓損傷がそれ自体死亡の結果をもたらし得るものであっても、甲の刺突行為とVの死亡の結果との間の因果関係を肯定することはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判平16.2.17)は、「被告人らの行為により被害者の受けた前記の傷害は、それ自体死亡の結果をもたらし得る身体の損傷であって、仮に被害者の死亡の結果発生までの間に、上記のように被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったために治療の効果が上がらなかったという事情が介在していたとしても、被告人らの暴行による傷害と被害者の死亡との間には因果関係があるというべき…。」としている。
したがって、Vの落ち度により治療の効果が出なかったとしても、Vの内臓損傷がそれ自体死亡の結果をもたらし得るものである以上、甲の刺突行為とVの死亡の結果との間には因果関係が認められる。


全体の正答率 : 100%

(H23 司法 第2問 オ)
甲は、Vの後頸部に割れたビール瓶を突き刺し、Vに重篤な頸部の血管損傷等の傷害を負わせたため、Vは病院に搬送された。Vは、病院で手術を受け、容体が一旦は安定したが、医師からなお予断を許さないから安静を続けるように指示されていたにもかかわらず、医師の指示に従わずに病室内を動き回ったため、当初の傷害の悪化による脳機能障害により死亡した。因果関係が認められる。

(正答)

(解説)
判例(最判平16.2.17)は、「被告人らの行為により被害者の受けた前記の傷害は、それ自体死亡の結果をもたらし得る身体の損傷であって、仮に被害者の死亡の結果発生までの間に、上記のように被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったために治療の効果が上がらなかったという事情が介在していたとしても、被告人らの暴行による傷害と被害者の死亡との間には因果関係があるというべき…。」としている。
したがって、Vが医師の指示に従わなかったという落ち度により悪化したとしても、Vの重篤な頸部の血管損傷等の傷害がそれ自体死亡の結果をもたらし得るものである以上、甲の刺突行為とVの脳機能障害による死亡の結果との間には因果関係が認められる。


全体の正答率 : 100%

(H28 共通 第5問 3)
甲は、Vの頸部を包丁で刺し、Vは、同刺創に基づく血液循環障害による脳機能障害により死亡した。その死亡するまでの経過は、Vは、受傷後、病院で緊急手術を受けて一命をとりとめ、引き続き安静な状態で治療を継続すれば数週間で退院することが可能であったものの、安静にすることなく病室内を歩き回ったため治療の効果が上がらず、同脳機能障害により死亡したというものであった。この場合でも、甲がVの頸部を包丁で刺した行為とVの死亡との間には、因果関係がある。

(正答)

(解説)
判例(最判平16.2.17)は、「被告人らの行為により被害者の受けた前記の傷害は、それ自体死亡の結果をもたらし得る身体の損傷であって、仮に被害者の死亡の結果発生までの間に、上記のように被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったために治療の効果が上がらなかったという事情が介在していたとしても、被告人らの暴行による傷害と被害者の死亡との間には因果関係があるというべき…。」としている。
したがって、安静にすることなく病室内を歩き回ったというVの落ち度により治療の効果が上がらなかったとしても、Vの頸部の傷害がそれ自体死亡の結果をもたらし得るものである以上、甲の刺突行為とVの脳機能障害による死亡の結果との間に因果関係が認められる。


全体の正答率 : 100%

(R3 予備 第11問 イ)
甲は、Vの頸部を包丁で刺突し、致命傷になり得る頸部刺創の傷害をVに負わせたところ、Vは、病院で緊急手術を受けたため一命をとりとめ、引き続き安静な状態で治療を継続すれば数週間で退院することが可能となったが、安静にせず、病室内を歩き回ったことから治療の効果が上がらず、同頸部刺創に基づく血液循環障害による肝機能障害により死亡した。この場合、甲の上記刺突行為とVの死亡との間に、因果関係はない。

(正答)

(解説)
判例(最判平16.2.17)は、「被告人らの行為により被害者の受けた前記の傷害は、それ自体死亡の結果をもたらし得る身体の損傷であって、仮に被害者の死亡の結果発生までの間に、上記のように被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったために治療の効果が上がらなかったという事情が介在していたとしても、被告人らの暴行による傷害と被害者の死亡との間には因果関係があるというべき…。」としている。
したがって、安静にすることなく病室内を歩き回ったというVの落ち度により治療の効果が上がらなかったとしても、Vの致命傷になり得る頸部の傷害がそれ自体死亡の結果をもたらし得るものである以上、甲の刺突行為とVの肝機能障害による死亡の結果との間には因果関係が認められる。

該当する過去問がありません

前の判例 次の判例